人文研究見聞録:野宮神社(野ノ宮神社) [京都府]

京都市右京区の嵯峨野にある野宮神社(ののみやじんじゃ)です。

伊勢神宮に奉仕する斎王が身を清めるための「野宮」を起源とする神社であり、祭神に野宮大神を祀っています。

また、嵯峨野の代表的な観光スポットとして知られ、境内社の野宮大黒天縁結びのパワースポットとして有名です。

そのほか、『源氏物語』の「賢木」の舞台としても知られており、境内には多数の案内板が安置されています。


由緒

古来より、伊勢神宮に奉仕する「斎王(さいおう)」が身を清めるために一定期間籠る施設を「野宮(ののみや)」と言い、野宮神社は平安初期(嵯峨天皇の時代)に斎王となった仁子内親王のときに造営された野宮に由来するとされています。

なお、斎王の制度は南北朝時代(後醍醐天皇の時代)の祥子内親王を最後に廃絶し、その後は天照大神を祀る神社として存続したものの、度重なる戦乱の中で衰退したとされますが、後に後奈良天皇、中御門天皇などの綸旨によって再興され、以降、皇室から篤い崇敬を受けて現在に至るとされています。

祭神

人文研究見聞録:野宮神社(野ノ宮神社) [京都府]

野宮神社の祭神は以下の通りです。

主祭神

・野宮大神(天照皇大神):伊勢内宮の主祭神

境内社

人文研究見聞録:野宮神社(野ノ宮神社) [京都府]

野宮神社の境内社は以下の通りです。

・愛宕大神:鎮火勝運の神
・白峰弁財天:芸能上達の神
・白福稲荷大明神:子宝安産、商売繁盛の神
・大山弁財天:交通安全、財運向上の神
・野宮大黒天:良縁結婚の神
・龍神
・不明社2棟

斎宮行列

人文研究見聞録:野宮神社(野ノ宮神社) [京都府]

野宮神社では毎年10月の第3日曜日に例祭である「斎宮行列」が行われます。

これは野宮で潔斎した斎王が伊勢の斎宮寮に向かう時の行列である「斎王群行」を再現したものなんだそうです。

源氏物語と野宮神社

人文研究見聞録:野宮神社(野ノ宮神社) [京都府]

野宮神社は『源氏物語』の「賢木(さかき)」の巻の舞台になっています。

そのため、授与されるお守りの一部には、これをモチーフとしたデザインのものもあります。

参考リンク:賢木(ウィキペディア)

黒木鳥居

人文研究見聞録:野宮神社(野ノ宮神社) [京都府]

野宮神社の鳥居は黒木鳥居(くろきとりい)と言い、日本最古の鳥居形式であると云われています。

その黒木鳥居の特徴は以下の通りです。

・樹皮が付いた原木を使用している
・笠木(一番上の部分)が丸太状である
・反増(笠木の反り)がない
・島木(笠木の真下の部分)がない
・貫(笠木より下の部分)が丸太状である
・額束がない
・柱が2本である

なお、現在は樹脂加工されていますが、かつては徳島県剣山産のクヌギの原木を使用していたそうです。また、今でも黒木鳥居を使っている神社は、伊勢の伊雑宮福知山の元伊勢などがあります。

ただし、日本最古と云われるものの、鳥居自体の起源が明らかではないため、これが最古の仕様かどうかは不明です。

お亀石

人文研究見聞録:野宮神社(野ノ宮神社) [京都府]

野宮大黒天の傍にある神石「お亀石」は、撫でながら祈願すると一年以内に願い事が成就すると云われています。

野宮じゅうたん苔

人文研究見聞録:野宮神社(野ノ宮神社) [京都府]

野宮神社の本殿の右手には「野宮じゅうたん苔」と呼ばれる幻想的な庭園が広がっています。

料金: 参拝無料
住所: 京都府京都市右京区嵯峨野々宮町1
営業: 9:00~17:00、無休
交通: 京福電鉄嵐山駅、嵯峨嵐山駅(徒歩10分)

公式サイト: http://www.nonomiya.com/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。