人文研究見聞録:堂島薬師堂 [大阪府]

大阪府大阪市北区(堂島アバンザの庭園内)にある堂島薬師堂(どうじまやくしどう)です。

推古朝に始まる古刹(古い寺)であり、堂内には薬師如来像地蔵菩薩像弘法大師像などの仏像4体と、涅槃図(ねはんず)などの軸2本が祀られているそうです。

なお、外観はミラーガラスを組み合わせて作られており、まるで「GANTZ」の黒玉を彷彿とさせるような近未来的なデザインとなっています(現代的なビルと調和を図るためにデザインされ、近年に再建されたものとされる)。


由来

推古朝(593年~)の史料によれば、「東は玉造に四天王寺をつくり、西の方洲の中に御堂を建立」という記録があり、また、延宝3年(1675年)に書かれた古文書『芦分船(あしわけふね)』にも「聖徳太子が四天王寺創建時に、建築用材の運搬船が暴風雨で難破、洲の中に流れ着き、御堂を建てた」との記録があることから、堂島薬師堂は この記録を起源とする薬師堂とされています。

なお、薬師堂は明治時代までは堂島川と曽根崎川(蜆川)に挟まれた中州の島に建っており、古くから海上を航行する船から薬師堂がよく見えたことから、「御堂のある島」ということで「堂島」という地名が付いたとされています。

そして、戦後、毎日新聞大阪本社の社屋拡張により東方へ移転し、堂島アバンザ建設に当たって元の地に復したとされます。なお、以前は瓦葺の御堂だったとされますが、現代的なビルと調和を図るため、1999年にモダンなデザインの堂宇が再建されて現在に至るとされています。

料金: 無料
住所: 大阪府大阪市北区堂島1-6-20(マップ
営業: 終日開放、無休
交通: JR北新地駅(徒歩5分)、JR大阪駅(徒歩10分)

公式サイト: http://www.avanza.co.jp/avanza/bil_gaiyou/dojima_yakushi.html
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。