静之窟 [島根県]
2017/12/07
島根県大田市にある静之窟(しずのいわや)です。
大田市の天然記念物に指定されている海食洞で、神代に大国主と少彦名が仮宿としたという伝説があります。
また、静間神社の旧鎮座地であり、万葉集にも当地にまつわる和歌が残されているそうです。
静之窟の概要
静之窟とは?
静之窟(しずのいわや)とは島根県大田市静間町魚津の海岸にある海食洞で、案内板によれば 洞窟の規模は奥行380・幅18m・高さ16mとされており、2つの入口があって内部中央には万葉歌碑が建てられています(大田市指定天然記念物)。
歴史は古く、「神代にオオナムチ・スクナヒコナの二神が国土経営の際の仮宿とした」という神話があり、『万葉集』に「大汝(おおなむち) 少彦名(すくなひこな)の いけましむ 志都(しづ)の石室(いわや)は 幾代経(いくよへ)ぬらぬ」と詠まれた生石村主真人の和歌が載せられています。
また、平安時代の仁和2年(886年)には洞窟内に静間神社が創建され、江戸初期までは洞窟の前に滝の前千軒という集落もあったとされています。しかし、明暦2年(1656年)の大津波によって海中に没してしまったため、静間神社は延宝2年(1674年)に付近の丘上にある垂水地区に遷座して今に至っています。
なお、案内板による説明は以下の通りです。
【静之窟沿革】
静之窟(しずのいわや)は『万葉集』巻二に「大なむち 少彦名の いましけむ 志都の岩屋は 幾代経ぬらむ(生石村主真人)」と歌われ、大巳貴命・少彦名命の二神が国土経営の際に仮宮とされた神話の洞窟である。
江戸初期まで洞窟の前には滝の前千軒という集落があったが、明暦2年(1656年)4月の大津波で一瞬にして海中に没したと伝えられる。窟内は奥行45メートル、横幅30メートル、高さ15メートルほどあり、中央に万葉歌碑が建てられている。
近くの垂水集落には、大巳貴命・少彦名命の二神を祀る静間神社がある。
静之窟(しずのいわや)は『万葉集』巻二に「大なむち 少彦名の いましけむ 志都の岩屋は 幾代経ぬらむ(生石村主真人)」と歌われ、大巳貴命・少彦名命の二神が国土経営の際に仮宮とされた神話の洞窟である。
江戸初期まで洞窟の前には滝の前千軒という集落があったが、明暦2年(1656年)4月の大津波で一瞬にして海中に没したと伝えられる。窟内は奥行45メートル、横幅30メートル、高さ15メートルほどあり、中央に万葉歌碑が建てられている。
近くの垂水集落には、大巳貴命・少彦名命の二神を祀る静間神社がある。
【静之窟】
静之窟は、万葉集に歌われた洞窟で、奥行380・幅18m・高さ16m、中央には生石村主真人(おいしのすぐりまひと)が詠んだ
大汝(おおなむち) 少彦名(すくなひこな)の いけましむ 志都(しづ)の石室(いわや)は 幾代経(いくよへ)ぬらぬ
の歌碑が建っている(書は千家尊福、高さ3m)。「静之窟」の題字は徳川家達である。
大己貴命、少彦名命の二神が洞窟内に祀られていたが、幾度かの高波被害で、一度は魚津集落内に遷座したと伝える。その後、延宝2年(1674年)6月、大雨による山崩れが発生し、社殿が大破したため、垂水山に再遷座したと伝え、現在、同地に式内社の静間神社がある。
洞内の内壁や天井には、主として軽石質の火砕岩が露出しており、ほぼ南北方向に走る節理や小断層が何本か見られる。窟は浸食に弱い部分が これらの弱線に沿って選択的に波食が進んだ結果 生じた海食洞である。
静之窟は、万葉集に歌われた洞窟で、奥行380・幅18m・高さ16m、中央には生石村主真人(おいしのすぐりまひと)が詠んだ
大汝(おおなむち) 少彦名(すくなひこな)の いけましむ 志都(しづ)の石室(いわや)は 幾代経(いくよへ)ぬらぬ
の歌碑が建っている(書は千家尊福、高さ3m)。「静之窟」の題字は徳川家達である。
大己貴命、少彦名命の二神が洞窟内に祀られていたが、幾度かの高波被害で、一度は魚津集落内に遷座したと伝える。その後、延宝2年(1674年)6月、大雨による山崩れが発生し、社殿が大破したため、垂水山に再遷座したと伝え、現在、同地に式内社の静間神社がある。
洞内の内壁や天井には、主として軽石質の火砕岩が露出しており、ほぼ南北方向に走る節理や小断層が何本か見られる。窟は浸食に弱い部分が これらの弱線に沿って選択的に波食が進んだ結果 生じた海食洞である。
アクセス
静之窟は、静間神社から坂を下ったところにある魚津海岸に位置しています。
静間神社付近には方向支持板が多数あり、これに従って進めばたどり着けると思います。
周辺の道は狭くて勾配のある坂道で、頃合いの駐車スペースも無いため、自動車で向かうのは困難です。
そのため、車で向かう際には、静間神社付近に駐車して徒歩で向かうのが良いと思われます。
なお、Googleマップにも表示されており、大まかな位置は参照することができます。
周辺の見どころ
魚津海岸
静之窟付近の魚津海岸です。
静之窟入口
静之窟の入口です。
左右に2つの入口があり、左の入口には鳥居が配置されています。
なお、洞窟内は落盤の危険があるため、入口には立入禁止のロープが張られています。
左の穴
静之窟の左の穴の様子です。
鳥居には「静之窟」と書いてあります。
右の穴
静之窟の右の穴の様子です。
石碑
静之窟の岩肌にある石碑です。
内部の歌碑
静之窟の内部には歌碑が安置されています。
歌碑の書は千家尊福、題字は徳川家達によって書かれたそうです。
静間神社
静之窟付近の丘上には静間神社があります。
元々静之窟に祀られていた神社で、江戸時代に現在地に遷ったとされています。
なお、現在は大己貴命・少彦名命・他6柱の神を祀っています。
詳しくはこちらの記事を参照:【静間神社】
スポンサーリンク
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
スポンサーリンク
コメント
0 件のコメント :
コメントを投稿