月讀宮(皇大神宮 別宮) [三重県]
2015/10/05
2020/09/29
三重県伊勢市にある月讀宮(つきよみのみや)です。
皇大神宮(内宮)の別宮であり、主祭神に月讀尊(つきよみのみこと)を祀っています。また、境内には他の別宮として、月讀荒御魂宮、伊佐奈岐宮、伊佐奈弥宮が、境内摂社として葭原神社が存在しています。
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神社概要
由緒
創建年代は不詳とされますが、パンフレットによれば奈良時代には月讀社として既に存在していたとされ、『続日本紀』には「光仁天皇の時代、暴風雨が吹き荒れたのでこれを卜したところ、伊勢の月読神が祟ったという結果が出たので、荒御魂として馬を献上した」とあり、それに伴って月讀尊荒御魂(ツキヨミアラミタマ)、伊弉諾尊(イザナギ)、伊弉冉尊(イザナミ)が官社に列せられたとされています。
ちなみに、外宮の付近にも月夜見宮という同神を祀る社がありますが、分けられた理由については不明です。
内宮、月夜見宮についてはこちらを参照:【皇大神宮(内宮)】、【月夜見宮】
祭神
月讀宮の祭神は以下の通りです。
月讀宮
・月讀尊(つきよみのみこと):月を象徴する三貴子の一柱(下記参照)
月読荒魂宮
・月讀尊荒御霊(つきよみのみことのあらみたま):月讀尊の荒魂(荒ぶる魂)
伊佐奈岐宮
・伊弉諾尊(いざなぎのみこと):国産み神産みの神であり、三貴子の生みの親
伊佐奈彌宮
・伊弉冉尊(いざなみのみこと):国産み神産みの神であるが、三貴子については諸説あり
月讀尊(ツクヨミ)について
主祭神のツクヨミは、アマテラス、スサノオとともに三貴子の一柱に数えられる尊い神とされています。
なお、「月読尊」の表記は『日本書紀』の異伝である「第五段一書」に登場する神名であり、それによれば黄泉国から還ってきたイザナギが顔を禊いだときに その右眼から化成し、蒼海原の統治を命じられたとされています。
また、本文ではイザナギ・イザナミによって生み出された「月の神」の別名とされ、「月の神の光は日の神の次に明るかったので、日に添えて天を治めることが出来ると考えて同じように天に送った」と記されています。
他にも月夜見宮で祀られる「月夜見尊」の神名では、地上にいる食糧の神の保食神(ウケモチ)の元へ赴き、そのウケモチが口から吐き出した食品で持て成そうとしたため、失礼であるとして怒って斬り殺したとされ、そのことからアマテラスに嫌われて、以来、昼と夜が分かれるようになったとも記されています(詳しくは「月夜見宮」を参照)。
上記が『記紀』におけるツクヨミの主な説話なのですが記述が非常に少ないため、その性別すら不詳とされています。
そのため、ツクヨミの正体については諸説あり、内宮の祭儀を記録した『皇太神宮儀式帳』には「月讀命。御形ハ馬ニ乘ル男ノ形。紫ノ御衣ヲ着、金作ノ太刀ヲ佩キタマフ。」とあることから男神であるという説や、逆に『日本三代実録』では、出雲国の「女月神」が位階を授けられているという記事が見られることから女神であるという説もあります。
そのほかにも、大本教の教典である『霊界物語』には、スサノオが月を統治するときにツクヨミの名になるとあり、それと同様に古史古伝の一つである『竹内文書』にも、イザナギの子の「月向津彦月弓命亦ノ名須佐之男命」は『記紀』におけるツクヨミ、スサノオのことを指すと記されているようです。
伊勢神宮の別宮および摂末社では、三貴子の一柱であるスサノオが祀られていないという特徴がありますが、その割にはスサノオの妻である大歳御祖神(神大市比売)や、その子の大歳神(オオトシ)と宇迦之御魂神(ウカノミタマ)が多数祀られています。そのため、スサノオが祀られていないというのは やや不自然です(神話の内容からすれば自然とも言えますが)。
しかし、ツクヨミをスサノオの別名と捉えるのならば、伊勢の祭神としての構成が自然となり色々と辻褄※も合います。よって、ツクヨミ=スサノオ説はあながち間違っていないのかもしれません。
※日本神話において、ツクヨミはウケモチを殺し、スサノオはオオゲツヒメを殺しており、2神はともに食糧を生み出す神を殺しているという共通点がある
境内社
葭原神社
月讀宮の境内にある葭原神社(あしはらじんじゃ)です。
皇大神宮(内宮)の末社であり、月讀宮の境内の裏参道鳥居付近に鎮座しています。
なお、祭神は以下の通りです。
葭原神社の祭神
・佐佐津比古命(ささつひこのみこと):大歳神の子とされる
・宇加乃御玉御祖命(うかのみたまのみおやのみこと):「御祖」とあるがウカノミタマと同神とされる
・伊加利比賣命(いかりひめのみこと):田に関係する神とされる
上記の祭神は、それぞれ田畑の守護神で五穀豊穣の神とされているそうです。
境内の見どころ
表参道鳥居
月讀宮の表参道鳥居です。
月讀宮の表玄関となっています。
手水舎
月讀宮の手水舎です。
宿衛屋(社務所)
月讀宮の宿衛屋です。
御守や御札、パンフレットなどを受けることができます。
祓所
月讀宮の祓所です。
月讀宮
月讀宮(つきよみのみや)です。
祭神に月讀尊(つきよみのみこと)を祀っており、最初に参拝することとされています。
月読荒魂宮
月読荒魂宮(つきよみあらみたまのみや)です。
祭神に月讀尊荒御霊(つきよみのみことのあらみたま)を祀っており、2番目に参拝することとされています。
伊佐奈岐宮
伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)です。
祭神に伊弉諾尊(いざなぎのみこと)を祀っており、3番目に参拝することとされています。
伊佐奈彌宮
伊佐奈彌宮(いざなみのみや)です。
祭神に伊弉冉尊(いざなみのみこと)を祀っており、最後に参拝することとされています。
裏参道鳥居
月讀宮の裏参道鳥居です。
月讀宮の出口となっており、鳥居付近には葭原神社があります。
料金: 参拝無料
住所: 三重県伊勢市中村町742-1(マップ)
営業: 終日開放(夜間参拝禁止、18:00頃まで)
交通: 五十鈴川駅(徒歩9分)
公式サイト: http://www.isejingu.or.jp/naiku_3.html
住所: 三重県伊勢市中村町742-1(マップ)
営業: 終日開放(夜間参拝禁止、18:00頃まで)
交通: 五十鈴川駅(徒歩9分)
公式サイト: http://www.isejingu.or.jp/naiku_3.html
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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