輿成神社(東大寺境内) [奈良県]
2017/07/23
奈良県奈良市にある輿成神社(こうじょうじんじゃ)です。
東大寺境内に鎮座する二月堂の守護社の一つであり、祭神に豊玉媛命を祀っています。
由緒
東大寺二月堂で行われる「お水取り(修二会)」を守護する3社の一つで、由緒書によれば二月堂前の若狭井の「遠敷明神が若狭より送水した折、地面を割ると岩盤から黒・白の2羽の鵜が飛び出し、その穴から清水が湧き出した」という伝承に基いて鵜を祀ったのが輿成神社であるとされています。
平安期には「不死薬を人に与えて、長寿を保たせる」という旨の誓願を持つ菩薩として信仰されていたとされ、八大菩薩として現存しているのは当社だけなんだそうです。
なお、由緒書による解説は以下の通りです。
【輿成神社(こうじょうじんじゃ)】
修二会行法を守護する3社(輿成、飯道、遠敷)の一つで、遠敷明神が若狭より送水された折、黒・白の2羽の鵜が岩盤を撃ち破って飛び出て、そのあとから甘泉湧出したのが若狭井(わかさい)で、鵜を祀ったのが輿成神社である。
平安時代には「能く不死薬を取りて人に与え食せしめ、長生きの齢を保たしむ」という誓願を持つ菩薩として信仰されていた。平安期には既に現在地に鎮座していたと想像される。八大菩薩として現存しているのは当社だけである。
修二会行法を守護する3社(輿成、飯道、遠敷)の一つで、遠敷明神が若狭より送水された折、黒・白の2羽の鵜が岩盤を撃ち破って飛び出て、そのあとから甘泉湧出したのが若狭井(わかさい)で、鵜を祀ったのが輿成神社である。
平安時代には「能く不死薬を取りて人に与え食せしめ、長生きの齢を保たしむ」という誓願を持つ菩薩として信仰されていた。平安期には既に現在地に鎮座していたと想像される。八大菩薩として現存しているのは当社だけである。
祭神
輿成神社の祭神は以下の通りです。
・豊玉媛命(トヨタマヒメ):ホオリ(山幸彦)の后であり、ウガヤフキアエズの母神に当たる
→ 『記紀神話』によれば、海中にある海神宮に住む神であり、その正体は鰐もしくは龍であったとされる
→ 『記紀神話』によれば、海中にある海神宮に住む神であり、その正体は鰐もしくは龍であったとされる
関連知識
由緒の参考資料として若狭井の伝承を載せておきます。
【若狭井の伝承】
若狭神宮寺に渡ってきたインド僧・実忠は、東大寺に二月堂を建立し、大仏開眼の2ヶ月前から祈りの行法(修二会)を行い、初日に「新名帳」を読み上げて日本国中の神々を勧進した。
しかし、若狭の遠敷明神だけが漁に夢中になって遅刻し、あと2日で終わるという日に現れた。遠敷明神は詫びとして、二月堂の本尊に供える「閼伽水(清浄聖水)」を献じることを約束して地面を割ると、岩盤から黒・白の2羽の鵜が飛び出して その穴から清水が湧き出した。これは若狭の「鵜の瀬」より地下を潜って水を導かせたのである。
この湧き水を「若狭井(わかさい)」と名付け、以後1250年の長期に渡って守り続けられている若狭井より「閼伽水」を汲み上げて本尊に供える儀式が「東大寺二月堂のお水取り」である。
若狭小浜の神宮寺では、3月2日に「お水送り」の神事が執り行われる。
参考資料:鵜の瀬(うのせ)
若狭神宮寺に渡ってきたインド僧・実忠は、東大寺に二月堂を建立し、大仏開眼の2ヶ月前から祈りの行法(修二会)を行い、初日に「新名帳」を読み上げて日本国中の神々を勧進した。
しかし、若狭の遠敷明神だけが漁に夢中になって遅刻し、あと2日で終わるという日に現れた。遠敷明神は詫びとして、二月堂の本尊に供える「閼伽水(清浄聖水)」を献じることを約束して地面を割ると、岩盤から黒・白の2羽の鵜が飛び出して その穴から清水が湧き出した。これは若狭の「鵜の瀬」より地下を潜って水を導かせたのである。
この湧き水を「若狭井(わかさい)」と名付け、以後1250年の長期に渡って守り続けられている若狭井より「閼伽水」を汲み上げて本尊に供える儀式が「東大寺二月堂のお水取り」である。
若狭小浜の神宮寺では、3月2日に「お水送り」の神事が執り行われる。
参考資料:鵜の瀬(うのせ)
スポンサーリンク
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
スポンサーリンク
コメント
2 件のコメント :
こんにちは。カテ違いで初歩的なコメントで申し訳ありませんが、(④を導く根拠に①②を用い、③は④を補強)、どのように思われますか。
① 『遺伝子DNAは誰が作ったのか』
地球上の全ての生命に遺伝子DNAが組み込まれていますが、1mとか2mとかの長さがあり、4種の塩基配列は複雑精巧なもので、自己修復機能まで有します。
こんなものが自然や偶然に出来るわけが有りません。作ったのは「遠い未来の人間」です。
② 『物質(原子)は誰が作ったのか』
地球上の物質(原子)は百余り有りますが、陽子・中性子・電子の3者で構成され、それ以外の構成は存在しないし、規則性とか法則性に支配されています。
中性子は中性子線を内包し、特定の物質(原子)もα線とかβ線などを放射して崩壊し、電子は電荷を内包しています。
こんな複雑な物が自然や偶然で出来るわけが有りません。原子を作ったのは「遠い未来の人間」です。
(uクォークとかdクォークとか中性子のβ崩壊で発生する陽子や電子ニュートリノなどの難しい話ではなく、単に『こんなもの(原子)が自然や偶然に出来上がるものか』ということを、お尋ねしております。)
③ 宇宙の始まりが無機であったとしても、進化の途上で有機(生命とか生活機能)が生まれ、さらに彼らが多様な進化を遂げたうえで、人間や様々なものが作り出された可能性は否定されるものでしょうか。
④ 『今の世界は虚構であり、私たちは人工的に作られた肉体を使って、人工的に作られた「場」で生活をしているのであり、本当の自分は「DNAや原子を合成する科学を持った遠い未来」(真実の世界)にいます。』という発想は、(無限回の問答は抜きにして)、成り立つでしょうか。
(平行宇宙だとか重畳宇宙だとか「メビウスの輪」だとかの難しい解釈ではなく、もっとシンプルで単純な答えが見つからないものでしょうか)。
>どう思われますか さんへ
コメントありがとうございます。
結論から申し上げて"分かりません"。自分は専門家ではないので、学術的な知識は乏しいと思われます。よって、専門知識を以った見解を述べることはできませんが、一個人の見解としてで良ければ下記に回答を書かせていただきます。
【① 『遺伝子DNAは誰が作ったのか』】
質問者さんは「遠い未来の人間」と結論づけていますが、これについては"「遠い未来の人間」はどのように生じたのか?"という疑問が発生するために些か同意することは出来ません。
また、科学的に検証が難しい命題なので断ずることはできませんが、神話を研究している身からすれば「創造神話」が参考になるかと思われます。なお、シュメール神話にはエンキという神が人間を造ったという神話があり、中国神話に登場する伏犠が著したとされる『易経』はDNAの配列を示したものであるという説があります。
質問者さんは「遠い未来の人間」が優れていると考えられているようですが、個人的には古代の人間(知的生命体)が現代よりも劣っていると思っておらず、歴史の変遷とともに失われた優れた知識があると考えています。よって、自分としては少しでも復元可能だと思われる古代の知識にフォーカスしています。
【② 『物質(原子)は誰が作ったのか』】
①と同じ回答です。
【③ 宇宙の始まりが無機であったとしても、進化の途上で有機(生命とか生活機能)が生まれ、さらに彼らが多様な進化を遂げたうえで、人間や様々なものが作り出された可能性は否定されるものでしょうか。】
可能性は否定できないと思います。が、進化のきっかけが全て偶然であるという結論については否定的です(ミッシングリンクが存在するため)。
【④ 『今の世界は虚構であり、私たちは人工的に作られた肉体を使って、人工的に作られた「場」で生活をしているのであり、本当の自分は「DNAや原子を合成する科学を持った遠い未来」(真実の世界)にいます。』という発想は、(無限回の問答は抜きにして)、成り立つでしょうか。】
見解の一つとしては成り立つと思いますが、その信憑性を示すことは難しいでしょう。ただ、個人的に哲学や仏教的な思想にも肯定的なので、人間の生死が物理的にのみ決定づけられるという唯物論的な現代人の思想には否定的です。
また、質問の冒頭にある「④を導く根拠に①②を用い、③は④を補強」という点において、質問者さんは「今の世界(現実世界)は遠い未来の人間によって造られている」という結論を持っているようですが、それは現代における現実世界とオンラインゲームの世界の関係のようなものでしょうか?
コメントを投稿