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2015年8月11日火曜日

秦河勝とは?

人文研究見聞録:秦河勝とは?

秦河勝(はたのかわかつ)とは、聖徳太子の側近中の側近とされる人物です。

以下に、その人物像をまとめていきたいと思います。

概要

秦河勝は飛鳥時代に活躍した人物であり、主に聖徳太子の側近として太子を支えていたとされています。

聖徳太子についてはこちらの記事を参照:【聖徳太子とは?(史実)】【聖徳太子とは?(伝説)】

山城国葛野を拠点にしていた渡来系氏族である秦氏(はたうじ)の出身であり、そのルーツを辿ると古代中国の秦始皇帝(しんのしこうてい)に遡るとされています。また、飛鳥時代においては秦氏の族長的人物であったと云われているようです。

伝説によれば、初瀬川が氾濫した際に三輪大神の社の前に流れ着いた童子であり、当時の天皇であった欽明天皇は、夢の中で「私は秦の始皇帝の再誕である。縁あって この国に生まれた」と名乗る神童と出会っていたことから、「夢にみた童子は、この子である」として殿上に召抱え、後に始皇帝に因んで童子に「」の姓(かばね)を与え、初瀬川の氾濫より助かった童子であることから「河勝」と称したとされています。

また、富裕な商人でもあり、朝廷の財政に関わっていたといわれ、その財力により平安京の造成、伊勢神宮の創建などに関わったという説もあります。なお、四天王寺の造成は、秦河勝の財力によって成し遂げられたとも云われています。

経歴

秦河勝は、主に『日本書紀』および『聖徳太子伝暦』に登場しており、その中で詳しい活動が記されています。

・用明天皇2年(587年)
 → 丁未の乱では、物部守屋の追討戦に従軍し、厩戸皇子(聖徳太子)を守護しつつ守屋の首を斬ったという。
・推古天皇11年(603年)
 → 聖徳太子より弥勒菩薩半跏思惟像を賜り、蜂岡寺を建てそれを安置した。
・推古天皇18年(610年)
 → 新羅の使節を迎える導者の任に土部連菟(はじのむらじうさぎ)とともに当る。
・皇極天皇3年(644年)
 → 駿河国富士川周辺で、大生部多を中心とした常世神を崇める信仰宗教団体を討伐する。

なお、没したのは赤穂の坂越とされ、神域の生島には秦河勝の墓があります。

常世神の逸話

人文研究見聞録:秦河勝とは?

『日本書紀』皇極天皇の条には、秦河勝に関わる以下の逸話が記載されています。

秦河勝と常世神

皇極天皇(644年)7月、東国の富士川周辺で、そこに住む大生部多(おほふべのおほ)が、「この虫は常世の神である。この神を祭れば、富と長寿を与えられる」と言い、虫を祀ることを村人に勧め、巫らも「常世神を祭る者は豊かになり、若返る」という神言を述べた。

そして、人々に財産を寄付させて、都人も田舎人も皆して常世の虫を祀ったが、結局 何の御利益もなかった。そのことを知った秦河勝は、民衆の苦難を憂い、珍妙な宗教を広めようとする大生部多を討った。

そこで、時の人は このような歌を詠んだ。

ウヅマサハ、カミトモカミト、キコエクル、トコヨノカミヲ、ウチキタマスモ。(太秦は神の中の神という評判が聞こえてくる。常世の神を打ち懲らしめたのだから。)

余談ですが、常世神とされる虫は、橘や山椒の木に付く蚕(かいこ)に似た虫であり、親指ほど大きさで、緑色に黒い斑点があるという特徴があるとされています。このことから、アゲハ蝶の幼虫を指していたのではないかと言われています。

大避神社と秦河勝

人文研究見聞録:秦河勝とは?

兵庫県赤穂市坂越にある大避神社(おおさけじんじゃ)では、秦河勝を主祭神の大避大神として祀っており、神社に伝わる伝承によると、「秦河勝は、鼻が高く、西洋人顔であった」とされているようです。

なお、秦河勝は猿楽(能)の始祖であるとされており、この神社に古くから伝わる舞楽面は「目鼻立ちのハッキリとし顔立ちであり、鼻が高い」という特徴があります。まるで天狗のようですね。

人文研究見聞録:秦河勝とは?
大避神社の舞楽面

日本の多くの神幸祭では、行列の先導役として 天狗の面を被った猿田彦が登場しますが、個人的には、この行事にも関連していると考えています。

人文研究見聞録:秦河勝とは?
猿田彦
人文研究見聞録:秦河勝とは?
神幸祭の猿田彦


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