人文研究見聞録:木次神社(來次神社) [島根県]

島根県雲南市にある木次神社(きすきじんじゃ)です。

『出雲国風土記』の「支須支社」に比定される古社であり、祭神に大巳貴命・武甕槌命・誉田別命を祀っています。


神社概要

由緒

由緒書によれば、当社は奈良期の『出雲国風土記』に「支須支社(きすきしゃ)」、平安期の『延喜式神名帳』に「來次神社(こすきのかみのやしろ)」として名を載せる古社であり、元は現在地より西方100mのところにある「跡の城(あとのじょう)」と呼ばれる場所に鎮座していたとされます。

また、鎌倉時代には 源頼朝によって出雲国の八ヶ所に勧請された「出雲八所八幡宮」の一社に合祀され、近代には 明治4年(1871年)に八幡宮を「来次神社」として郷社にし、八幡宮を相殿に祀る形となったとされています。

ちなみに、社名・地名である「きすき」の由来について『出雲国風土記』には「所造天下大神(大国主)が "八十神(やそがみ)は青垣山(あおがきやま)の裏にはいさせまい" と言って追って来た時に此処で追いついたため、来次という」という記述があります。

なお、由緒書による説明は以下の通りです。

【来次神社 由緒】

当社は「出雲国風土記(713年)」に「支須支社(きすきしゃ)」とあり、また「延喜式神名帳(927年)」に記載されている「式内社」でもある。祭神は「大巳貴命(オオナムチ)」「武御雷命(タケミカヅチ)」別に「誉田別尊(ホンダワケ)」が合祀されている。

また当社は「八所八幡宮」の中の一社である。これは鎌倉時代に この出雲国の八カ所に八幡宮が勧請され、これを「出雲八所八幡宮」というのである。本来の社地は現地より西方100mのところにあり「跡の城(あとのじょう)」と呼ばれ、現在でも石の祠が残されている。

祭神

木次神社の祭神は以下の通りです。

【主祭神】

・大巳貴命(オオナムチ):オオクニヌシの名で知られる出雲大社の主祭神
 → 「日本神話」ではスクナヒコナと共に諸国を巡って国造りを成したとされる
  ⇒ このため、各国の『風土記』にも登場する機会が多い
・武甕槌命(タケミカヅチ):「国譲り神話」において出雲の大国主と交渉し、国譲りを成した神(鹿島神宮の主祭神)
 → 藤原氏の守護神とされ、鹿島神(かしまのかみ)とも呼ばれている

【相殿(八幡宮)】

・誉田別命(ホンダワケ):第15代 応神天皇であり、八幡神として全国の八幡宮などで祀られる

境内社

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龍神社
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釼御崎神社
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幸神社
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若宮神社
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天満宮
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紺姫神社
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稲荷神社
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金蔵神社
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鎮守神社
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金屋子神社
人文研究見聞録:木次神社(來次神社) [島根県]
風神社

木次神社の境内社は以下の通りです。

・龍神社:龗神を祀る
・釼御崎神社
・幸神社
・若宮神社
・天満宮
・紺姫神社
・稲荷神社
・金蔵神社
・鎮守神社
・金屋子神社
・風神社

境内の見どころ

参道鳥居

人文研究見聞録:木次神社(來次神社) [島根県]

木次神社の参道鳥居です。

手水舎

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木次神社の手水舎です。

屋根が真っ青に塗られた珍しい手水舎となっています。

境内鳥居

人文研究見聞録:木次神社(來次神社) [島根県]

木次神社の境内鳥居です。

神門(随神門)

人文研究見聞録:木次神社(來次神社) [島根県]

木次神社の神門です。

当社の随神は、向かい合わせに祀られています。

拝殿

人文研究見聞録:木次神社(來次神社) [島根県]

木次神社の拝殿です。

当社の拝殿は、神門と繋がっています。

板絵

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木次神社の板絵です。

神門と拝殿を繋ぐ屋根の天井に描かれています。

本殿

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木次神社の本殿です。

社日

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木次神社にある社日碑(社日塔)です。

社日とは中国から伝わった風習で、土地・部族の守護神である社(土地の守護神・土の神)を祀る信仰とされます。

この信仰が伝わって以来、地神や田の神の信仰と習合して全国的に広まったとされ、当地方には碑や塔が多く見られます。

料金: 無料
住所: 島根県雲南市木次町木次782(マップ
営業: 不明
交通: 木次駅(徒歩22分)
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。