人文研究見聞録:物部神社の御神墓(宇摩志麻遅命の墓) [島根県]

物部神社の本殿の裏手には八百山(やおやま)という裏山があり、その山上には「御神墓(ごしんぼ)」と呼ばれる祭神の宇摩志麻遅命(ウマシマジ)の墓が建てられています。

その雰囲気は綺麗に整備された神社とは異なり、鬱蒼とした木々が繁る古代そのままのような様相を呈しており、かつ、奇妙な石材や謎の石造物なども安置されていることから、まるで古代遺跡の様な好奇心を擽る場所となっています。

この記事では、そんな物部神社の御神墓について特集したいと思います。

物部神社についてはこちらの記事を参照:【物部神社(大田市)】


御神墓までのルートと様子

御神墓は、境内の稲荷社付近にある山道を道なりに登った八百山の山腹に見えてきます。

入口付近には石階段があり、その道中にはいくつかの石柱および木柱が山道の両側に配されています。

人文研究見聞録:物部神社の御神墓(宇摩志麻遅命の墓) [島根県]
石階段
人文研究見聞録:物部神社の御神墓(宇摩志麻遅命の墓) [島根県]
石柱と木柱

なお、こうした神社に付随する山道には鳥居が建てられる場合が多いのですが、傘木は無く、注連縄が張られています。

いずれにせよ、祭神を祀る神域であることは間違いないでしょう。

ただ、古代より手が加えられてない場所ほど、こういう形の縄鳥居が設置されていることが多い気がします。

山道をしばらく進むと、途中から石階段は無くなります。

人文研究見聞録:物部神社の御神墓(宇摩志麻遅命の墓) [島根県]
木の根の道
人文研究見聞録:物部神社の御神墓(宇摩志麻遅命の墓) [島根県]
石柱

そして、木の根がむき出しになった道が現れ、そこを進むことになります(ラピュタを彷彿しますね)。

さらに先へ登っていくと そこにも石柱が配されており、その先の一角に御神墓があります。

御神墓は石垣の上にあり、周囲には石垣が巡らされ、その手前には石燈籠が配置されています。

また、墓内には石が積まれ、その中心には幣帛の付いた竹棒が立てられており、その背後に石碑があります。

人文研究見聞録:物部神社の御神墓(宇摩志麻遅命の墓) [島根県]
御神墓

社伝によれば、この墓に祭神の宇摩志麻遅命(ウマシマジ)が葬られたと伝えられています。

そのため、ここでも二礼二拍手一礼で拝むのが良いかと思われます。

参拝が終えて山道を降りて行くと、山道の麓(入口付近)の右手側に奇妙な石造物が見えてきます。

人文研究見聞録:物部神社の御神墓(宇摩志麻遅命の墓) [島根県]
謎の石造物(正面)
人文研究見聞録:物部神社の御神墓(宇摩志麻遅命の墓) [島根県]
謎の石造物(上から)

この立方体の形をした石造物の表面には網目の様な模様が刻まれ、その上にもいくつかの線が刻まれています。

その上には直方体の石造物があり、複数の丸い模様があしらわれています。

さらにその上には、石像が破損したようなものが見えますが、具体的な形は分かりませんでした。

これはいったい何なのでしょうか?石像を安置するための台座のようにも見えますし、石柱のようにも見えます。

社伝によれば、ウマシマジは八百山の麓に宮居を構えたとされますが、それと関係はあるのでしょうか?

しかし、具体的な説明は為されていないため、この石造物の正体については不明です。

料金: 無料
住所: 島根県大田市川合町川合1545
営業: 6:00~18:00頃
交通: 大田市駅(徒歩65分)、石見交通バス「川合バス停」下車(徒歩1分) ※自動車推奨

公式サイト: http://www.mononobe-jinja.jp/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。