人文研究見聞録:浅間神社(大世古) [三重県]

三重県伊勢市大世古にある浅間神社(せんげんじんじゃ)です。

古くから「浅間さん」と呼ばれて親しまれる神社であり、かつてはコノハナサクヤヒメを祀っていたとされています。

しかし、明治期に須原大社に合祀されたため、現在では大日如来を祀っているそうです。

なお、境内には大日如来の御神体とされる石柱をはじめ、いくつかの磐座が祀られています。


由緒

由緒書によれば、創建年代は不明なものの、古くから「浅間さん」と呼ばれて町民に親しまれた神社であるとされています。

なお、かつて曽禰町には浄土宗の「光善寺」があり、当時は「大道場」と称されるほど著名な寺院であったそうです。そして、現在の地名「大世古」は、この光善寺に由来する「大道場世古」の略だと云われています。

浅間神社は この大世古町北宮川に鎮座し、祭神に木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメ)を祀っていたとされ、富士山浅間神社に参詣する人々が毎年5月に此処で身を清めたと云われています。

また、大正中期から昭和初期にかけて当地で伝染病が流行したとされ、その原因が此処に祀られていた霊験あらたかな大日如来を粗末に扱っていたことにあり、怒りを買ってこのような事態になったという噂が立ったため、当時の古老達が大日如来のために盛大に祭りを行ったところ、伝染病はたちまち無くなったそうです(昔は毎年 盛大な祭が行われたとも)。

その後、明治42年(1909年)4月1日、浅間神社の御神体は村社・須原大社に合祀され、大日如来の御神体は現在地にビクニ石として祀られているとされています(由緒書では大日如来を仏ではなく、神として扱っている様子が見られる)。

祭神

浅間神社の祭神は以下の通りです。

・大日如来:由緒書によれば、境内のビクニ石を御神体とする神とされている
 → かつては木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメ)を祀っていたとされるが、現在は須原大社に合祀される

鳥居

人文研究見聞録:浅間神社(大世古) [三重県]

浅間神社の鳥居です。

ビクニ石?

人文研究見聞録:浅間神社(大世古) [三重県]

浅間神社の境内には、石柱が祀られています。

恐らく、由緒書にあるビクニ石(大日如来の御神体)だと思われます。

磐座

人文研究見聞録:浅間神社(大世古) [三重県]

浅間神社の境内には、いくつかの磐座が祀られています。

境内社(稲荷社?)

人文研究見聞録:浅間神社(大世古) [三重県]

浅間神社の境内社です。

様相から稲荷社であると思われます。

料金: 無料
住所: 三重県伊勢市大世古4丁目
営業: 終日開放
交通: 宮町駅(徒歩7分)
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。