茜社・豊川茜稲荷神社 [三重県]
2016/01/21
三重県伊勢市豊川町にある茜社(あこねやしろ)です。
伊勢外宮の宮域である勾玉池の畔に古くから鎮座している古社であり、現在では「あこねさん」の愛称で知られています。
また、「稲荷」と呼ばれる岩窟もあったとされ、現在では「豊川茜稲荷神社」となって人々の崇敬を集めているそうです。
なお、地域では産土神として知られており、毎年1月には「御頭神事」という特殊神事が行われるとされます。
神社概要
由緒
茜社 |
由緒書によれば、創祀は不詳とされるものの、古くから「赤畝(あかうね)」と呼ばれた外宮神苑・勾玉池の畔に鎮座していた「赤畝の社」であるとされています(創建は一条天皇の御世以前(986年以前)とされている)。
なお、14世紀の外宮の記録『豊受大神宮禰宜補次第』に載せられていることから、古くは外宮の摂社であったものと推定されています(ただし、現在は伊勢神宮管轄の社ではない)。
また、歴史の変遷の中で荒廃していたとされますが、室町時代になると、土地の人々の産土神として再興し、かつての社名である「赤畝の社」が訛って「あこね」となり、明治初期に「茜」の字が当てられて「茜社」と称し、現在に至るとされています。
祭神
茜社の祭神は以下の通りです。
主祭神
・天牟羅雲命(アメノムラクモ):飲料水の神(天から持ち帰った神水を外宮の御井に遷したという伝説がある)
→ 籠神社によれば彦火明命の後裔で天香語山命の子とされる
・※蛭子命(ヒルコ):イザナギ・イザナミの間に生まれ、えびす神と習合するとされる(公式では主祭神とされる)
→ 明治期に蛭子社が合祀されたという記録がある(由緒書には えびす命を合祀とある)
・※宇迦之御魂神(ウカノミタマ):稲荷神(由緒書には蛭子命ではなく、宇迦之御魂神が記される)
※昭和期に刊行された『宇治山田市史』には「不詳一座 或云赤畝氏祖天牟羅雲命」と記されるとされる
・天牟羅雲命(アメノムラクモ):飲料水の神(天から持ち帰った神水を外宮の御井に遷したという伝説がある)
→ 籠神社によれば彦火明命の後裔で天香語山命の子とされる
・※蛭子命(ヒルコ):イザナギ・イザナミの間に生まれ、えびす神と習合するとされる(公式では主祭神とされる)
→ 明治期に蛭子社が合祀されたという記録がある(由緒書には えびす命を合祀とある)
・※宇迦之御魂神(ウカノミタマ):稲荷神(由緒書には蛭子命ではなく、宇迦之御魂神が記される)
※昭和期に刊行された『宇治山田市史』には「不詳一座 或云赤畝氏祖天牟羅雲命」と記されるとされる
境内社
豊川茜稲荷神社
豊川茜稲荷神社 |
茜社の境内社である豊川茜稲荷神社(とよかわあこねいなりじんじゃ)です。
創祀は不詳とされますが、古くから「稲荷」と称する神域内の岩窟に宇迦之御魂神が祀られていたとされます。
なお、案内板によれば、祭神はスサノオとカムオオイチヒメの子であり、別名をトヨウケビメというとされています。
また、19世紀の記録『小祠拾』には「石壇ノ東北ノ方ニ稲荷トテ岩窟アリ。土俗豊川明神ト云フ。」とあるそうです。
祭神
・宇迦之御魂神(ウカノミタマ):稲荷神として祀られる神(当社では外宮祭神と同神としている)
→ 当社で祭神の宇迦之御魂神は地・海・商の神とされており、多くの神徳があるとされる
⇒ 『神都名勝誌』によれば漁師の信仰が篤いとされる
・宇迦之御魂神(ウカノミタマ):稲荷神として祀られる神(当社では外宮祭神と同神としている)
→ 当社で祭神の宇迦之御魂神は地・海・商の神とされており、多くの神徳があるとされる
⇒ 『神都名勝誌』によれば漁師の信仰が篤いとされる
天神社(茜牛天神)
茜牛天神 |
茜社の境内社である天神社です。
明治42年(1909年)2月に豊川町の大路菅原社が合祀されたことに始まり、祭神に菅原神(菅原道真)を祀っています。
伊勢唯一の天神社とされ、古くから「茜牛天神」として地域の人々に親しまれているそうです。
境内の見どころ
奉納鳥居
豊川茜稲荷神社の参道には、崇敬者によって奉納された鳥居が並べられています。
数は20基程度とされますが、くぐると伏見稲荷の千本鳥居をくぐっているような感覚に捉われます。
狐像
豊川茜稲荷神社の社殿の前には、多数の白狐像が奉納されています。
神木
茜社の神木です。
二本の巨木には注連縄が張られています。
磐座
茜社の磐座です。
小さなものですが、巨木に挟まれており、前には鳥居が設けられています。
勾玉池
茜社から見た勾玉池です。
茜社は池を挟んだ外宮の反対側に位置するため、外宮とは異なる勾玉池を望めます。
せんぐう館
茜社から見たせんぐう館です(外宮の施設)。
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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