【当サイトについて】

・当ブログは「人文研究見聞録(じんぶんけんきゅうけんぶんろく)」と言います。
・このブログでは、著者が実際に見た・体験した「日本」についての記事を書いています。
・その他にも「日本神話」の独自研究についての記事なども書いています。
・サイト内のコンテンツについては、上部のメニューバーおよびサイト右側に配置したメニューを参照してください

2015年10月9日金曜日

磯部神社 [三重県]

人文研究見聞録:磯部神社 [三重県]

三重県志摩郡磯部町にある磯部神社(いそべじんじゃ)です。

伊雑宮の南側に位置する磯部郷の惣社であり、祭神に正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊(オシホミミ)など計48柱の神々を祀っているとされています。

一見普通の神社ですが色々と見どころがあるため、個人的にオススメの神社です。


神社概要

由緒

創祀については不詳ですが、古くから伊雑宮の摂末社の如く扱われており、歴代の伊雑宮の神職らによって その氏神・産土神として奉祀されてきたと云われています。また、社殿の造営の折には伊雑宮竝大歳社(佐美長神社)の古殿を拝領して、その造修を営んできたんだそうです。

明治末期になると、神社合祀の方針(神社合祀令に関する勅令)に則って村内十大字(除坂崎)の神社を現在地に合祀し、社名を磯部神社と改めた磯部郷の総社となったとされています(つまり、磯部郷周辺の神社を合祀して成り立った神社である)。

なお、この辺りの神社は海の幸をもたらす神への祭祀が中心であるとされ、 民俗学者の南方熊楠(みなかた くまぐす)は、以下の様に評価しているとされます。

・磯部大明神は今も船夫海師に重く崇められる。鮫を使者とし厚く信じる者、海に溺れんとする、鮫来たり負いて陸に達するといふ。
・神使の鮫は、長さ四五間、頭細長く、体に斑紋あり。『ゑびす』と名づくる種類に限る。
・毎年一定の海路を来るに無数の堅魚(かつお)、これに随行するを捕らえ、利を得ること莫大なり
・古老の漁人の話に、海浜に『ゑびす』の祠が多い理由は、実はこの『ゑびす鮫』を齋き祀れるなりと云う

つまり、磯部神社では「」を神使としており、漁師に篤い尊崇を受けているともされています。

なお、志摩における「」は伊雑宮にまつわる「七本鮫」の伝承など地域に根付く独自の信仰があり、出雲においては鮫は「鰐(ワニ)」とも呼ばれ、日本神話における鰐は「龍神」を指すともされることから、龍神信仰にまつわる可能性も考えられます。

※日本神話におけるスサノオとアマテラスの誓約で生じた神々(男神五柱、宗像三女神)を指す(八王子として祀られることもある)

祭神

磯部神社の祭神は以下の通りです。

五男三女神(八王子とも)

・正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊(マサカアカツカチハヤビアメノオシホミミ):誓約で生まれた男神
・天穂日命(アメノホヒ):同上
・天津彦根命(アメツヒコネ):同上
・活津彦根命(イクツヒコネ):同上
・熊野櫲樟日命(クマノクスヒ):同上
・田心姫命(タゴリヒメ):誓約で生まれた女神(宗像三女神)
・湍津姫命(タギツヒメ):同上
・市杵嶋姫命(イチキシマヒメ):同上

その他

・素戔嗚命(スサノヲ):三貴子の一柱(尊称に注目)
・大幡主命(オオハタヌシ):アメノミナカヌシの後裔である彦久良伊命の子
・少彦名命(スクナヒコナ):国造りの神
・大山祇命(オオヤマヅミ):山の神
・猿田彦命(サルタヒコ):導きの神
・神日本磐余彦命(カムヤマトイワレヒコ):初代神武天皇
・誉田別尊(ホムタワケ):第15代応神天皇(八幡神)
・玉依姫命(タマヨリヒメ):神武天皇の母と思われる
・速秋津彦命(ハヤアキツヒコ):水戸神の一柱
・石凝姥命(イシコリドメ):八咫鏡を作った神
・櫛玉命(クシタマ):伊勢都彦命(伊勢の神)の別名、ニギハヤヒの別名でもある
・天目一箇神(アメノマヒトツ):製鉄・鍛冶の神(志摩のダンダラボッチと関連性があるとも)
・臂摩乳命(テナヅチ):クシナダヒメの母
・脚摩乳命(アシナヅチ):クシナダヒメの父
・金山彦命(カナヤマヒコ):鉱山の神
・武甕槌命(タケミカヅチ):国譲りを成した武神
・天尾羽張命(アメノヲハバリ):タケミカヅチの父
・大田命(オオタ):サルタヒコの子孫
・天太玉命(アメノフトダマ):忌部氏の祖神
・天細女命(アメノウズメ):猿女君の祖であり、サルタヒコの妻となったとも
・豊受姫命(トヨウケヒメ):外宮の主祭神の顕現(元は丹波の総氏神であり、アメノミナカヌシとも)
・彦火瓊々杵命(ヒコホニニギ):高千穂に天降った皇室の祖神
・手力雄命(タジカラヲ):天岩戸でアマテラスを引っ張り出した神(内宮の相殿神)
・木花開耶姫命(コナハナサクヤ):ニニギの妻
・鸕鶿草葺不合命(ウカヤフキアヘズ):神武天皇の父に当たる(異説あり)
・伊弉冉尊(イザナミ):国産み神産みの母
・速玉大神(ハヤタマノオオカミ):熊野三神の一柱であり、熊野ではイザナギとされる
・家都御子大神(ケツミコノオオカミ):熊野三神の一柱であり、スサノオもしくはクニノトコタチとされる
・不詳十二座:12柱の神々は不詳

※『三重県神社誌』参考

合祀された神社

磯部神社に合祀された神社は以下の通りです。

明治41年合祀

・神津見社(大字恵利原村社)、同境内社1社

・大山祇神社(大字迫間村社)、同境内社1社
・宇気比神社(大字穴川村社)
・須賀神社(無格社)
・宇気比神社(大字下之郷村社)、同境内社5社
・神集社(無格社)、同境内社3社
・楠之社(無格社)、同境内社(水神社、山神社、大崎社)
・宇気比神社(大字飯浜村社)、同境内社3社
・須賀社(無格社)
・谷ノ神社(大字上之郷村社)、同境内社1社
・少名彦社(無格社)、同境内社1社
・以比社(大字沓掛村社)、同境内社3社
・新宮熊野神社(大字五知村社)、同境内社2社
・権現熊野神社(無格社)、同境内社1社
・本宮熊野神社(無格社)、同境内社2社
・神津見神社(大字山田村社)
・大字山田の無社

明治43年合祀


・八柱神社(大字築地村社)


昭和30年


・八柱神社(山原)、同境内社3社

・栗木広神社(栗木広)、同末社天皇社
・八柱神社(桧山)、同社末社4社

※『平成祭礼データ』参照

境内の見どころ

本殿

人文研究見聞録:磯部神社 [三重県]

磯部神社の本殿です。

伊勢周辺の神社とは違い、鳥居に注連縄が張られています。

建造中の本殿

人文研究見聞録:磯部神社 [三重県]

磯部神社の本殿の横には、現在建造中の社殿があります。

磯部神社では伊勢神宮と同じく、20年毎に社殿を建て替える「式年遷宮」が行われるそうです。

護国社

人文研究見聞録:磯部神社 [三重県]

磯部神社の境内社である護国社(ごこくしゃ)です。

祭神は571柱の神とされますが、具体的な神名は不明です。

皇大神宮・橿原神宮遥拝所

人文研究見聞録:磯部神社 [三重県]

磯部神社の皇大神宮・橿原神宮遥拝所です。

ここから伊勢の皇大神宮(内宮)と奈良の橿原神宮を遥拝することができます。

池内の鳥居と磐座

人文研究見聞録:磯部神社 [三重県]

磯部神社の池内には鳥居磐座が祀られています。

市杵嶋姫命(弁財天)を祀っているのでしょうか?

菊花紋章と六芒星の燈籠

人文研究見聞録:磯部神社 [三重県]

磯部神社入口の石段の前や境内には、「菊花紋章」と「六芒星」の刻まれた石燈籠が設置されています。

これは外宮から内宮を結ぶ御幸道路に設置されている燈籠と同じですが、上記のシンボルについては謎とされています。

しかも、伊勢神宮では関連を否定しているとされることから、これについての定説は未だに存在していないようです。

なお、伊雑宮の前にも建てられており、伊勢だけに関わらず志摩とも関連していると言えます。

それが、磯部神社の境内に堂々と立っていることから、この神社との深い関連性が窺い知れます。

この灯篭は一体何を表し、何のために設置されているのでしょうか?

人文研究見聞録:磯部神社 [三重県]
入口の石燈籠
人文研究見聞録:磯部神社 [三重県]
境内の石燈籠

こちらの記事で考察しています:【伊勢神宮の石燈籠(菊花紋章と六芒星の謎)】

料金: 無料
住所: 三重県志摩市磯部町恵利原1250(マップ
営業: 終日開放
交通: 上之郷駅(徒歩12分)

公式サイト: http://kyoka.mie-jinjacho.or.jp/shrine/%E7%A3%AF%E9%83%A8%E7%A5%9E%E7%A4%BE/

スポンサーリンク


0 件のコメント :

コメントを投稿