雲ヶ岩(紫雲賀岩) [兵庫県]
2017/01/27
兵庫県神戸市の六甲山にある雲ヶ岩(くもがいわ)です。
六甲山に点在する巨岩の一つとして知られ、真っ二つに切られたような面白い形の磐座となっています。
概要
案内板によれば、雲ヶ岩は「法道仙人が この地で修行中、紫の雲に乗った毘沙門天が この岩の上に現れたという岩です」と説明されています。
調べてみると、雲ヶ岩は吉祥院多聞寺(神戸市北区)の奥の院とされており、多聞寺の縁起によれば「インドから渡来した法道仙人(ほうどうせんにん)が六甲山の雲ヶ岩(紫雲賀岩)で修行中に紫色の雲に乗った毘沙門天(ビシャモンテン)と出会ったことから、第36代孝徳天皇の御代(645年)に多聞寺を開き、六甲山の仰臥岩・雲ヶ岩(紫雲賀岩)・六甲比命大善神・心経岩を多聞寺の奥の院とした」という経緯であるとされているようです。
なお、当初は紫雲賀岩(しうんがいわ)と呼ばれていたそうですが、後に略されて雲ヶ岩(くもがいわ)となったと言われています。
法道仙人とは?
法道仙人(ほうどうせんにん)とは、インドから日本に渡来してきたとされる仙人であり、鉄の宝鉢を持っていたことから空鉢仙人(くはつ、からはちせんにん)とも呼ばれています。
伝承によれば、インドの霊鷲山に籠って仙術を修行し、不思議な術を使って空中に浮かせた空の鉢に布施を受けていたため、皆から仙人と呼ばれたとそうです。そして、6~7世紀頃に中国・朝鮮半島を経由して日本へと渡ってきたとされ、播磨国を中心に数々の寺を開いたとされています(兵庫を中心に富山、鳥取、愛媛、大分にゆかりの寺が存在する)。
なお、法道仙人は六甲山の雲ヶ岩でも修行したとされ、この際に紫雲に乗って現れた毘沙門天(ビシャモンテン)を感得し、雲ヶ岩・六甲比命大善神・心経岩を奥ノ院とする吉祥院多聞寺を創建したと云われています。
また、wikipediaによれば、日本に渡来する際に牛頭天王(ゴズテンノウ)と共に渡ったとされ、その牛頭天王は姫路市の広峯神社に祀られた後、京都の八坂神社に祀られたといわれているそうです。
アクセス
Googleマップで確認できる六甲山の磐座群までのルートは2パターンあり、それぞれの特徴は以下の通りです。
【ルートA】
・六甲山カンツリーハウスの中央入口駐車場の脇道より、道なりに進んでいく
→ しばらくは舗装された道が続き、カンツリーハウスの駐車場が見えてくる(Googleストリートビューで確認可能)
・舗装された道の先を進むと、やがて磐座群の案内板が現れて舗装されていない山道になる
→ ルート上にいくつかの山荘があるため、初見だと道に迷いやすい
・このルートで行けば、心経岩 → 六甲比命大善神(六甲比命神社) → 雲ヶ岩 → 仰臥岩 という順で磐座を拝める
→ 山道の途中で"ロープを伝って進む場所"や"梯子を登る必要のある場所"が出てくるため、軍手などがあると重宝する
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| ルートAの案内板 |
・六甲山カンツリーハウスの中央入口駐車場の脇道より、道なりに進んでいく
→ しばらくは舗装された道が続き、カンツリーハウスの駐車場が見えてくる(Googleストリートビューで確認可能)
・舗装された道の先を進むと、やがて磐座群の案内板が現れて舗装されていない山道になる
→ ルート上にいくつかの山荘があるため、初見だと道に迷いやすい
・このルートで行けば、心経岩 → 六甲比命大善神(六甲比命神社) → 雲ヶ岩 → 仰臥岩 という順で磐座を拝める
→ 山道の途中で"ロープを伝って進む場所"や"梯子を登る必要のある場所"が出てくるため、軍手などがあると重宝する
【ルートB】
・六甲山カンツリーハウスの中央入口駐車場の脇道のさらに西にある小道を道なりに進んでいく
→ 「関西大学六甲山荘」の表示の向かいにある小道(Googleストリートビューでは確認不可)
・ルート上に磐座群の案内板が現れるため、方向指示に従って進めば迷わないと思われる
→ 磐座群までの道は山道になっており、足場が悪く、手すりもないため注意が必要
・このルートで行けば、仰臥岩 → 雲ヶ岩 → 六甲比命大善神(六甲比命神社) → 心経岩 という順で磐座を拝める
→ 山道の途中で"ロープを伝って進む場所"や"梯子を登る必要のある場所"が出てくるため、軍手などがあると重宝する
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| ルートBの案内板 |
・六甲山カンツリーハウスの中央入口駐車場の脇道のさらに西にある小道を道なりに進んでいく
→ 「関西大学六甲山荘」の表示の向かいにある小道(Googleストリートビューでは確認不可)
・ルート上に磐座群の案内板が現れるため、方向指示に従って進めば迷わないと思われる
→ 磐座群までの道は山道になっており、足場が悪く、手すりもないため注意が必要
・このルートで行けば、仰臥岩 → 雲ヶ岩 → 六甲比命大善神(六甲比命神社) → 心経岩 という順で磐座を拝める
→ 山道の途中で"ロープを伝って進む場所"や"梯子を登る必要のある場所"が出てくるため、軍手などがあると重宝する
※個人的には「ルートA(行き) → ルートB(帰り)」の順で参拝するのがベターだと思います。
周辺の様子
雲ヶ岩の周辺には方向指示板が置かれていたと思うので、迷わずに辿りつけると思います。
雲ヶ岩は、丸くて凹凸のある岩肌の奇岩をぶった切ったような形状であり、どことなく脳を彷彿とさせる印象があります。
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周辺の磐座とは雰囲気が異なり、触ってみることもできるため、大変珍しい磐座であると思われます。
なお、岩の下には榊が供えられており、毎年の春秋には多聞寺の祭である護摩供養が行われるそうです。
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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