伊甘神社(下府明神) [島根県]
2017/11/30
島根県浜田市にある伊甘神社(いかんじんじゃ)です。
延喜式内社として歴史的に重要とされる古社であり、祭神に天足彦國押人命を祀っています。
石見国総社であり、現社地は石見国府跡の比定地の一つとなっています。
神社概要
由緒
由緒書によれば、創建年代は不詳とされるものの、平安時代には延喜式の石見国34座の内の一座に数えられた延喜式内社であり、祭神に古代に石見地方を開拓した小野族の遠祖・天足彦國押人命を祀り、当時 歴史的に国幣並社の待遇を与えられていた重要な古社であるとされます(六国史の第六『日本三代実録』に名が載っているそうです)。
近代には、明治5年(1872年)に村社となり、昭和28年(1953年)に神社本庁に属する神社となって現在に至るとされています。また、現社地は石見国府跡であるとされ、現在は石碑が残されています(府中神社を配祀しているとも)。
なお、由緒書による説明は以下の通りです。
【由緒】
式内伊甘神社は第60代醍醐天皇 延喜3年制定 延喜式の内、神名帳に登載されている石見国式内神社34座の一座であって歴史上重要な銘社である。祭神は、古代石見地方 開拓に努力した「小野族」の遠祖であって当時 国幣並社の待遇をあたえられていた。
明治5年 村社に列し、昭和21年 宗教法人神社本庁に従属して今日に到る。現在の社地に石見国府跡であって社宝の印鑰神社の棟札を保存している。本殿の形式は「変態春日造」である。
式内伊甘神社は第60代醍醐天皇 延喜3年制定 延喜式の内、神名帳に登載されている石見国式内神社34座の一座であって歴史上重要な銘社である。祭神は、古代石見地方 開拓に努力した「小野族」の遠祖であって当時 国幣並社の待遇をあたえられていた。
明治5年 村社に列し、昭和21年 宗教法人神社本庁に従属して今日に到る。現在の社地に石見国府跡であって社宝の印鑰神社の棟札を保存している。本殿の形式は「変態春日造」である。
祭神
伊甘神社の祭神は以下の通りです。
【主祭神】
・天足彦國押人命(アメタラシヒコクニオシヒト):第5代孝昭天皇の皇子で、和邇氏・春日氏・小野氏ら諸氏族の祖
→ 石見国を開拓した小野族の遠祖として当地にゆかりがある
【合祀】
・府中神社
・御所神社
・庄神社
・大元神社
・天足彦國押人命(アメタラシヒコクニオシヒト):第5代孝昭天皇の皇子で、和邇氏・春日氏・小野氏ら諸氏族の祖
→ 石見国を開拓した小野族の遠祖として当地にゆかりがある
【合祀】
・府中神社
・御所神社
・庄神社
・大元神社
境内社
伊甘神社の境内社は以下の通りです。
・不詳社(6社)
関連知識
石見国府跡と御所の池
伊甘神社の社地には、かつて石見国府があったとされます(推定地の一つ)。
境内の池は「御所の池」と呼ばれ、古くは国庁庭園の池であったと伝えられており、どんな日照りの年でも水が涸れたことがないそうです。
また、この池は「伊甘の池」とも呼ばれ、その名の由来については諸説あるとされますが、大昔に当地を開拓した「猪甘部」から来ているという説が有力とされています。
なお、案内板による説明は以下の通りです。
【御所の池】
この池は古来「御所の池」と呼ばれている。このあたりの字名を御所と称し、石見国庁跡とされているが、「御所の池」はかつては国庁庭園の池であったと古老は伝える。
ここら一帯は、下府砂丘下の清水がこんこんと豊富 に湧き出る水筋にあたり、どんな日照り年でも この水が涸れたことがない。この地域に国庁が置かれた理由の一つに挙げられている。
この池を「伊甘の池」ともいう。古き伊甘郷の中心にある池の意か、または現存する伊甘神社に因んだものか。なお、「伊甘」を「井甘」として「甘水の湧き出る井」に解し、伊甘郷名の起源とする説(石見八重葎)もあるが、それよりも、大昔この地を開拓した「猪甘部」によるとするのが有力である。
この池は古来「御所の池」と呼ばれている。このあたりの字名を御所と称し、石見国庁跡とされているが、「御所の池」はかつては国庁庭園の池であったと古老は伝える。
ここら一帯は、下府砂丘下の清水がこんこんと豊富 に湧き出る水筋にあたり、どんな日照り年でも この水が涸れたことがない。この地域に国庁が置かれた理由の一つに挙げられている。
この池を「伊甘の池」ともいう。古き伊甘郷の中心にある池の意か、または現存する伊甘神社に因んだものか。なお、「伊甘」を「井甘」として「甘水の湧き出る井」に解し、伊甘郷名の起源とする説(石見八重葎)もあるが、それよりも、大昔この地を開拓した「猪甘部」によるとするのが有力である。
境内の見どころ
一の鳥居
伊甘神社の一の鳥居です。
左右に祠が建てられています。
二の鳥居
伊甘神社の二の鳥居です。
境内
伊甘神社の境内の様子です。
神楽殿
伊甘神社の神楽殿です。
能面の装飾
伊甘神社の神楽殿には、能面の装飾があります。
拝殿
伊甘神社の拝殿です。
本殿
伊甘神社の本殿です。
ムクノキ
伊甘神社のムクノキです。
市の天然記念物に指定されています。
イチョウ
伊甘神社のイチョウです。
市の天然記念物に指定されています。
国府跡碑
伊甘神社の国府跡碑です。
当社地は石見国府跡の推定地の一つに比定されています。
案内板によれば、発掘調査の結果 古墳時代の祭祀跡や奈良時代以降の柱跡が出てきたそうです。
しかし、石見国府があったことが確認できる物証は まだ出てきていないとされています。
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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