御髪神社 [京都府]
2015/02/22
京都市右京区の嵯峨野にある御髪神社(みかみじんじゃ)です。
昭和期に創建された比較的新しい神社であり、理美容業の祖とされる藤原采女亮政之を祀っています。
そのため、日本で唯一の頭と髪の神社、髪のパワースポットと謳っており、頭髪の健康に御利益があるとされています。
神社概要
由緒
昭和36年(1961年)、京都市の理美容業界関係者らが髪の健康を祈願するために、我国で最初に髪結職を起こした藤原采女亮政之(うねめのすけまさゆき)を、政之と縁の深い亀山天皇の御陵付近の小倉山の麓に祀ったことに始まるとされています。
祭神
御髪神社の祭神は以下の通りです。
主祭神
・藤原采女亮政之(うねめのすけまさゆき):藤原鎌足の子孫であり、日本における理美容業の祖と云われる
・藤原采女亮政之(うねめのすけまさゆき):藤原鎌足の子孫であり、日本における理美容業の祖と云われる
献髪
御髪神社には「献髪」という特殊な作法があり、自らの髪を納めて供養してもらうといったものになっています。
これは社務所で受付けており、神職に髪を切ってもらい、それを献納袋納めて神前に供えるという方法なんだそうです。
髪塚
御髪神社に納めた献髪は、境内の「髪塚」に納められて供養されるそうです。
なお、髪供養について、案内板では以下の様に説明されています。
髪は人身の最上位にあって造化の神より賜った美しい自然の冠であると共に、生前にし残し得る唯一の分身として大きな恩恵に感謝するなど、副神として奉納し祈願される
関連知識
藤原采女亮政之とは?
藤原采女亮政之(うねめのすけまさゆき)は、藤原鎌足の子孫である藤原基春の三男として誕生したとされます。
父の基春は、鎌倉中期の人物であり、京都御所の警備役を担う武士だったとされます。亀山天皇の時代(1259~1274年)、宮中の宝物係だった基春は宝刀の九王丸(もしくは九龍丸)を紛失してしまい、その責任を取って浪人となり、宝刀探索の旅に出ることになったそうです。
その際、長男と二男は京に留まって宝刀を探索したとされますが、三男の政之は諸国行脚の旅に出る基春に同行し、文永5年(1268年)、宝刀の国外流出を防ぐために朝鮮半島にほど近い下関に居を構えたとされます。
下関で宝刀を探索する一方、髪結職で高い収入を上げていた新羅人の下で親子共々 髪結の技術を学び、後に亀山八幡宮裏の中之町に武士らを相手にした髪結所を開いたそうです。なお、その髪結所の床間には亀山天皇を祀る祭壇と藤原家の掛け軸があったことから「床屋」と呼ばれるようになったと云われています。
その後、弘安1年(1278年)に基春は刀を見つけられないまま下関で没し、弘安4年(1281年)に政之は鎌倉に居を移して髪結職を続けたとされます。なお、政之の髪結の技術は鎌倉でも高く評価され、幕府で重宝されたそうです。
そして、建武2年(1335年)4月17日に政之は鎌倉で没したとされますが、生前の功績によって従五位を賜ったとされています。
参考リンク:御髪神社、藤原采女亮政之(ウィキペディア)
髪と神について
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| 怪力サムソン |
御髪神社では「髪」を「神」に通じるものと捉えており「髪は人間の最も高い所に位置する 神より賜った自然の冠」として髪(神)の恩恵に感謝すること訴えています。
一見 駄洒落のような話ですが、実はこれに通じる話が神話や故事の中にいくつか存在しています。そこで、御髪神社に因んで個々でいくつか紹介してみたいと思います。
・古代人は、頭髪には「人間の本質」が込められているという思想を持っていたとされる
・髪には魂が込められているとされ、一説にはそれを用いた護身の呪術もあるとされる
・ギリシャ正教では頭髪は神聖視されており、切らないことを基本的伝統としている
・『旧約聖書』の「士師記」に登場するサムソンという怪力の男は、髪を切られたためにその力を失ったとされる
・聖武天皇の母・宮子姫は頭髪に恵まれなかったが、観音様に祈願することで美しい黒髪が生え、その髪を大切に扱っていたことから良縁に恵まれて、文武天皇の妃となったという伝説がある
・ギリシャ神話に登場するペレニケは、戦場へ赴く夫の戦勝を祈願するために髪を神殿に捧げており、後にゼウスによって星座に加えられ「ベレニケのかみのけ座」となった。
・『日月神示』には「玉串として自分の肉体の清い所 供へ奉れよ、髪を切って息吹きて祓ひて紙に包んで供へまつれよ、玉串は自分捧げるのざと申してあろがな」という一節がある
・髪には魂が込められているとされ、一説にはそれを用いた護身の呪術もあるとされる
・ギリシャ正教では頭髪は神聖視されており、切らないことを基本的伝統としている
・『旧約聖書』の「士師記」に登場するサムソンという怪力の男は、髪を切られたためにその力を失ったとされる
・聖武天皇の母・宮子姫は頭髪に恵まれなかったが、観音様に祈願することで美しい黒髪が生え、その髪を大切に扱っていたことから良縁に恵まれて、文武天皇の妃となったという伝説がある
・ギリシャ神話に登場するペレニケは、戦場へ赴く夫の戦勝を祈願するために髪を神殿に捧げており、後にゼウスによって星座に加えられ「ベレニケのかみのけ座」となった。
・『日月神示』には「玉串として自分の肉体の清い所 供へ奉れよ、髪を切って息吹きて祓ひて紙に包んで供へまつれよ、玉串は自分捧げるのざと申してあろがな」という一節がある
境内・周辺の見どころ
鳥居
御髪神社の鳥居です。
扁額には「御髪神」と記されています。
社殿
御髪神社の社殿です。
仏像
御髪神社の仏像です。
絵馬
御髪神社の絵馬です。
髪にまつわる切実な祈願が書かれた絵馬が、数多く奉納されています。
玉垣
御髪神社の玉垣です。
髪にまつわる有名企業によって奉納されたものが多数あります。
小倉池
御髪神社の前にある小倉池です。
数多くの野鳥が遊ぶ、美しい池となっています。
料金: 参拝無料
住所: 京都府京都市右京区嵯峨小倉山田淵山町10-2
営業: 終日開放、無休
交通: トロッコ嵯峨駅(駅前)、京福電鉄嵐山駅(徒歩8分)、嵯峨嵐山駅(徒歩15分)、阪急嵐山駅(徒歩20分)
公式サイト: http://www.mikami-jinja.net/index.html
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営業: 終日開放、無休
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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