市谷亀岡八幡宮 [東京都]
2016/01/18
東京都新宿区市谷八幡町にある市谷亀岡八幡宮(いちがやかめがおかはちまんぐう)です。
戦国時代に江戸城の西方守護社として創建された神社であり、江戸時代には江戸の盛り場となったとされています。
現在ではペットの所祈願を受付けている神社として知られており、ペット用の御守も授与しているそうです。
神社概要
由緒
文明11年(1479年)、江戸城を築城した太田道灌(おおたどうかん)によって鎌倉の鶴岡八幡宮の分霊が勧請され、江戸城西方の守護神として祀られたことに始まるとされています。その際、鎌倉の「鶴岡」に対して「亀岡」八幡宮と称したそうです。
なお、創建当時は市谷御門の中(現在の千代田区内)にあったとされますが、戦火の影響で荒廃してしまったため、慶長年間(1596~1615年)に別当の源空少僧都(そうず)が自力で再建したとされます。
その後、江戸時代の寛永13年頃(1636年頃)、江戸城に外堀が完成したのを機に古くから茶ノ木稲荷(現在は摂社)のあった現在地に遷座し、この頃より三代将軍・徳川家光や桂昌院などの寄進を得て、見事に再興されたそうです。
それ以来、しばらくは境内に茶屋や芝居小屋などの露店が立ち並び、市谷は江戸を代表する盛り場となったとされます。また、例祭は江戸市中でも華やかなものとして知られ、江戸の若者の人気を集めたそうです。
しかし、亨保10年(1725年)に起こった火事の影響で社殿を焼失し、2年後の亨保12年(1727年)に再建工事が始められたとされますが、再建後は以前の華やかさは無くなったとされ、加えて明治5年(1872年)、明治の神仏分離令によって別当寺だった東円寺が廃寺となり、その頃には境内から露店多くが撤退してかつての賑わいは無くなったとされます。
そして、昭和20年(1945年)、第二次世界大戦の戦火によって境内が全焼し、昭和37年(1962年)に社殿が再建されて現在に至るとされています。
祭神
応神天皇 |
市谷亀岡八幡宮の祭神は以下の通りです。
境内社
茶ノ木稲荷神社
市谷亀岡八幡宮の摂社・茶ノ木稲荷神社(ちゃのきいなりじんじゃ)です。
現在の境内地は平安時代に関東に下向した空海(弘法大師)によって開山されたことに始まり、当初は稲嶺山(いなりやま)と称して、当山の地主神である保食神(ウケモチ、稲荷大神とも)を祀っていたとされています。
なお、その昔、当山には稲荷大神の神使である白狐が棲んでいたとされ、ある時、誤って茶の木で目を突いてしまったそうです。それ以来、崇敬者は茶を忌み、正月の三が日は茶を呑まない習俗があったとされます。
また、眼病の人が17日、あるいは37日、21日の間 茶を絶って眼病平癒を祈願したところ、霊験があらたかであったとされることから、この伝説に倣って眼病平癒を祈願する参拝者も多いとされています。
祭神
・稲荷大神(いなりおおかみ):当地の地主神であり、稲荷山(稲嶺山)祀られた稲霊、年神様の主神であるとされる
・保食神(ウケモチ):衣食を司る神とされ、公式サイトによれば稲荷大神であるとも
・稲荷大神(いなりおおかみ):当地の地主神であり、稲荷山(稲嶺山)祀られた稲霊、年神様の主神であるとされる
・保食神(ウケモチ):衣食を司る神とされ、公式サイトによれば稲荷大神であるとも
金刀比羅宮
市谷亀岡八幡宮の境内社・金刀比羅宮(ことひらぐう)です。
創建由緒は不明とされますが、讃岐の金刀比羅宮の分霊を祀る神社であり、航海安全・交通安全・海上守護・産業円満・金運招来の御神徳があるとされています。
祭神
・大物主神(オオモノヌシ):三輪山に鎮まる神であり、神仏習合時代には金毘羅権現とされていた
・崇徳天皇(すとくてんのう):日本の第75代天皇であり、保元の乱の後に讃岐に流された(日本三大怨霊)
・大黒天(だいこくてん):江戸時代に習合していたとされる(一般的には縁結びの神とされる)
・大物主神(オオモノヌシ):三輪山に鎮まる神であり、神仏習合時代には金毘羅権現とされていた
・崇徳天皇(すとくてんのう):日本の第75代天皇であり、保元の乱の後に讃岐に流された(日本三大怨霊)
・大黒天(だいこくてん):江戸時代に習合していたとされる(一般的には縁結びの神とされる)
出世稲荷神社
市谷亀岡八幡宮の境内社・出世稲荷神社(しゅっせいなりじんじゃ)です。
『武蔵国稲荷山大明神縁起』によれば、当社を篤く崇敬するお侍の夢枕に稲荷神が立ち、「自分は伏見の稲荷大神じゃ、これまで以上に幣帛を奉り日参されよ」と言い残して去ったとされ、この神託に喜んだ侍は稲荷神の言う通りにして、自ら日参し、出仕の日には家来を代参させたところ、とんとん拍子に出世して、遂には大名になったとされています。
なお、この文献には実名入りの記載があり、その後も出世の大明神を祀るために私財を投じ、参拝を欠かさなかったとされ、この縁起よって出世の社号を持つ稲荷神社になったそうです。
祭神
・京都伏見の稲荷大神:伏見稲荷の主祭神・宇迦之御魂大神(ウカノミタマ)とされる
・京都伏見の稲荷大神:伏見稲荷の主祭神・宇迦之御魂大神(ウカノミタマ)とされる
境内の見どころ
鳥居
市谷亀岡八幡宮の鳥居です。
狛犬
市谷亀岡八幡宮の狛犬です。
なかなか珍妙なデザインのものとなっています。
拝殿
市谷亀岡八幡宮の拝殿です。
拝礼の際には「祓え給い 清め給え 神ながら 奇しみたま 幸え給え」という神拝詞を三唱することとされています。
力石
市谷亀岡八幡宮の力石です。
かつて祭礼の時などに村人が力比べをし、その石を奉納したものであるとされています。
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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