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2017年9月21日木曜日

玉造温泉 [島根県]

人文研究見聞録:玉造温泉 [島根県]

島根県松江市にある玉造温泉(たまつくりおんせん)です。

美肌の湯」として有名であり、規模・歴史ともに島根県随一の温泉地となっています。

また、当地は古代玉造の地としても知られ、勾玉に関する史跡公園(遺跡)や資料館などもあります。


玉造温泉について

概要

人文研究見聞録:玉造温泉 [島根県]

玉造温泉は島根県松江市にある温泉で「美肌の湯」として知られています。

当温泉は神代に少彦名命(スクナヒコナ)が発見し、奈良時代に開湯されたと伝わる古湯で、『出雲国風土記』には「一度入れば肌美しく、二度入れば、病も治る。効果が得られなかったと者はおらず、人々は神の湯と呼んでいる」と記されており、平安時代の『枕草子』でも榊原温泉(三重県)・有馬温泉(兵庫県)に並ぶ三名泉の一つにも数えられています。

また、当地は良質な青メノウなどの宝石の産出地で、古代より勾玉造りを生業とする一族が居住したと言われており、三種の神器の一つであるヤサカニノマガタマを作ったとされる玉作りの祖神・櫛明玉神(クシアカルダマ)が玉作りの事業を起こした場所であるとも云われています。

そのため、温泉街にある玉作湯神社には温泉発見の神・玉作りの祖神が祀られており、願いが叶う「願い石・叶い石」の祈願ができるスピリチュアルスポットとして人気を集めています。

泉質

人文研究見聞録:玉造温泉 [島根県]

玉造温泉の泉質は硫酸塩泉・塩化物泉で、泉温は42℃とされています。詳細は以下の通りです。

【硫酸塩泉の効能】

・パック効果:硫酸イオンによる保湿効果が肌にハリと潤いを与え、アンチエイジング作用がある
・クレンジング効果:弱アルカリ性の泉質が肌の古い角質を取り除き、角質層の再生を促進する
・傷病平癒効果:傷や皮膚病の他、動脈硬化や脳卒中にも効果がある

【塩化物泉の効能】

・保湿効果:肌の表面に塩の膜を作り、温泉の美肌成分や潤いを逃さないよう保つ効果がある
・殺菌効果:殺菌効果が傷の治癒に効果がある
・保温効果:体を温めて汗の蒸発を防ぐため保温効果があり、冷え性などに効く

【総合的な効能】

・急性疾患:切り傷、火傷、うちみ、くじき、筋肉痛、関節痛 ほか
・慢性疾患:神経痛、五十肩、運動麻痺、痔疾、冷え性、健康増進、慢性皮膚病、虚弱体質、慢性婦人病、肥満症 ほか

歴史

人文研究見聞録:玉造温泉 [島根県]

玉造温泉は少彦名命(スクナヒコナ)によって発見され、大名持命(オオナモチ・大国主)が温泉療法を開いたと伝えられており、奈良時代には公衆浴場として庶民に親しまれていたとされます。

なお、『出雲国風土記』には「この地の川辺に湯が湧いている。毎日のように市が立ち、老若男女で賑い酒宴を開いて楽しんでいる。この温に入れば男女もたちまち容姿が麗しく、どんな病気でも治ってしまう。よって人々は神の湯と呼んでいる」と記されています。

しかし、鎌倉後期に玉湯川の洪水で埋まり、一時的に荒廃したそうです。そのとき、当地の地頭であった富士名義綱の家臣である綱久の夢に白髪の老人が現れて「玉作川を掘れば温泉が湧き、万病に効く霊泉となるだろう」と告げ、このお告げの通りに地面を掘ると温泉が湧き、当時 病に罹っていた義綱もたちまち快癒したとされます。

よって、玉造温泉は鎌倉後期に富士名義綱によって再興されますが、天正年中(1573~1593年)にも洪水で再度流出したとされ、これを慶長年中(1596~1615年)に堀尾忠氏が再興し、藩主が松平氏になったときに浴室の改造や御茶屋の建造が行われ、明治維新より今日に至っているとされています。

なお、玉作湯神社の由緒書による解説は以下の通りです。

【玉造温泉】

玉造温泉は少彦名命の御発見と大名持命(大国主命の御別名)が温泉療法を お開きになったと伝えられ、JR玉造温泉駅から、玉造川に沿って上がること約2Km、玉造郷にあって玉造川の清流を挟み、湯山(現・要害山)・花仙山の二山を負って、多くの人家が相連なり渓間の一小区をなしています。

天平5年(733年)「出雲風土記」意宇郡の条に、「忌部神戸(いむべかむべ)、郡家の正西21里260歩なり。国造(くにのみやつこ)、神吉詞(かむよごと)奏しに朝廷に参向する時、御沐(みそぎ)の忌玉(いむたま)作る、故に忌部(いむべ)と云ふ。即ち川の邉(ほとり)に湯を出す。出湯の在る所は海陸を兼ねたり。よりて男も女も老いたるも少きも、或は道路を駱驛(ゆきか)ひ、或るは海中を洲(はまべ)に沿ひ日に集ひて市を成し、繽紛燕会楽(うちむれてうたげあそ)ぶ。一たび濯げば形容端正(かたちきらきら)しく、再び浴(ゆあみ)すれば、萬病悉(よろずのやまいことごと)く除こる。古より今に至るまで、験(しるし)を得ずといふことなし、故、俗人、神湯(かみのゆ)と曰(い)ふなり」と記されております。

この忌部神戸の神湯は玉造温泉で、維新以前 神湯の温泉は、松江藩主松平公の御茶屋ありて、入湯のため度々御来館あり、現に神湯は地名としても存在しています。

出雲国造が天皇に神吉詞奏上のため上京に際し、当地で御沐の忌玉を作られ、この温泉にも斉戒沐浴になられたことが伺われます。その後、温泉は一時 洪水のため廃れていたものを佐々木義綱(富士名判官)が夢告により、川中に温泉を発見し、薬師堂を建立し、湯船を構え、上屋を造って、温泉を復興された折、節月が東天に昇ったので「瑠璃光の心は真如の玉造り 薬の湯には月も入りけり」と即吟したと伝えられています。

更にその後、松江藩主・松平公に至って浴室の改造、御茶屋の建造があって、明治維新より今日に至っています。玉造温泉は、芒硝泉で、温度が高く、泉質透明で僅かに白色を帯び、古くから神湯として知られ、その特効が大きいと云われています。

玉造温泉の温泉スポット

玉造温泉ゆ~ゆ(日帰り浴場)

人文研究見聞録:玉造温泉 [島根県]

玉造温泉にある玉造温泉ゆ~ゆです。

玉造温泉の日帰り温浴施設で、安価で美肌の湯が楽しめるようになっています。

また、施設の前には無料の足湯があり、朝市も行われています。

公式サイト:玉造温泉ゆ~ゆ

川辺の足湯

人文研究見聞録:玉造温泉 [島根県]

玉造温泉にある川辺の足湯です。

川沿いの無料の足湯施設であり、玉造温泉ゆ~ゆの前に位置しています。

姫神広場

人文研究見聞録:玉造温泉 [島根県]

玉造温泉にある姫神広場です。

玉造温泉の休憩場所になっており、無料の足湯のほか、観光掲示板やオブジェなどが設置されています。

玉造温泉足湯

人文研究見聞録:玉造温泉 [島根県]

玉造温泉にある玉造温泉足湯です。

勾玉橋付近にある無料の足湯場であり、自然の中で足湯を楽しめるようになっています。

おやしろ本舗

人文研究見聞録:玉造温泉 [島根県]

玉造温泉にあるおやしろ本舗です。

化粧水にもなる温泉の無人販売所で、温泉を持ち帰るためのミストボトルなどが販売されています。

温泉街に6箇所あり、それぞれの販売所で売られているものが違うそうです。

周辺の観光スポット

玉作湯神社

人文研究見聞録:玉造温泉 [島根県]

玉造温泉にある玉作湯神社(たまつくりゆじんじゃ)です。

玉作の祖神と温泉の守護神を祀る神社であり、主祭神に櫛明玉命・大名持命・少彦名命を祀っています。

温泉街の人気スポットであり、特に「願い石・叶い石」を使った祈願が人気を集めています。

玉作湯神社についてはこちらの記事を参照:【玉作湯神社】

神話の背景オブジェ

人文研究見聞録:玉造温泉 [島根県]

玉造温泉の温泉街には「神話の背景オブジェ」と称される数々のオブジェが展示されています。

出雲神話をモチーフにしたオブジェであり、玉湯川沿いに9点ほど安置されています。

【神話の背景オブジェ一覧】

・八岐大蛇退治神話
・因幡の白兎神話
・姫神
・八十神の迫害神話
・根の国訪問神話
・佐太大神誕生神話
・三種の神器
・恋山神話
・大国主命の妻問い神話

その他の観光スポット

人文研究見聞録:玉造温泉 [島根県]

玉造温泉街の観光スポットは以下の通りです。

・勾玉橋:勾玉の装飾がされた橋
・出雲玉作資料館:玉作の遺跡から発掘された玉未製品・玉磨き砥石などの出土品や、関連資料が展示されている
・出雲玉作史跡公園:国の指定史跡で、出雲玉作跡などの遺跡や復元された竪穴式住居などがある
・お茶屋跡:江戸時代の松江藩主の別荘跡で、無料の煎茶が飲める休憩所になっている(その他の飲物は有料)
・清厳寺:江戸時代に開かれた臨済宗寺院で、境内の岩屋寺は出雲三十三番観音霊場の札所になっている
・湯薬師堂:鎌倉時代の再興時に湯が湧き出したところと伝えられ、現在は薬師堂として薬師如来が祀られている
川辺の出湯『出雲国風土記』に紹介されている玉造温泉の露天浴場跡
玉宮史跡玉作りの祖神・櫛明玉神が玉作の事業を起こした場所とされ、玉宮神社の旧跡でもある

住所: 島根県松江市玉湯町玉造(マップ
交通: 玉造温泉駅(徒歩27分)

公式サイト: http://tamayado.com/

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