石舟遺跡(吉備の中山) [岡山県]
2020/06/06
岡山県岡山市の吉備の中山にある石舟遺跡(いしふねこふん)です。
古墳時代後期に造られた横穴式石室で、温羅という鬼の墓だという言い伝えがあるとされています。
概要
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案内板によれば、この古墳は6世紀頃に造られた横穴式石室で、大きさは 長さ5.33m、幅1.6m、高さ1.2mとされています。石室内には石棺が収められており、被葬者は古墳時代後期の吉備地域の有力者であると考えられています。石棺の蓋については、縦に半分に割られ、ひとつは備前一宮駅のホームにあり、もうひとつの所在は不明とされます。なお、この石棺は播磨国の竜山石をくり抜いたもので、常に水で満たされており、昔から潮の干潮によって石棺の水量が変わるという言い伝えがあるそうです。
また、江戸時代の吉備津神社の社家・賀陽貞持が記した『吉備津宮略書記』によれば、中世の吉備津神社では旧暦3月3日に花祭りという温羅(吉備津彦命に倒された鬼)の祭があったとされ、その内容は「吉備津神社で神事をした後、桜の枝を持って石舟古墳に詣り、神事の後に桜の枝に水をかけ、花びらが散るまで互いに打ち合うという」というものだったとされます。このため、石舟古墳は古くは温羅の墓だと考えられており、これにちなんで今でも4月の第1日曜日に此処で温羅の花祭を行っているそうです。
石舟古墳群
石舟古墳の付近には4基の横穴式石室があります。これらは平成16年(2004年)に発見されたもので、石舟古墳と同時期に造られたと考えられています。多くが土砂や落ち葉に埋もれていますが、内部には石室があることが確認されています。いずれも入口が石舟古墳のある南側を向いていることから 石舟古墳を護衛するのでは? ともいわれていますが、石舟古墳との関係性など詳しいことは分かってないそうです。また、周辺には未発見の古墳があるとも言われているので、探ってみると何か見つかるかもしれませんね。
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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