和歌山県新宮市にある熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)です。

熊野速玉大神熊野夫須美大神を主祭神とする熊野三山の一社であり、世界遺産にも登録されています。


神社概要

由緒

由緒書によれば、当社は神倉山に鎮座するゴトビキ岩(天ノ磐盾)を御神体とする自然崇拝を起源としており、ゴトビキ岩に降臨した熊野三神(熊野速玉大神・熊野夫須美大神・家津美御子大神)を、景行天皇58年(128年)に建立した神殿に祀ったことに始まるとされます。

なお、由緒書による説明は以下の通りです。

熊野速玉大社の御由緒

熊野速玉大社は悠久の彼方、熊野信仰の原点・神倉山の霊石ゴトビキ岩(天ノ磐盾)を御神体とする自然崇拝を源として、この天ノ磐盾に降臨せられた熊野三神を、景行天皇58年の御代(西暦128年)に初めて瑞々しい神殿を建てて お迎えしたことに創始いたします。

我々の祖先は、美し国熊野に坐します この真新しい新宮に大自然の恵みを献じて神々を斎き祀り、感謝を畏敬の心を込めて祈りを捧げながら、最も神社神道の特色ともいうべき清め祓いを実践してまいりました。

このように、原始信仰から神社神道へと信仰の形を整えていった厳儀を、未来永劫にわたり顕彰し続ける精神を以って「新宮」と号する由縁であります。

この尊称は、まさに熊野速玉大社が天地(あめつち)を教典とする自然信仰の中から誕生した悠久の歴史を有すことの証といえるでしょう。

中世、熊野御幸は140度を仰ぎ、第46代孝謙天皇より「日本第一大霊験所」の勅額を賜り、また1200点を数える国宝古神宝類が奉納され、全国に祀る熊野神社の総本宮として厚い信仰を集めております。

また、境内には熊野は信仰の象徴たる「梛(なぎ)の大樹」が繁り、熊野神宝館や熊野詣を物語る「熊野御幸碑」などがあります。

熊野信仰についてはこちらを参照:【熊野信仰とは?】

祭神

熊野速玉大社の祭神は以下の通りです。

・第一殿(結宮):熊野夫須美大神(熊野結大神、イザナミ)
・第二殿(速玉宮):熊野速玉大神(イザナギ)
・第三殿(証誠殿):家津美御子大神(スサノオ)・国常立命(クニノトコタチ)
・第四殿(若宮):天照大神(アマテラス)
・第五殿(神倉宮):高倉下命(タカクラジ)
・第六殿(禅児宮):天忍穂耳命(アメノオシホミミ)
・第七殿(聖宮):瓊々杵命(ニニギ)
・第八殿(児宮):彦火火出見命(ヒコホホデミ)
・第九殿(子守宮):鵜葺草葺不合命(ウガヤフキアエズ)
・第十殿(一万宮・十万宮):国狭槌命(クニサツチ)・豊斟渟命(トヨクモヌ)
・第十一殿(勧請宮):泥土煮命(ウイジニ)
・第十二殿(飛行宮):大斗之道命(オオトノジ)
・第十三殿(米持宮):面足命(オモダル)

関連社

境外摂社・神倉神社


熊野速玉大社の境外摂社・神倉神社です。

当社から南に徒歩20分程度の場所に位置しており、神社の立つ神倉山の山頂にはゴトビキ岩が安置されています。

詳しくはこちらの記事を参照:【神倉神社】

境内社

手力男神社・八咫烏神社
新宮神社・熊野恵比寿神社

熊野速玉大社の境内社は以下の通りです。

・熊野稲荷神社:稲荷神を祀る
・手力男神社:天之手力男命(タヂカラオ)を祀る
・新宮神社:新宮町内の末社の神々を合祀
・熊野恵比寿神社:蛭児大神(ヒルコ)を祀る
・八咫烏神社:建角見命(タケツノミ)を祀る
・奥御前三神殿:天之御中主神・高皇産靈神・神皇産靈神を祀る

境内の見どころ

鳥居


熊野速玉大社の鳥居です。

神門


熊野速玉大社の神門です。

熊野神宝館


熊野速玉大社の熊野神宝館です。

当社に納められた国宝・神宝の類を拝見することができます(有料500円)。

梛の大樹


熊野速玉大社の梛の大樹です。

拝殿


熊野速玉大社の拝殿です。

太めの注連縄が掛けられています。

鈴門


熊野速玉大社の鈴門です。

この奥に本殿が控えています。

熊野牛王符


熊野速玉大社の牛王符(ごおうふ)です。

野三山で配布される特殊な神札であり、護符や誓約書として用いられるそうです。

料金: 無料
住所: 和歌山県新宮市上本町1丁目1(マップ
営業: 終日開放(神宝館:9:00~16:00)
交通: 新宮駅(徒歩17分)

公式サイト: http://kumanohayatama.jp/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。