阿太加夜神社(芦高神社) [島根県]
2017/09/16
島根県松江市にある阿太加夜神社(あだかやじんじゃ)です。
『出雲国風土記』の「阿太加夜社」に比定される古社であり、主祭神に阿太加夜奴志多岐喜比賣命を祀っています。
また、境内には藁で作られた対の龍蛇や、ホーランエンヤ(特殊神事)で使われる船など珍しいものが安置されています。
神社概要
由緒
由緒書によれば、当社の創祀年代は不詳とされるものの、奈良時代の『出雲国風土記』に「阿太加夜社」として記載される古社であり、社殿などの建築物は元禄8年(1695年)に源綱近によって造営され、以後 代々の藩主によって改修されて来たとされています(由緒に関する資料は火災によって焼失したとされる)。
なお、由緒書による説明は以下の通りです。
【阿太加夜神社 御由緒】
当社は大那牟遅命(オオナムチ)の御子・阿太加夜奴志多岐喜比賣命(アダカヤヌシタキキヒメ)・外四柱を祀り、鎮座年歴不詳であるが、天平5年の風土記に記載され、殊に貞観元年7月11日正五位下を授けられている。
社殿 諸建造物は元禄8年3月23日、出雲太守・松平出羽守 源朝臣綱近により造営され、代々の藩主による修造の棟札が現存している。
また、社領30石を寄付された社であるが、中古、火災によって由緒の詳なることを知ることはできない。通称 芦高大明神と呼ばれ、近郷の信仰を集めている。
当社は大那牟遅命(オオナムチ)の御子・阿太加夜奴志多岐喜比賣命(アダカヤヌシタキキヒメ)・外四柱を祀り、鎮座年歴不詳であるが、天平5年の風土記に記載され、殊に貞観元年7月11日正五位下を授けられている。
社殿 諸建造物は元禄8年3月23日、出雲太守・松平出羽守 源朝臣綱近により造営され、代々の藩主による修造の棟札が現存している。
また、社領30石を寄付された社であるが、中古、火災によって由緒の詳なることを知ることはできない。通称 芦高大明神と呼ばれ、近郷の信仰を集めている。
【特別神社 阿太加夜神社】
阿太加夜神社(あだかやじんじゃ)の主祭神は、神話で有名な大国主命(オオクニヌシ)の御子・阿太加夜奴志多岐喜比賣命(アダカヤヌシタキキヒメ)という女神様です。
この神様は阿太加夜(現在の出雲郷=あだかえ)の主として出雲の多伎町に祀られているほど広く出雲の地で活躍された出雲鎮守(土地・地域を守る)の神様です。
10年に一度の日本三大船神事(通称ホーランエンヤ)は、松江藩主・松平直正公が、不作を危惧し五穀豊穣を祈念するため、城山にある稲荷神社の御神霊をわざわざ ここ阿太加夜神社に船渡御して7日間にも延ぶ大祭を斉行したのが始まりです。
現在まで350余年続く式年神幸祭で境内には神幸祭にちなんだ霊験あらたかな松岡兵庫頭(まつおかひょうごのかみ)をお祀りした社があります。
配神には須佐之男命(スサノオ)をはじめ、国之底立命(クニノソコタチ)・淑母陀流命(オモダル)・阿志古泥命(アシコネ)の天神を祀り、末社は稲荷神社・雨風神社。
境内の面足山(おもたるやま)には、国引き神話の意宇の社(おうのもり)・八束水臣津(ヤツカミズオミヅノ)の碑・河童伝説の碑・万葉集歌人・門部大臣の碑などがあります。
阿太加夜神社(あだかやじんじゃ)の主祭神は、神話で有名な大国主命(オオクニヌシ)の御子・阿太加夜奴志多岐喜比賣命(アダカヤヌシタキキヒメ)という女神様です。
この神様は阿太加夜(現在の出雲郷=あだかえ)の主として出雲の多伎町に祀られているほど広く出雲の地で活躍された出雲鎮守(土地・地域を守る)の神様です。
10年に一度の日本三大船神事(通称ホーランエンヤ)は、松江藩主・松平直正公が、不作を危惧し五穀豊穣を祈念するため、城山にある稲荷神社の御神霊をわざわざ ここ阿太加夜神社に船渡御して7日間にも延ぶ大祭を斉行したのが始まりです。
現在まで350余年続く式年神幸祭で境内には神幸祭にちなんだ霊験あらたかな松岡兵庫頭(まつおかひょうごのかみ)をお祀りした社があります。
配神には須佐之男命(スサノオ)をはじめ、国之底立命(クニノソコタチ)・淑母陀流命(オモダル)・阿志古泥命(アシコネ)の天神を祀り、末社は稲荷神社・雨風神社。
境内の面足山(おもたるやま)には、国引き神話の意宇の社(おうのもり)・八束水臣津(ヤツカミズオミヅノ)の碑・河童伝説の碑・万葉集歌人・門部大臣の碑などがあります。
祭神
阿太加夜神社の祭神は以下の通りです。
【主祭神】
・阿太加夜奴志多岐喜比賣命(アダカヤヌシタキキヒメ):オオナムチの御子神とされる
→ 由緒書によれば、阿太加夜(現在の出雲郷)の主であり、出雲の鎮守神であるとされる
【配祀神】
・國之底立命(クニノソコタチ):国之常立神(クニノトコタチ)の別名とされる
→ 国常立命(クニノトコタチ):天地開闢の後に生まれた国土神とされ、神話の中で最も古い神に当たる
・須佐之男命(スサノオ):三貴子の一柱で出雲の祖神(天照大神の弟神に当たる)
・淑母陀流命(オモダル):神世七代の6代目に当たる男神(アヤカシコネと対になる神)
・阿志古泥命(アヤカシコネ):神世七代の6代目に当たる女神(オモダルと対になる神)
・阿太加夜奴志多岐喜比賣命(アダカヤヌシタキキヒメ):オオナムチの御子神とされる
→ 由緒書によれば、阿太加夜(現在の出雲郷)の主であり、出雲の鎮守神であるとされる
【配祀神】
・國之底立命(クニノソコタチ):国之常立神(クニノトコタチ)の別名とされる
→ 国常立命(クニノトコタチ):天地開闢の後に生まれた国土神とされ、神話の中で最も古い神に当たる
・須佐之男命(スサノオ):三貴子の一柱で出雲の祖神(天照大神の弟神に当たる)
・淑母陀流命(オモダル):神世七代の6代目に当たる男神(アヤカシコネと対になる神)
・阿志古泥命(アヤカシコネ):神世七代の6代目に当たる女神(オモダルと対になる神)
境内社
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阿太加夜神社の境内社は以下の通りです。
・稲荷神社:宇迦之魂命を祀る
・雨風神社:奥津彦命、奥津姫命、級長津彦命、級長津姫命を祀る
・兵庫神社:松岡兵庫頭を祀る
・雨風神社:奥津彦命、奥津姫命、級長津彦命、級長津姫命を祀る
・兵庫神社:松岡兵庫頭を祀る
関連知識
特殊神事 ホーランエンヤ
ホーランエンヤとは、島根県松江市で10年に1度、当地の五穀豊穣と産業の発展を祈願して開催される城山稲荷神社と阿太加夜神社の特殊神事であり、日本三大船神事に数えられています。
神事の内容は、城山稲荷神社の御神体を乗せた船団が大橋川から意宇川を経由して阿太加夜神社に渡る「渡御祭」、阿太加夜神社で櫂伝馬奉納などが行われる「中日祭」、御神体を乗せた船団が再び城山稲荷神社に還る「還御祭」の三つで構成されています。
この神事の起源は、慶安元年(1648年)に出雲国が風雨の被害を受けて大凶作となったため、松江藩主・松平直政が城山稲荷神社の御神体を船に載せて阿太加夜神社まで運び、五穀豊穣を祈願する祭礼を行ったことに始まるとされています。
以後、13年または12年ごとに斎行されるようになり、現在では10年ごとに行われるようになったそうです。このため、阿太加夜神社の境内にはホーランエンヤで使われる船が安置されています(次回は2019年)。
なお、案内板では以下のように説明されています。
【特殊神事(ホーランエンヤ・日本三大船神事)】
松江城山稲荷神社の御神輿を、芦高(阿太加夜)神社の本殿に迎えて一週間 出雲の国の五穀豊穣と産業の発展を御祈願する祭りである。
慶長12年、堀尾氏が築城を始めた。芦高の神主・松岡兵庫頭(芦高兵庫神社の祭神)は二夜三日の祈願を行い、鎮守八幡の祭事を執り行った。
寛永15年、堀尾氏が築城してから約20年後、信州松本から松平直政公が松江に入城した。入城後10年目に当たる年は風雨が多く、五穀がよく実らなかった。そこで城内稲荷大明神を芦高神社に勧請して、五穀豊穣を祈願した。正保4年の事である。
以来、13年毎、又は12年毎に斉行され出雲国五穀豊穣と産業の発展を祈願してきた。
文化5年の神幸祭の際、浪風激しく馬潟沖において神輿船が危険な状態となった時、馬潟の漁師達が船を出し、これをよく援助して無事 芦高神社に御案内した。
これが櫂伝馬船の始まりであり、文化元年の神幸祭より馬潟組の人達は引船の役を承り、矢田組、大井組、福富組、大海崎組の五組が揃って奉仕するようになった。
松江城山稲荷神社の御神輿を、芦高(阿太加夜)神社の本殿に迎えて一週間 出雲の国の五穀豊穣と産業の発展を御祈願する祭りである。
慶長12年、堀尾氏が築城を始めた。芦高の神主・松岡兵庫頭(芦高兵庫神社の祭神)は二夜三日の祈願を行い、鎮守八幡の祭事を執り行った。
寛永15年、堀尾氏が築城してから約20年後、信州松本から松平直政公が松江に入城した。入城後10年目に当たる年は風雨が多く、五穀がよく実らなかった。そこで城内稲荷大明神を芦高神社に勧請して、五穀豊穣を祈願した。正保4年の事である。
以来、13年毎、又は12年毎に斉行され出雲国五穀豊穣と産業の発展を祈願してきた。
文化5年の神幸祭の際、浪風激しく馬潟沖において神輿船が危険な状態となった時、馬潟の漁師達が船を出し、これをよく援助して無事 芦高神社に御案内した。
これが櫂伝馬船の始まりであり、文化元年の神幸祭より馬潟組の人達は引船の役を承り、矢田組、大井組、福富組、大海崎組の五組が揃って奉仕するようになった。
境内の見どころ
神門(随神門)
阿太加夜神社の神門です。
随神が向かい合わせに祀られています。
拝殿
阿太加夜神社の拝殿です。
本殿
阿太加夜神社の本殿です。
藁の龍蛇
阿太加夜神社にある藁の龍蛇です。
龍蛇信仰に関わるものとされ、境内の左右の大木に阿吽の形で祀られています。
ホーランエンヤの船
阿太加夜神社の境内には、ホーランエンヤで使用される船が安置されています。
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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