人文研究見聞録:葵稲荷神社 [大阪府]

大阪市浪速区にある葵稲荷神社(あおいいなりじんじゃ)です。

なんばパークスのカーニバルモールにある稲荷神社であり、昭和25年に創建された比較的新しい神社となっています。

また、鳥居の前には「なんばの福がえる」という奇妙なオブジェが安置されています。


神社概要

由緒

人文研究見聞録:葵稲荷神社 [大阪府]
長町遠見難波蔵
人文研究見聞録:葵稲荷神社 [大阪府]
葵稲荷神社

当社は、この地が幕末まで難波御蔵(なんばおくら)であったことに因んで、昭和25年(1950年)の大阪スタヂアム(大阪球場)完工後に稲荷神が祀られたことに始まるとされます。

なお、難波御蔵(なんばおくら)とは、享保の大飢饉(1732年)の際に設置された江戸幕府直轄の米蔵であり、災害救援用の米蔵として活用されていたようです。

祭神などについての詳しい情報は分かりませんが、「葵稲荷大神」と呼ばれる稲荷神が祀られており、商売繁盛の御利益があるとされています。

祭神

葵稲荷神社の祭神は以下の通りです。

主祭神

・葵稲荷大神:稲荷伸(と思われる)

なんばの福がえる

人文研究見聞録:葵稲荷神社 [大阪府]

葵稲荷神社の前には なんばの福がえる という奇妙なオブジェがあります。

お腹を撫でると福を授かるとされているため、お腹の部分だけメッキが剥がれています(ビリケンさんを連想とさせますね)。

また、案内板には以下のような文が記されています。

なんばの福がえる

なんばの布団にふんぞりかえるは
この福がえる

ふと振り返ると
数多の神話がよみがえる
猿田彦とヒキガエル
芭蕉とかわず
ぼってりおなかの福がえる

これらに替える
新たな神話を産み落とす
ぼてっと腹なで
その小生意気な顔見上げると
イヤな気分もケロッと忘れる

土産物、買わずに帰るそんな日も
腹が福へと変わりますよう
なんばのかえるの腹なで帰る

蛙と猿田彦

人文研究見聞録:葵稲荷神社 [大阪府]

猿田彦(サルタヒコ)とは「日本神話」に登場する神であり、『古事記』には「天孫降臨神話」で「猿田彦が伊勢の海で漁をしていると比良夫貝(ひらぶがい)に足を挟まれて溺れた」とあり、一説に"このときに他界して黄泉の国(あの世)に旅立った"と言われています。

ですが、"猿田彦は偉大な力で黄泉の国から舞い戻って復活した"という伝説があり、このことから"黄泉の国より帰る → 蘇る(よみがえる)"となったされ、"蘇る(よみがえる)を"蛙(黄泉ガエル)"と引っかけて、蛙がサルタヒコの使いとなったとも言われているようです("ヒキガエル""引き帰る"かも知れませんね)。

そのため、なんばの福がえるの案内板にある「猿田彦とヒキガエル」とは、この伝説を引用しているのかもしれません(三重県伊勢市の二見興玉神社では、蛙がサルタヒコの神使とされている)。

ちなみに、「芭蕉とかわず(蛙)」とは、奥の細道で知られる俳人・松尾芭蕉が読んだ「古池や蛙飛びこむ水の音(ふるいけやかわずとびこむみずのおと)」という有名な俳句から引用していると思われます。

境内の見どころ

鳥居

人文研究見聞録:葵稲荷神社 [大阪府]
人文研究見聞録:葵稲荷神社 [大阪府]

葵稲荷神社の鳥居です。

掛札

人文研究見聞録:葵稲荷神社 [大阪府]

葵稲荷神社の掛札です。

本殿

人文研究見聞録:葵稲荷神社 [大阪府]

葵稲荷神社の本殿です。

料金: 無料
住所: 大阪市浪速区難波中2-10-70(マップ
営業: 終日開放、無休
交通: 南海難波駅(徒歩3分)、なんば駅(徒歩8分)
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。