御穂神社(三保大明神) [静岡県]
2015/01/28
静岡県静岡市清水区三保にある御穂神社(みほじんじゃ)です。
三保の松原の付近に鎮座しており、三保海岸から続く「神の道」は神社への参道となっています。
また、松原の「羽衣の松」に関係する神社として有名なんだそうです。
※画像はウィキメディア・コモンズよりパブリックドメインの画像を拝借させていただいています。
神社概要
由緒
創建年代は不明とされますが、『駿河雑志』には日本武尊(ヤマトタケル)が勅命により社領を寄進したとあり、また出雲国の御穂埼(島根県松江市美保関町)から遷座した神であるという伝承もあるとされますが、具体的には明らかにされていないようです。
しかし、古くから三保の中心に鎮座する神社として知られ「三保大明神」と称されたとも云われています。そして、国土開発の神、海の神と崇められると共に、天から天女が舞い降りた「羽衣伝説」ゆかりの社としても有名であり、朝野の崇敬を集めた延喜式内社であるとされています。
なお、かつては天神森という地に祀られており、中世以降は武士の篤い崇敬を集めたとされています。しかし、大永2年(1522年)に細川弾正忠孝範の兵火に罹り、200mほど離れた現在地に遷座されたそうです。
その後、慶長年間(1596~1615年)には、徳川幕府によって壮大な社殿群を寄進したとされますが、寛文8年(1668年)の落雷のために消失したとされ、現在の社殿は後に仮宮として建てられたものとされています。
また、神社ゆかりの祭礼である筒粥神事(つつがゆしんじ)では、海岸において神迎えの儀式が行われ、その際に神の依りついた神籬が松並木を通って境内にもたらされることから、御穂神社の祭祀は海の彼方の「常世国」から神を迎える常世信仰にあると考えられているそうです。
祭神
御穂神社の祭神は以下の通りです。
主祭神
・大己貴命(オオナムチ):大国主の別名であり、「三穂津彦命(ミホツヒコ)」ともいう
→ 建御名方命・三保須々美命であるという説もあるとされる
・三穂津姫命(ミホツヒメ)
・大己貴命(オオナムチ):大国主の別名であり、「三穂津彦命(ミホツヒコ)」ともいう
→ 建御名方命・三保須々美命であるという説もあるとされる
・三穂津姫命(ミホツヒメ)
なお、「羽衣の松」は御神体であり、三穂津彦命(大国主命)・三穂津姫命が降臨する際の依り代とされています。
羽衣伝説
御穂神社の御神体である「羽衣の松」には、以下の様な伝説があるとされています。
その昔、三保の松原のとある松の枝に美しい衣が掛かっていました。
漁夫の伯梁(はくりょう)が持って帰ろうとすると、どこからともなく天女が現れ「それは私のものだから返してほしい」と言いました。
伯梁が「それなら、尚更返すわけにはいかない」と言うと、天女は「天に帰れない」と嘆き悲しみました。
伯梁は「天人の舞」を見せることを条件に羽衣を返すと、天女は喜んで舞を舞って見せましたが、やがて霧の彼方に消えてしまいたといいます。
漁夫の伯梁(はくりょう)が持って帰ろうとすると、どこからともなく天女が現れ「それは私のものだから返してほしい」と言いました。
伯梁が「それなら、尚更返すわけにはいかない」と言うと、天女は「天に帰れない」と嘆き悲しみました。
伯梁は「天人の舞」を見せることを条件に羽衣を返すと、天女は喜んで舞を舞って見せましたが、やがて霧の彼方に消えてしまいたといいます。
境内社・関連社
子安神社
御穂神社の境内社である子安神社です。
祭神に須佐之男命(スサノオ)、稲田姫命(イナダヒメ)を祀っています。
末社五社
御穂神社の舞殿東の末社です。その左からの内訳は以下の通りです。
・磯前神社:少彦名神を祀る
・呉服之神社:長白羽命を祀る
・産霊神社:高皇産霊命、神皇産霊命を祀る
・胡夫大夫神社:事代主命を祀る
・稲荷神社:宇迦之御魂神、大宮姫神、太田命を祀る
・呉服之神社:長白羽命を祀る
・産霊神社:高皇産霊命、神皇産霊命を祀る
・胡夫大夫神社:事代主命を祀る
・稲荷神社:宇迦之御魂神、大宮姫神、太田命を祀る
末社三社
御穂神社の舞殿西の末社です。その左からの内訳は以下の通りです。
・八幡神社:応神天皇
・八雲神社:須佐之男命
・神明社:天照大神
・八雲神社:須佐之男命
・神明社:天照大神
羽車神社
御穂神社の離宮である羽車神社です。羽衣の松の近くに鎮座しています。
創建年代は不詳とされますが、羽車に乗って三保の浦に降臨した神を国土和平のために御穂神社に遷座し、離宮として羽車神社が設けられたと伝えられ、江戸時代には「羽車磯田社」と呼ばれていたとされています。
なお、祭神は本社と同様に三穂津彦命(大国主命)と三穂津姫命とされています。
境内の見どころ
鳥居
御穂神社の鳥居です。
参道(神の道)
御穂神社の参道です。
海岸から続く松並木であり、羽衣の松に降臨した神の通り道であるため「神の道」と呼ばれているそうです。
羽衣の松
三保の松原の羽衣の松は、御穂神社の御神体とされています。
拝殿
御穂神社の拝殿です。
本殿
御穂神社の本殿です。
入母屋造で、静岡市指定文化財に指定されています。
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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