出雲大社土佐分祠 [高知県]
2015/11/20
高知県高知市にある出雲大社土佐分祠(いずもたいしゃとさぶんし)です。
大国主大神(オオクニヌシ)を崇敬する「出雲大社教」の御師(おし)によって土佐国に勧請された出雲大社の分祠であり、入口に大国主神像を配し、拝殿には太めの注連縄が張られるといった、如何にも出雲大社という雰囲気を醸し出す神社となっています。
また、出雲大社教には龍蛇神を崇める出雲独特の龍神信仰があるとされ、境内には龍蛇神を祀る境内社もあります(ここでいう龍蛇神とは、大国主神の神使とされている)。
出雲大社についてはこちらを参照:【出雲大社】
神社概要
概要
出雲大社土佐分祠の概要は以下の通りです。
【由緒】
出雲大社教の御師によって勧請された出雲大社の分祠とされる
【祭神】
・大国主大神(オオクニヌシ):出雲大社の主祭神
出雲大社教の御師によって勧請された出雲大社の分祠とされる
【祭神】
・大国主大神(オオクニヌシ):出雲大社の主祭神
境内社
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出雲大社教と出雲大社分祠
出雲大社教とは、明治6年(1873年)に当時 出雲大社の大宮司であった千家尊福(せんげたかとみ)が創設した教団であり、現在では出雲大社の社務所内に本部を構える教派神道(神道十三派※)の一つとされています。
なお、日本は江戸時代まで神仏習合という形で神社と寺院が混淆しており、当時は寺院が圧倒的な権力を誇っていたとされています。それが明治以後、神仏分離令によって分けられ、国家としては日本古来の神道を国教として国民統合の支柱とする「国家神道」という思想の元、神道が広められるようになったとされます。
ただし、政府は「神道は宗教ではない」とする「神社非宗教論」を以って、憲法における「信教の自由」を回避したことから、「神道は非宗教」という認識となったそうです(昭和20年の神道指令によって終了)。
しかし、古来より宗教として神道を布教してきた神社のいくつかはこれに反対し、神道系の宗教団体を設立していったとされています。その際、政府は信者数などの一定の条件を満たした教派を独立教派として公認したとされ、そのうちの一つが「出雲大社教」であるとされています。
以来、出雲大社教では出雲大社を宗祠とし、出雲信仰を布教するために各地に御師を派遣したそうです。それによって出雲大社の分祠が北海道から沖縄までの全国各地に広まり、現在では海外のハワイにまで及んでいるとされています。
※神道十三派(しんとうじゅうさんぱ):明治時代に教派として公認された神道系の教団のこと
境内の見どころ
鳥居
出雲大社土佐分祠の鳥居は、青色に塗られた独特なものとなっています。
大国主神像
出雲大社土佐分祠の入口には大国主神像が立てられています。
なお、像の下には石碑があり、下記の様な大国主神の説明文が記載されています。
だいこく様
大きなふくろをかたにかけ だいこく様が来かかると ここにいなばの白うさぎ 皮をむかれて赤はだか
だいこく様はあわれがり きれいな水に身をあらい がまのほわたにくるまれと よくよく教えてやりました
だいこく様の言うとおり きれいな水に身をあらい がまのほわたにくるまれば うさぎはもとの白うさぎ
だいこく様はだれだろう 大国主のみこととて 国を開きて世の人を たすけなされた神様よ
大きなふくろをかたにかけ だいこく様が来かかると ここにいなばの白うさぎ 皮をむかれて赤はだか
だいこく様はあわれがり きれいな水に身をあらい がまのほわたにくるまれと よくよく教えてやりました
だいこく様の言うとおり きれいな水に身をあらい がまのほわたにくるまれば うさぎはもとの白うさぎ
だいこく様はだれだろう 大国主のみこととて 国を開きて世の人を たすけなされた神様よ
古戦場跡の記念碑
出雲大社土佐分祠の境内地は南北朝時代の古戦場跡であるとされ、鳥居の前には記念碑が立てられています。
拝殿の大注連縄
出雲大社土佐分祠の拝殿には大注連縄が張られています。
これは出雲地方と同様に「大黒締め」という独自の締め方をされた注連縄であると思われます。
なお、拝殿は土足厳禁であり、参拝方法は「二礼四拍手一礼」とされています。
・祓社(はらえ):祓戸四神を祀る(罪、穢を祓い清める社)
・龍蛇神社(りゅうじゃ):大国様の使者として八百万神を迎える竜蛇様を祀る(豊作、豊漁、火難水難、金運守護)
・鎮霊祠(みたましずめ):幽冥大神(大国主)の御恵を乞祈奉り、祟りを鎮め、障を除ける社
・塩釜神社(しおがま):タケミカヅチ、フツヌシ、シオツチオヂを祀る(安産、星よけ、国家安泰の神)
・比江山神社(ひえやま):比江山掃部助親興の従臣六氏を祀る(訴訟判決の正理、勝負事の神)
・恵美須神社(えびす):コトシロヌシ(えびす様)を祀る(海上安全、豊漁、除災招福の神)
・龍蛇神社(りゅうじゃ):大国様の使者として八百万神を迎える竜蛇様を祀る(豊作、豊漁、火難水難、金運守護)
・鎮霊祠(みたましずめ):幽冥大神(大国主)の御恵を乞祈奉り、祟りを鎮め、障を除ける社
・塩釜神社(しおがま):タケミカヅチ、フツヌシ、シオツチオヂを祀る(安産、星よけ、国家安泰の神)
・比江山神社(ひえやま):比江山掃部助親興の従臣六氏を祀る(訴訟判決の正理、勝負事の神)
・恵美須神社(えびす):コトシロヌシ(えびす様)を祀る(海上安全、豊漁、除災招福の神)
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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コメント
4 件のコメント :
「だいこく様」の歌、懐かしいです! こどもに唄ってやろうとも、幼少時の記憶では、歌詞がおぼつかなかったのでした。
>>匿名さん
コメントありがとうございます。歌詞を載せておいたので参考にしてみてください^^
家を建てようかと考えているんですが、地鎮祭をお願いする事はできますか?
>>匿名さん
「出雲大社 土佐分祠」で検索すると電話番号が出てくるので、電話で問い合わせてみてください
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