人文研究見聞録:奈良の大仏(東大寺 大仏殿) [奈良県]

奈良県奈良市の東大寺大仏殿にある奈良の大仏(ならのだいぶつ)です。

奈良時代に聖武天皇によって造立されることとなった巨大仏像であり、奈良のシンボルとして知られています。

東大寺についてはこちらの記事を参照:【東大寺】


概要

奈良の大仏とは?

人文研究見聞録:奈良の大仏(東大寺 大仏殿) [奈良県]

奈良の大仏は奈良時代に制作された巨大な仏像で、盧舎那仏(びるしゃなぶつ)という「蓮華蔵世界(『華厳経』の世界観)」の中心に位置する大宇宙そのものを象徴する仏であるとされます。

歴史的には、天平15年(743年)の聖武天皇の「大仏造立の詔」によって造立されることとなり、天平17年(745年)から制作準備が開始され、天平勝宝4年(752年)に完成して開眼供養会(仏像などが完成した際に行う法要)が行われたとされています。

また、大仏と大仏殿は完成以後、治承4年(1180年)永禄10年(1567年)の2回焼失しているとされ、その度に時の権力者によって復興されているそうです。

なお、大仏の制作には約260万人が投入され、当時の大仏と大仏殿の建造費は現在の貨幣価値に換算して約4657億円と言われています。

サイズ

奈良の大仏のサイズは以下の通りです。

・像高:約14.7メートル
・周囲:約70メートル

沿革

奈良の大仏の沿革は以下の通りです。

・天平13年(741年):聖武天皇が「国分寺・国分尼寺建立の詔」を発する
・天平15年(743年):聖武天皇が近江国紫香楽宮にて「大仏造立の詔」を発する
 → 聖武天皇は、天平12年(740年)の難波宮行幸の際、河内国の知識寺で盧舎那仏像を拝して造立を決心したとされる
・天平16年(744年):紫香楽宮 近くの甲賀寺に大仏の骨柱を立てる
・天平17年(745年):平城東山の山金里で大仏造立が開始される
・天平18年(746年):聖武天皇が金鐘寺に行幸し、盧舎那仏の燃灯供養を行う
 → 「大仏鋳造の原型が完成したことを意味する」と解されている
・天平19年(747年):大仏の鋳造が開始される
・天平勝宝元年(749年):大仏の鋳造が終了する
・天平勝宝4年(752年):大仏開眼供養会が開催される
・治承4年(1180年):平重衡の兵火によって焼失する
・文治元年(1185年):重源によって大仏が再興され、開眼法要が営まれる
・永禄10年(1567年):松永久秀の兵火によって焼失する
・貞享元年(1685年):公慶によって大仏の再興が開始される
・元禄4年(1691年):大仏が再興され、翌年に開眼供養が営まれる

大仏殿の見どころ

東大寺盧舎那仏像(奈良の大仏)

人文研究見聞録:奈良の大仏(東大寺 大仏殿) [奈良県]

東大寺大仏殿にある東大寺盧舎那仏像(とうだいじるしゃなぶつぞう)です。

一般的に「奈良の大仏」と呼ばれ、『華厳経』に登場する盧舎那仏という大宇宙そのものを象徴する仏とされています。

なお、大仏殿内での撮影は自由であり、毎年の大晦日~元旦は正面の窓が開かれて大仏の顔を外から見られるそうです。

如意輪観音菩薩像

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東大寺大仏殿にある如意輪観音菩薩像(にょいりんかんのんぼさつぞう)です。

大仏の脇侍として安置される木製の仏像であり、元文3年(1738年)ごろに完成したとされています。

虚空蔵菩薩像

人文研究見聞録:奈良の大仏(東大寺 大仏殿) [奈良県]

東大寺大仏殿にある虚空蔵菩薩像(こくうぞうぼさつぞう)です。

大仏の脇侍として安置される木製の仏像であり、宝暦2年(1752年)ごろに完成したとされています。

多聞天像

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東大寺大仏殿にある多聞天像(たもんてんぞう)です。

大仏殿内に安置される四天王像の一つであり、江戸時代の復興期の制作とされています。

広目天像

人文研究見聞録:奈良の大仏(東大寺 大仏殿) [奈良県]

東大寺大仏殿にある広目天像(こうもくてんぞう)です。

大仏殿内に安置される四天王像の一つであり、江戸時代の復興期の制作とされています。

持国天・増長天像(頭部)

人文研究見聞録:奈良の大仏(東大寺 大仏殿) [奈良県]

東大寺大仏殿にある持国天(じこくてん)・増長天像(ぞうちょうてんぞう)です。

江戸時代の復興期の制作された四天王像であり、未完成に終わったため 頭部のみが安置されています。

東大寺模型

人文研究見聞録:奈良の大仏(東大寺 大仏殿) [奈良県]

東大寺大仏殿にある東大寺の模型です。

創建当初の様子を1/50に縮小して再現したものとされています。

大仏の手

人文研究見聞録:奈良の大仏(東大寺 大仏殿) [奈良県]

東大寺大仏殿にある大仏の手です。

柱くぐり

人文研究見聞録:奈良の大仏(東大寺 大仏殿) [奈良県]

東大寺大仏殿の柱くぐりです。

堂内の柱に四角形の穴が空いており、この柱の穴をくぐり抜けると無病息災の御利益があると言われています

なお、この柱の穴は30×37cmとされ、大仏の鼻の穴の大きさと同じなんだそうです。

料金: 一般500円、小学生300円 ※詳細は公式サイト参照
住所: 奈良県奈良市雑司町406-1(マップ
営業: 7:30~17:30(夏季)、8:00~16:30(冬季) ※詳細は公式サイト参照
交通: 近鉄奈良駅(徒歩19分)、奈良市内循環バス「大仏殿春日大社前」下車(徒歩5分)

公式サイト: http://www.todaiji.or.jp/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。