人文研究見聞録:小戸神社(川西市) [兵庫県]

兵庫県川西市にある小戸神社(おおべじんじゃ)です。

摂津国川辺郡の延喜式内社であるとされ、祭神に大山津見尊・素佐男尊・天津児屋根命を祀っています。


神社概要

由緒

兵庫県神社庁HPによれば、創建年代は不詳とされるものの、応神天皇の皇子・大山守命の後裔である榛原公の一族によって祭祀されたことに始まるという旨が説明されています。

また、由緒書によれば 平安時代の『延喜式』の「摂津国川辺郡」に名が記載される古社であり、江戸時代の『摂津名所図会』には「昔から小戸の大神と称され、小戸・小花・栄根寺畑などの氏神として尊崇された」と記載されているそうです。

近代には、明治6年(1873年)8月に村社となり、明治42年(1909年)に八阪神社と細川姫神社を合祀し、昭和42年(1967年)本殿を新築して現在に至るとされています。

祭神

小戸神社の祭神は以下の通りです。

【主祭神】

・大山津見尊(オオヤマツミ):山を司る神とされる
 → 大山守命は諸国の海人部・山守部の統領であり、後裔の榛原公も山守部であるために大山津見神を奉齋したとされる

【配祀神】

・素佐男尊(スサノオ):三貴子の一柱で出雲の祖神(天照大神の弟神に当たる)
・天津児屋根命(アメノコヤネ):「天岩戸神話」において祝詞を上げ、フトダマと共に鏡を差し出した神

境内社

小戸神社の末社

人文研究見聞録:小戸神社(川西市) [兵庫県]

小戸神社の末社は現在 鹿嶋神社・稲荷神社・藤森神社の3社であり、以下のような由緒があるとされています。

【由緒】

この社は、昭和30年代に結成された白龍講によって近年まで白龍神社と呼ばれており、「源満仲が住吉神社の返橋の上から射った神矢が九頭の竜の一頭に当って死んだため、そこに九頭大明神が祀られた。他の竜で鶯の森に昇った者は天王宮、中橋西側に昇った者は白竜大神となったと言い、当社には この白竜大神を祀っている」という由緒が伝えられていたそうです。

しかし、白龍講が解散してしまったので、現在は鹿嶋神社・稲荷神社・藤森神社として「小戸神社の末社」と呼ぶことになったとされます。なお、鹿嶋神社は江戸時代の宝暦6年(1756年)の古文書に小戸神社の末社としての記録があるとされ、稲荷神社は明治政府の合祀令によって付近にあった八坂神社の末社を合祀したもので、藤森神社も同様に小花藤木にあった社を合祀して、今はその分霊を祀っているとされています(藤森神社は大正時代に元の場所に戻ったとされる)。

【神社・祭神】

・鹿嶋神社
・稲荷神社(八坂神社の末社 合祀)
・藤森神社(合祀・分霊)

境内の見どころ

鳥居

人文研究見聞録:小戸神社(川西市) [兵庫県]

小戸神社の鳥居です。

拝殿

人文研究見聞録:小戸神社(川西市) [兵庫県]

小戸神社の拝殿です。

本殿

人文研究見聞録:小戸神社(川西市) [兵庫県]

小戸神社の本殿です。

大楠

人文研究見聞録:小戸神社(川西市) [兵庫県]

小戸神社の大楠です。

兔像

人文研究見聞録:小戸神社(川西市) [兵庫県]

小戸神社には兔像あります(狛兎になるのでしょうか?)。

二宮金次郎像

人文研究見聞録:小戸神社(川西市) [兵庫県]

小戸神社の二宮金次郎像です。

喜八大明神

人文研究見聞録:小戸神社(川西市) [兵庫県]

小戸神社に祀られている喜八大明神です(詳細不明)。

料金: 無料
住所: 兵庫県川西市小戸1丁目13−17(マップ
営業: 終日開放
交通: 川西能勢口駅(徒歩9分)

公式サイト:http://www.hyogo-jinjacho.com/data/6305029.html
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。