出雲大社(杵築大社) [島根県]
2017/09/30
島根県出雲市にある出雲大社(いずもたいしゃ・いづもおおやしろ)です。
日本神話を起源とする格式の高い神社であり、祭神に大国主大神(オオクニヌシ)を祀っています。
良縁を授ける縁結びの神として有名で、毎年の旧暦10月(神在月)には全国の神々が集まると言われています。
そのため、出雲の観光地の中心として、国内外から観光客が訪れる人気スポットとなっています。
また、熊野大社と共に出雲国一之宮であり、出雲國神仏霊場の第一番にもなっています。
神社概要
由緒
公式サイトによれば、当社主祭神の大国主大神(オオクニヌシ)は国土を開拓して国造りを成したことから「所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ)」と呼ばれ、こうして築かれた国は豊かで強大な国家として「豊葦原の瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)」と呼ばれたとされます。
この国造りの後、天下を照らし治める天照大御神(アマテラス)に国譲りしたことで、大国主大神は新たな住居として「天日隅宮(あめのひすみのみや)」と呼ばれる高くて太い柱を用いた荘厳な神殿が与えられ、この神殿の祭主には天照大御神の御子である天穂日命(アメノホヒ)が就任したとされ、これが出雲大社の起源となっているようです。
この由緒は『古事記』『日本書紀』に代表される各文献にも記されており、文献によって表現方法は異なるものの、「国譲りの後に巨大な神殿が建てられた」という点には共通性が見られます。また、摂社の命主社(神魂伊能知奴志神社)の鎮座地から銅剣と勾玉が発見されたことから、古くから当地で祭祀が行われていたと見られています。
なお、出雲大社の正式名称は「いづもおおやしろ」と言うとされます。
詳しくはこちらも参照:【出雲大社の予備知識】
祭神
出雲大社の祭神は以下の通りです。
・大国主大神(オオクニヌシ):「日本神話」で国造りを成したとされる神
→ 『記紀』によって出自が異なる
⇒ 『古事記』では、アメノフユキヌとサシクニワカヒメの子でスサノオの6世とされる
⇒ 『日本書紀』では、スサノオとクシナダヒメの御子とされる
→ 当社では「だいこくさま」と呼ばれ、縁結びの神として信仰されている
⇒ 出雲では縁結神・福神・天下地主神・大国作神などとも呼ばれる
→ 『出雲国風土記』では所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ)とされる
⇒ 当社では国土開拓の大事業に由来すると説明される
→ 上記のほか、数多くの別名がある
⇒ 大物主神(オオモノヌシ)とも同神と言われる
※神宮寺であった鰐淵寺の影響で、中世(13~17世紀)までスサノオが主祭神であった時期がある
→ 『記紀』によって出自が異なる
⇒ 『古事記』では、アメノフユキヌとサシクニワカヒメの子でスサノオの6世とされる
⇒ 『日本書紀』では、スサノオとクシナダヒメの御子とされる
→ 当社では「だいこくさま」と呼ばれ、縁結びの神として信仰されている
⇒ 出雲では縁結神・福神・天下地主神・大国作神などとも呼ばれる
→ 『出雲国風土記』では所造天下大神(あめのしたつくらししおおかみ)とされる
⇒ 当社では国土開拓の大事業に由来すると説明される
→ 上記のほか、数多くの別名がある
⇒ 大物主神(オオモノヌシ)とも同神と言われる
※神宮寺であった鰐淵寺の影響で、中世(13~17世紀)までスサノオが主祭神であった時期がある
境内社
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出雲大社の境内社は以下の通りです(境内周辺のみ)。
・野見宿禰神社:野見宿禰命(第13代出雲國造 襲髄命)を祀る
・祓社:祓戸四柱神(瀬織津比咩神・速開都比咩神・気吹戸主神・速佐須良比咩神)を祀る
・大神大后神社(御向社):須勢理毘賣命を祀る
・伊能知比賣神社(天前社):蚶貝比賣命・蛤貝比賣命を祀る
・神魂御子神社(筑紫社):多紀理毘賣命を祀る
・素鵞社(出雲神社):素戔鳴尊を祀る
・氏社:天穂日命を祀る
・氏社:宮向宿祢を祀る
・門神社:宇治神・久多美神を祀る
・釜社:宇迦之魂神(保食神)を祀る
・十九社(左右):八百萬神を祀る
・祓社:祓戸四柱神(瀬織津比咩神・速開都比咩神・気吹戸主神・速佐須良比咩神)を祀る
・金刀比羅宮:大物主神を祀る
・都稲荷社:宇迦之御魂神・佐太彦神・大宮能売神・田中神・四神を祀る
・祖霊社:幽冥主宰大神を祀る
・祓社:祓戸四柱神(瀬織津比咩神・速開都比咩神・気吹戸主神・速佐須良比咩神)を祀る
・大神大后神社(御向社):須勢理毘賣命を祀る
・伊能知比賣神社(天前社):蚶貝比賣命・蛤貝比賣命を祀る
・神魂御子神社(筑紫社):多紀理毘賣命を祀る
・素鵞社(出雲神社):素戔鳴尊を祀る
・氏社:天穂日命を祀る
・氏社:宮向宿祢を祀る
・門神社:宇治神・久多美神を祀る
・釜社:宇迦之魂神(保食神)を祀る
・十九社(左右):八百萬神を祀る
・祓社:祓戸四柱神(瀬織津比咩神・速開都比咩神・気吹戸主神・速佐須良比咩神)を祀る
・金刀比羅宮:大物主神を祀る
・都稲荷社:宇迦之御魂神・佐太彦神・大宮能売神・田中神・四神を祀る
・祖霊社:幽冥主宰大神を祀る
その他の関連社についてはこちらを参照:【出雲大社の予備知識】
関連知識
出雲大社の参拝方法
出雲大社の参拝方法は「二礼・四拍手・一礼」となっており、一般的な神社とは異なります。
まず、神道における拍手とは、「神への感謝や喜びを表すため」、「願いをかなえるために神を呼び出すため」、「邪気を祓うため」であると言われています。
出雲大社で四拍手をする理由は、四回手を合わせることから「しあわせ」を意味しており、これが「縁結びの神様」と言われる由縁とされています。
なお、出雲大社の公式サイトでは「まず、本殿前の八足門にて本殿をお参りいただき、ご本殿周辺の瑞垣を左回り(時計と反対回り)に進んでいただき、各御社殿をお参り下さい。拝礼作法は全て二礼・四拍手・一礼です」となっています。
縁結びのパワースポット
出雲大社の主祭神である大国主大神(オオクニヌシ)は「だいこくさま」とも呼ばれ、出雲大社では縁結びの神として信仰されており、良縁の御利益があるとされています。
この由来については定かではありませんが、江戸時代の『世間胸算用』という浮世草紙には「出雲は仲人の神」とあることから、江戸時代には既に縁結びの神とされていたようです。
また、『日本書紀』には「現世のことは皇孫が治め、オオクニヌシは神事(かみごと)を治める」とあることから、オオクニヌシは目に見えない世界を司り、神在月(旧暦10月)に出雲に神々を集めて人々の縁について相談するとも言われています。
なお、この縁結びの「縁」について、出雲大社の公式サイトでは「この縁は男女の縁だけではなく、生きとし生けるものが共に豊かに栄えていくための貴い結びつきです」と説明されています。
神在月と神在祭
全国では毎年10月を神無月(かんなづき)と言いますが、島根では神在月(かみありづき)と言います。
これは旧暦10月に八百万の神々が出雲大社に集まって「これからの一年間の神事(かみごと)」や「人々の縁」について相談する神議(かみはかり)を行うためと言われており、これは日本神話の一説に由来するとされています。
なお、出雲大社では旧暦10月(11月末~12月初旬)に1週間かけて神在祭(かみありさい)が行われ、この1週間に神々と神縁を結ぶことができると信じられていることから、多くの人が訪れるそうです(2017年は11月28日~12月4日に開催)。
この他の関連情報はこちらを参照:【出雲大社の詳細情報】【出雲大社の観光情報】【出雲大社の諸説】
境内の見どころ
勢溜の大鳥居
出雲大社の勢溜の大鳥居(せいだまりのおおとりい)です。
出雲大社の参道入口となっており、傍らに巨大な社号標が立っています。
千家尊福卿像
出雲大社の千家尊福卿像(せんげたかとみきょうぞう)です。
千家尊福は近代の出雲大社の宮司であり、神道大社派を創始して出雲大社教の礎を築いたとされています。
祓社
出雲大社の祓社(はらいのやしろ)です。
参道入口付近にあり、参拝者の心身の穢れを祓う社とされています。
そのため、最初に参拝するのが望ましいと言われています。
浄の池
出雲大社の浄の池(きよめのいけ)です。
かつては身を清めるための池だったとされ、現在では鯉や野鳥が見られます。
参道鳥居
出雲大社の参道鳥居です。
参道
出雲大社の参道です。
松林の中にあり、東西には神苑が設けられています。
大国主命像
出雲大社の大国主命像(おおくにぬしぞう)です。
東神苑にあり、日本神話の「オオクニヌシの国造り」の一部が表現されています。
大国主大神と兎の像
出雲大社の大国主大神と兎の像(おおくにぬしとうさぎのぞう)です。
西神苑にあり、日本神話の「因幡の白兎」の一部が表現されています。
手水舎
出雲大社の手水舎です。
社務所
出雲大社の社務所です。
銅の鳥居
出雲大社の銅の鳥居です。
寛文6年(1666年)に毛利綱広から寄進されたものであり、柱に由緒を示す銘文が刻まれています。
神馬と神牛
出雲大社の神馬(しんめ)と神牛(しんぎゅう)です。
撫でながら祈願すると、神馬は子宝・安産、神牛は学力向上の御利益があると言われています。
拝殿
出雲大社の拝殿です。
現在のものは昭和34年(1959年)の再建とされています。
なお、参拝方法は「二礼・四拍手・一礼」となっています。
拝殿の大注連縄
出雲大社の拝殿の大注連縄です。
仮拝殿
出雲大社の仮拝殿です。
八足門(八脚門)
出雲大社の八足門(やつあしもん)です。
本殿前に設置された門であり、国の重要文化財に指定されています。
通常は入ることが出来ませんが、特別拝観で入れる場合があります(ただし、ラフな格好はNG)。
なお、参拝方法は「二礼・四拍手・一礼」となっています。
本殿
出雲大社の本殿です。
北西に御客座五神(別天津神)、北東に大国主大神が祀られています。
古代は今の倍の大きさだったと云われ、神座が横向きであることなど珍しい形から様々な説が唱えられています。
なお、本殿の神座は西を向いているとされ、実は西側にも礼拝所があります。
神楽殿
出雲大社の神楽殿です。
本殿とは別に大国主大神が祀られており、現在では祈祷や結婚式などが行われる施設となっています。
神楽殿の大注連縄
出雲大社の神楽殿の大注連縄です。
長さ13m、周囲9m、重さ5tの巨大な注連縄であり、日本トップクラスと言われています。
鏡の池
出雲大社の鏡の池です。
神楽殿の傍らにあり、奥には天満宮などの鎮守社が鎮座しています。
道路の大鳥居
出雲大社までの道路には大鳥居が設けられています。
料金: 無料
住所: 島根県出雲市大社町杵築東195(マップ)
営業: 6:30~20:00(受付8:30~16:30) ※境内社は17:00頃まで
交通: 出雲大社前駅(徒歩15分)、一畑バス「正門前」(徒歩10分、JR出雲駅)
備考: JR出雲駅、電鉄出雲市駅にコインロッカーあり、門前町周辺にレンタサイクルあり
公式サイト: http://www.izumooyashiro.or.jp/
住所: 島根県出雲市大社町杵築東195(マップ)
営業: 6:30~20:00(受付8:30~16:30) ※境内社は17:00頃まで
交通: 出雲大社前駅(徒歩15分)、一畑バス「正門前」(徒歩10分、JR出雲駅)
備考: JR出雲駅、電鉄出雲市駅にコインロッカーあり、門前町周辺にレンタサイクルあり
公式サイト: http://www.izumooyashiro.or.jp/
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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