三保の松原 [静岡県]
2015/01/27
静岡県静岡市清水区にある三保の松原(みほのまつばら)です。
松林が生い茂る海浜や、富士山や伊豆半島の美しい眺めで有名な景勝地であり、世界遺産にも登録されています。
なお、その歴史は古く、『万葉集』には既に三保の松原を舞台にして詠まれた和歌が載せられています。
また、「羽衣伝説」も残っており、その伝説に出てくる羽衣の切れ端は付近の御穂神社に保存されていると云われています。
基本的に無料で楽しめる場所なので、気軽に有意義な時間を過ごせる場所として とてもオススメです。
※画像はウィキメディア・コモンズよりパブリックドメインの画像を拝借させていただいています。
概要
アクセスと周辺の様子
まず、三保の松原の交通について、自動車で行く場合は三保海岸の目の前まで行くことになり、バスで行く場合はちょっと離れた位置に降ろされることになります(御穂神社寄り)。
バスで向かった場合、「御穂神社」を目指して行くと迷わずに辿りつけます。そして、海岸と神社を繋ぐ「神の道」を通っていけば松原の生茂る「三保の松原」に到着します。
三保の松原には「羽衣の松」や「富士山」「羽車神社」など多数の見どころが点在しています。駐車場にはアクセスマップの描かれた案内板があるので、それを参考にすれば色々な見どころを確認することができます(下記に紹介)。
なお、「神の道」付近から既にお土産屋があり、駐車場および海岸の中にも茶屋があります(御当地グルメの静岡おでんなども楽しむことができます)。
羽衣伝説
三保の松原にある「羽衣の松」には、以下の様な伝説があるとされています。
昔、三保に白龍(はくりょう、伯良とも)という名の漁師がいました。
その白龍が三保の松原で釣りをしていると、海原に浮かぶ春の富士はとりわけ美しく見えて、どこからともなく良い香りがしてきました。そこで、香りに惹かれて行ってみると、松原の一本の松に見たこともない美しい衣が掛かって風に揺れていました。
その衣に魅入られた白龍は、それを持ち帰って家の宝にしようとすると「それは私の着物です」との声が聞こえました。
そして、声の先には美しい女の人が立っており、「私は天女です。その衣は羽衣といって貴方がたにはご用のないものです。どうぞ返して下さい。それがないと天に帰れません」と言われました。
白龍はそれを天の羽衣と知って とても驚きましたが、天女の悲嘆にくれた姿を見て羽衣を返す気持ちになりました。
そこで、白龍は「返すかわりに天人の舞を舞って下さい」と頼むと、天女は喜んで承知しましたが「羽衣がないと舞が舞えません。まず羽衣を返して下さい」と言いました。
そのとき、白龍はふと「衣を返せば、天女は舞を舞わずに帰ってしまうのではないか」と考えると、天女は「疑いや偽りは人間の世界のことで天上の世界にはございません」とキッパリと答えました。
この言葉に白龍は自分がすっかり恥ずかしくなり、すぐに天女に衣を返すと、天女は羽衣を身にまとって優雅に袂を翻し、舞いを舞いはじめました。そのとき、どこからともなく笛や鼓の音が聞こえ、良い香りが立ちこめました。
この舞に白龍が見とれている内に、天女はふわりふわりと天へに上り、みるみる内に愛鷹山から富士の高嶺へと霞に紛れて消えていきました。
その白龍が三保の松原で釣りをしていると、海原に浮かぶ春の富士はとりわけ美しく見えて、どこからともなく良い香りがしてきました。そこで、香りに惹かれて行ってみると、松原の一本の松に見たこともない美しい衣が掛かって風に揺れていました。
その衣に魅入られた白龍は、それを持ち帰って家の宝にしようとすると「それは私の着物です」との声が聞こえました。
そして、声の先には美しい女の人が立っており、「私は天女です。その衣は羽衣といって貴方がたにはご用のないものです。どうぞ返して下さい。それがないと天に帰れません」と言われました。
白龍はそれを天の羽衣と知って とても驚きましたが、天女の悲嘆にくれた姿を見て羽衣を返す気持ちになりました。
そこで、白龍は「返すかわりに天人の舞を舞って下さい」と頼むと、天女は喜んで承知しましたが「羽衣がないと舞が舞えません。まず羽衣を返して下さい」と言いました。
そのとき、白龍はふと「衣を返せば、天女は舞を舞わずに帰ってしまうのではないか」と考えると、天女は「疑いや偽りは人間の世界のことで天上の世界にはございません」とキッパリと答えました。
この言葉に白龍は自分がすっかり恥ずかしくなり、すぐに天女に衣を返すと、天女は羽衣を身にまとって優雅に袂を翻し、舞いを舞いはじめました。そのとき、どこからともなく笛や鼓の音が聞こえ、良い香りが立ちこめました。
この舞に白龍が見とれている内に、天女はふわりふわりと天へに上り、みるみる内に愛鷹山から富士の高嶺へと霞に紛れて消えていきました。
※この伝説には、いくつかのバリエーションがあるようです。
周辺の見どころ
松原
三保の松原です。
海岸には約3万699本の松が生い茂っていると言われています。
羽衣の松
三保の松原にある羽衣の松です。
御穂神社の御神体で、祭神の三穂津彦命(大国主命)・三穂津姫命が降臨する際の依り代とされています。
ちなみに現在は3代目で、初代は羽衣伝説において天女が羽衣を掛けたと言い伝えられているそうです(現存せず)。
三保海岸
三保の松原に三保海岸です。
砂浜からは富士山を眺めることができます。
羽車神社
三保の松原にある羽車神社です。
御穂神社の離宮であり、神が羽車に乗って三保の浦に降臨したことに因んでいるそうです。
神の道
三保の松原にある神の道です。
御穂神社までの参道であり、道の両側には美しい松並木が立ち並んでいます。
御穂神社
三保の松原にある御穂神社(みほじんじゃ)です。
古くから三保の中心に鎮座する神社として知られ、「羽衣伝説」における羽衣の切れ端が保存されているそうです。
御穂神社についてはこちらの記事を参照:【御穂神社(三保大明神)】
伯良神社
三保の松原の付近にある伯良神社です。
羽衣伝説に登場する漁夫「伯良(白龍)」の屋敷跡に建てられた神社とされています。
料金: 無料
住所: 静岡県静岡市清水区三保(マップ)
営業: 終日開放、無休
交通: JR清水駅西口より三保方面行バス「三保松原入口」下車(乗車約25分、徒歩約10分)
公式サイト: http://hellonavi.jp/shizuoka/shimizu_cv/shisetsu/1357.html
住所: 静岡県静岡市清水区三保(マップ)
営業: 終日開放、無休
交通: JR清水駅西口より三保方面行バス「三保松原入口」下車(乗車約25分、徒歩約10分)
公式サイト: http://hellonavi.jp/shizuoka/shimizu_cv/shisetsu/1357.html
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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