椎尾八幡宮 [山口県]
2018/11/25
山口県岩国市にある椎尾八幡宮(しいのおはちまんぐう)です。
江戸時代に創建された八幡宮で、祭神に誉田別命・足仲彦命・息長帯比売命・猿田彦神を祀っています。
前進となる猿田彦神の社祠には様々ないわれがあるので、由緒を読むと面白いです。
また、境内では変わった石像も見られます。
神社概要
由緒
由緒書によれば、当社は寛永3年(1626年)に岩国領第2代領主・吉川広正が吉川氏の守護神である駿河八幡宮(静岡市清水区)の神霊を現地に奉遷したことに始まり、同時に古くからあった猿田彦神の社祠を合祀したものとされています。
なお、駿河八幡宮は駿河国の豪族であった吉川氏の始祖・吉川経義が、文治2年(1186年)に鎌倉の鶴岡八幡宮から神霊を勧請したことに始まるとされ、猿田彦神の社祠は太古より岩国山東北の谷の椎尾と称する地域にあり、伝えによれば「天孫降臨の時、猿田彦神が瓊々杵尊を道案内して岩国山を通過する際に伊勢ヶ丘の峯にしばらく腰を掛けた」と云われていることから、古くから道中安全の守護神として旅人に崇められていたそうです。
また、猿田彦神の社祠には別の逸話もあり、文明12年(1480年)に連歌師である宗祇法師が諸国行脚の途中で岩国山に差し掛かった時に無礼を働いたところ、乗っていた馬がにわかに倒れて前に進まなくなったので、困った宗祇が里人に相談すると「この神は諸神に増して人の不浄不敬をとがめるので、神慮に添わない振る舞いをしたのであれば誤って祈るべし」といわれたことから、宗祇は神前にて額をついて誓願誠心を尽くすと、不思議と馬が前に進むようになったとされます。なお、この際に宗祇は「周防なる 岩国山を 越えむ日は 手向けよくせよ 荒木楚の神」と詠んだことから、これより猿田彦神は「荒競の神(あらきそのかみ)」とも呼ばれるようになり、社も荒木曽神社とも称されるようになったそうです。
この後、吉川広正によって八幡大神と合祀されて椎尾八幡宮と称されるようになり、以降は吉川歴代藩主より代々厚く崇敬され、さらに岩国藩の万民の鎮護社、当町の産土神として崇敬されて現在に至るとされています。
祭神
椎尾八幡宮の祭神は以下の通りです。
【主祭神】
・誉田別命(ホムタワケ):応神天皇の別名
→ 応神天皇(おうじんてんのう):第15代天皇であり、八幡神として全国の八幡宮などで祀られる
・足仲彦命(タラシナカツヒコ):仲哀天皇の別名
→ 仲哀天皇(ちゅうあいてんのう):第14代天皇であり、八幡宮で祀られることが多い(后・神功皇后、子・応神天皇)
・息長帯比売命(オキナガタラシヒメ):神功皇后の別名
→ 神功皇后(じんぐうこうごう):仲哀天皇の皇后であり、応神天皇の母に当たる
【相殿神】
・猿田彦神(サルタヒコ):天孫・瓊々杵尊が降臨した際に道案内した神
→ 当社では荒競の神(あらきそのかみ)とも呼ばれる
・誉田別命(ホムタワケ):応神天皇の別名
→ 応神天皇(おうじんてんのう):第15代天皇であり、八幡神として全国の八幡宮などで祀られる
・足仲彦命(タラシナカツヒコ):仲哀天皇の別名
→ 仲哀天皇(ちゅうあいてんのう):第14代天皇であり、八幡宮で祀られることが多い(后・神功皇后、子・応神天皇)
・息長帯比売命(オキナガタラシヒメ):神功皇后の別名
→ 神功皇后(じんぐうこうごう):仲哀天皇の皇后であり、応神天皇の母に当たる
【相殿神】
・猿田彦神(サルタヒコ):天孫・瓊々杵尊が降臨した際に道案内した神
→ 当社では荒競の神(あらきそのかみ)とも呼ばれる
境内社
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椎尾八幡宮の境内社は以下の通りです。
・稲荷社:宇迦之御魂神を祀る
・荒神社:猿田彦大神を祀る
・伊勢宮
・厳島社:市杵嶋姫神を祀る
・祇園社:素盞鳴尊・櫛稲田姫神・八柱御子神を祀る
・春日社:武甕槌命・経津主命・天児屋根命・比売神を祀る
・恵比須社:事代主神・大国主神を祀る
・金刀比羅社:大物主神を祀る
・天神社:菅原道真公を祀る
・荒神社:猿田彦大神を祀る
・伊勢宮
・厳島社:市杵嶋姫神を祀る
・祇園社:素盞鳴尊・櫛稲田姫神・八柱御子神を祀る
・春日社:武甕槌命・経津主命・天児屋根命・比売神を祀る
・恵比須社:事代主神・大国主神を祀る
・金刀比羅社:大物主神を祀る
・天神社:菅原道真公を祀る
境内の見どころ
鳥居
椎尾八幡宮の鳥居です。
石段
椎尾八幡宮の石段です。
拝殿までは、そこそこ長い道のりとなっています。
舞殿
椎尾八幡宮の舞殿です。
安産犬
椎尾八幡宮の安産犬の像です。
いわれについてはよくわかりませんでした。
狛犬
椎尾八幡宮の狛犬です。
鉢巻をした独特な様相の狛犬で、足を撫でると自分の足も軽くなるそうです。
烏天狗の石像
椎尾八幡宮の烏天狗の石像です。
相殿に祀られている猿田彦神の親衛として祀られています。
境内
椎尾八幡宮の境内全景です。
拝殿
椎尾八幡宮の拝殿です。
当社は藩政時代から国司祭を仰せつかっていた社であることから国司社とも呼ばれているそうです。
自祓幣
椎尾八幡宮の自祓幣です。
幣を使って自分でお祓いすることができます。
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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