人文研究見聞録:飛鳥の蘇(古代のチーズ) [奈良県]

奈良県飛鳥地方の名物「飛鳥の蘇(あすかのそ)」です。

日本生まれの古代のチーズと謳われており、牛乳を特殊な方法で煮詰めて作られたものだそうです。栄養価が高く、古代は薬草とともに薬として食されていたともされています。


概要

人文研究見聞録:飛鳥の蘇(古代のチーズ) [奈良県]
人文研究見聞録:飛鳥の蘇(古代のチーズ) [奈良県]

飛鳥の蘇(あすかのそ)とは、牛乳を煮詰めて作るチーズの一種であり、一説によれば文武天皇の時代(7~8世紀)に作られていたという記録があり、典薬寮の乳牛院という機関で生産されていたとされています。

なお、生産地に関しては 主に摂津国・味原の乳牛牧(典薬寮に所属)および、牛の飼育が盛んであった東国で生産されていたそうです(『延喜式』に東国の国々が蘇を献納している記録があるとされる)。

また、古くは神饌としても使われていたとされ、薬としては美容や不老長寿にも期待されていたと考えられています。

感想

人文研究見聞録:飛鳥の蘇(古代のチーズ) [奈良県]
人文研究見聞録:飛鳥の蘇(古代のチーズ) [奈良県]

飛鳥の蘇は、不自然な甘みなどは無く、牛乳本来の風味が濃縮されているような味がします。

また、表面サクッ、中はシットリというよう奇妙な食感でもあります。

発酵乳ならではのコクと風味もしっかり残っており、チーズが好きな人の口には合うと思います。

また、ワインなんかのおつまみにも最適な珍味と言えますね!

値段は一箱1,080円(税込)と少々値が張りますが、話のタネにはなると思います。

ですので、飛鳥地方に訪れた際にはぜひ食べてもらいたい一品ですね。

ちなみに飛鳥寺の前のお土産屋さんでは試食をすることもでき、通信販売もされているようです。

matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。