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2015年10月16日金曜日

奇祭 天狗まつり2015(聖天宮西江寺) [大阪府]

人文研究見聞録:奇祭 天狗まつり2015(聖天宮西江寺) [大阪府]

「天狗まつり」とは、大阪府箕面市にある聖天宮西江寺の秋季大祭であり、祭の主役である天狗に「簓(ささら)」と呼ばれる棒でブン殴られることで邪気祓い・悪魔払いを行うという奇祭として知られています。

なお、この天狗は修験道の開祖であり、西江寺の開基である「役行者(役小角)」が変化したものと伝わっていますが、具体的な起源については不明とされています(少なくとも江戸末期から行われていたという記録があるという)。

今回はこの「天狗まつり」に参加してきたので、そのレポートを記載したいと思います。


寺院の概要

聖天宮西江寺とは?

人文研究見聞録:奇祭 天狗まつり2015(聖天宮西江寺) [大阪府]

聖天宮西江寺(しょうてんぐうさいこうじ)とは大阪府箕面市にある高野山真言宗の寺院であり、寺伝によれば飛鳥時代(658年)に修験道の開祖・役小角(えんのおづの)によって開基され、本尊に役行者作と云われる大聖歓喜天を祀っています。

入口の碑文には「日本最初 歓喜天出現 霊場 聖天宮」と記され、これは寺伝にある「ある日、光の中から老翁に化身した大聖歓喜天が現れ、役小角はこの箕面山を日本最初の歓喜天霊場とした」という故事に由来しているとされています。また、鳥居も立てられていることから、神仏習合の寺院であると考えられます。

人文研究見聞録:奇祭 天狗まつり2015(聖天宮西江寺) [大阪府]
入口の碑文
人文研究見聞録:奇祭 天狗まつり2015(聖天宮西江寺) [大阪府]
入口の鳥居

ちなみに、「歓喜天(かんぎてん)」とは象頭を持つインドの神「ガネーシャ」を起源とする天部です。また、寺内には室町中期に造られたとされる大黒天像も祀られています。

詳しくはこちらの記事を参照:【聖天宮西江寺】

役小角(役行者)とは?

人文研究見聞録:奇祭 天狗まつり2015(聖天宮西江寺) [大阪府]

役小角(えんのおづの)とは飛鳥時代から活躍した呪術者であり、役行者(えんのぎょうじゃ)の名でも知られています。

修験道の開祖として有名であり、呪法を操って鬼神や神をも使役したとする数多くの伝説を持ち、和歌山県の熊野三山を信仰する熊野信仰にも多大な影響を与えたとされています。

役小角について詳しくはこちらの記事を参照:【修験道・役小角とは?】

天狗について

人文研究見聞録:奇祭 天狗まつり2015(聖天宮西江寺) [大阪府]

天狗(てんぐ)の定義は分野によって様々ですが、修験道においては特有の山の神であり、輝く鳥として描かれることが多いとされ、仏教の天部である「迦楼羅天(かるらてん)」が変化したものと考えられています(烏天狗など)。

一方、鼻の高い天狗は「鼻高天狗」もしくは「大天狗」とも呼ばれ、優れた力を持った仏僧、修験者などは死後に大天狗になると云われています。役小角も死後に大天狗になったと云われており、生前の業績から妖怪・魔怪をも屈服させる大天狗の中でも別格であるとされています。

なお、日本神話に登場する猿田彦神(サルタヒコ)も天狗の様な容姿であったとされ、「鼻高天狗」はサルタヒコに由来するという説もあります。

天狗まつりの宵宮

天狗まつりの宵宮の概要

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天狗まつりの宵宮は、毎年10月15日の夜に行われる神仏習合の奇祭であり、祭の開始より境内に響く太鼓の音と掛け声に合わせ天狗と獅子舞が舞い踊ります(天狗は走り回ります)。

天狗や獅子舞が子供を追いかけて叩くのは邪気祓い・悪魔払いの意味があり、天狗に叩かれると元気で賢い子に育つ、女性はお尻を叩かれると子宝に恵まれると云われているそうです。

開催時間は19:00頃から21:00過ぎまでの約2時間とされています(開催年によって異なる)。

以下、天狗まつりの大まかな流れについてレポートしたいと思います。

天狗まつりの宵宮の流れ

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「天狗まつり」の舞台となる西江寺は、箕面駅から徒歩6分の場所に位置しています。

そのため、駅からほど近い参道から境内まで多数の提灯でライトアップされており、夜祭り雰囲気を演出しています。

18:00頃、境内には既に夜店が開かれており、境内には地元の子供たちが集まっています。

しかし、集まっている見物客はまばらであり、この時点では境内を散策する余裕すらあります。

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境内の様子
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夜店の様子

19:00頃、アナウンスとともに大太鼓が鳴らされ、獅子舞が音頭に合わせて踊りはじめます。

すると、見物客が続々と集まり、境内には動きが取り辛くなるほどの人混みで溢れかえります。

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大太鼓
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獅子舞

しばらくすると黄色い衣装を纏った天狗が現れて、境内を駆け回り、見物客の頭を叩いて廻ります。

なお、天狗の持つ棒の様なものは2本あり、天狗はそれを擦り合わせて叩く準備をするという動きを見せます。

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簓と簓子を擦り合わせる
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見物客の頭を叩く

この竹の細かく割った棒のようなものは「簓(ささら)」と呼ばれ、これで見物客の頭や尻を叩きます。

また、簓を擦るための刻み目のついた棒は「簓子(ささらこ)」というそうです。

一通り客の頭を殴って廻った天狗は、獅子舞の前に立って激しく踊り狂います。

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舞う天狗と獅子舞

この際、太鼓の音頭がリズミカルになり、提灯も点滅して、獅子舞および天狗のテンションを盛り上げます。

これは恐らく、酒と神楽(獅子舞)に併せて神懸かっているということを表しているものと思われます。

獅子舞の前でテンションを上げきった天狗は再び境内へと繰り出し、見物客の頭を簓で殴って廻ります。

以降、天狗は「境内に繰り出す ⇔ 獅子舞で踊る」の繰り返して祭全体の雰囲気を盛り上げます。

天狗に疲れが見え始めると、続いて白い衣装の天狗が現れ、境内を廻って客を殴って廻ります。

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白い衣装の天狗
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同様に頭を叩く

この際の殴る強さは天狗のさじ加減によって変わりますが、比較的男性の方が強く殴られている気がします。

しかし、そこそこの強さで殴られてもビックリするぐらいで大して痛くはありません

また、客も殴られるために集まっているので、進んで頭を突き出すという異様な光景が見られます。

白い衣装の天狗も、黄色い衣装の天狗と同様の動きを繰り返して境内を駆け巡り、ある程度で選手交代します。

また、祭の中盤には獅子舞も境内に繰り出し、客の頭を噛んで廻ります。

人文研究見聞録:奇祭 天狗まつり2015(聖天宮西江寺) [大阪府]
獅子舞

これは無病息災の意味があるとされ、獅子舞に噛まれるために頭を差し出す人も多く見られます。

なお、獅子舞は勢いよく歯を鳴らしていますが、噛む時は甘噛みなので心配無用です。

こうした流れを繰り返し、天狗まつりは進行されていきます。

そして、終盤には天狗が大放出され、最後は三三七拍子で締めくくられるそうです(未確認)。

なお、「天狗まつり」の様子をこちらの動画にまとめましたので、ぜひご覧ください。


天狗の種類

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黄色
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白(縮毛)
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白(直毛)

確認した限りでは天狗は約4種類存在し、黄色、白(縮毛)、赤、白(直毛)の順で登場していました。

客層

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客の多くは地元の子供たちであり、その保護者を含めて8~9割方 地元民で占められていると思われます。

また、子供と大人の人数比は約50%ずつぐらいです(しかし、子供が非常に目立つ)。

地元民以外の見物客には、他所からの参加とみられる人や外国人が見られます。

しかし、地元独自という雰囲気でもないため、他所者でも参加に問題はありません

注意点

人文研究見聞録:奇祭 天狗まつり2015(聖天宮西江寺) [大阪府]

祭の最中は境内は混雑する上に子供たちが走り回るため、転倒や怪我などの事故の要因が多数あります

また、天狗まつりの実行委員会も境内においての事故については責任を負わないことを明示しています。

そのため、事故やその被害に関しては自己責任で参加する必要があります。

料金: 無料
住所: 大阪府箕面市箕面2-5-27
日時: 毎年10月15日、19:00~21:00ごろ
交通: 箕面駅(徒歩6分)

公式サイト: http://www.nanokaichi.com/saikouji/tengumatsuri/tengumatsuri.html

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