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2015年2月17日火曜日

阿倍王子神社 [大阪府]

人文研究見聞録:阿倍王子神社 [大阪府]

大阪府大阪市阿倍野区にある阿倍王子神社(あべおうじじんじゃ)です。

社伝によれば、仁徳天皇によって創建されたと伝わる古社であり、中世には熊野神社の分霊社である九十九王子のひとつとして「阿倍王子(阿倍野王子)」と呼ばれたとされています。

なお、当地は平安時代の陰陽師・安倍晴明の生誕地とも伝わっているため、当社の境外社として安倍晴明神社が存在します(阿倍王子神社に隣接する形で鎮座している)。

また、当社の境内には、晴明の母とされる白狐・葛の葉を祀った葛之葉稲荷神社も鎮座しています。


由緒

当社の縁起絵巻『摂州東成郡阿倍権現縁記』によれば、第16代仁徳天皇の夢の中に熊野三山の使いである3足烏(八咫烏とも)が現れたため、仁徳天皇がその烏を捜させると、3足烏が当地(阿倍島という島があったとされる)にいたので、そこに神社を創建したことに始まるとされています(ただし、当地の豪族である阿倍氏によって建立されたという説もある)。

その後、平安初期の天長3年(826年)に空海(弘法大師)が淳和天皇の勅命によって当社に参詣し、疫難退散の祈祷を修して功を為したとされ、「疫病を治癒する寺」という意味の「痾免寺」という勅額を賜ったとされます。

なお、阿倍野の地は飛鳥時代の大化の改新以降、大和(現・奈良県桜井市)から移住してきた豪族・阿倍氏の本拠とされ、奈良時代には阿倍氏の氏寺として阿倍寺が建立されたそうです。この阿倍氏は有力な豪族であったため、阿倍寺の規模も口碑に「阿部寺千軒坊」と残されるほどの大寺だったとされています。

しかし、平安以降は朝廷における阿倍氏の勢力は衰えたため、氏寺であった阿倍寺も四天王寺に併合され、阿倍氏の氏神社だけが残されることになったそうです。

そして、熊野信仰が盛んになると、熊野までの街道に多くの熊野王子社が建てられるようになり、その街道に位置する阿倍氏の氏神社も熊野修験によって王子社の一つになったとされています。なお、阿倍野に鎮座するため「阿倍野王子」と呼ばれるようになったそうです。

その後、熊野信仰の衰退と共に多くの王子社が姿を消していったとされますが、当社は「阿倍野村の氏神」として信仰されていたため、現在では大阪府下で旧地に現存する唯一の王子社となっています。

祭神

阿倍王子神社の祭神は以下の通りです。

主祭神

・伊邪那岐命(イザナギ):熊野権現の一柱
・伊邪那美命(イザナミ):熊野権現の一柱
・速素盞鳴命(ハヤスサノオ):熊野権現の一柱
・応神天皇(おうじんてんのう):八幡大神であり、品陀別命(ホンダワケ)とも
 → 明治40年に元東区安土町3丁目に鎮座する男山八幡宮より合祀した

王子社とは?

王子社(おうじしゃ)とは、中世に熊野修験によって急速に組織された一群の神社であり、京から大坂を経て熊野信仰の聖地である和歌山県の熊野三山へと繋がる熊野街道に沿って建てられていったとされています。

なお、王子社の機能は「熊野詣の途中の休憩所」および「熊野三山への遥拝所」であったとされ、「九十九王子(くじゅうくおうじ)」もしくは土地の名を採って「○○王子」と呼ばれていたとされています。

こちらの記事も参照:【熊野信仰とは?】

安倍晴明神社

人文研究見聞録:阿倍王子神社 [大阪府]

平安時代の陰陽師として知られる安倍晴明(あべのせいめい)は当地で誕生したと伝わっており、阿倍王子神社の横には安倍晴明を祀る「安倍晴明神社」が境内社として鎮座しています。

なお、安倍晴明神社は、晴明の子孫と称する保田家が社家として代々奉仕しているとされ、境内には晴明の像や、晴明の伝説上の父を祀る神社なども鎮座しています。

詳しくはこちらの記事を参照:【安倍晴明神社】

境内社

人文研究見聞録:阿倍王子神社 [大阪府]
総合末社
人文研究見聞録:阿倍王子神社 [大阪府]
葛之葉稲荷神社
人文研究見聞録:阿倍王子神社 [大阪府]
御烏社
人文研究見聞録:阿倍王子神社 [大阪府]
水神社

阿倍王子神社の境内社は以下の通りです。

・総合末社:天照大神・豊受大神・住吉大神・春日大神・金刀比羅大神・恵比須大神・天満大神・高良大神・由賀大神を祀る
・葛之葉稲荷神社:葛之葉稲荷大神・末広大神・萬直大神・玉姫大神・白玉大神・宝玉大神・玉照大神・日切大神・大高大神を祀る
 → 上記の祭神は全て稲荷大神(宇迦之御魂神)の別名とされる
 → 葛之葉姫(くずのはひめ)は安倍晴明の伝説上の母親の名で霊狐(白狐)であったと云われる
・御烏社(願掛け御烏):八咫烏大神(ヤタガラス)を祀る
 → 当社の縁起絵巻に由来する(由緒を参照)
・水神社:罔象女神・高龗神・闇龗神を祀る
 → 天地の水を司る神を祀る社
・玉菊稲荷神社:玉菊大明神・玉村大明神を祀る
 → 昭和11年4月の創祀
・神木:茂杜能木霊神・汰紀能木霊神・多摩能木霊神・波多能木霊神

料金: 参拝無料
住所: 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野元町9-4(マップ
営業: 終日開放(社務所 9:00~17:00)、無休
交通: 東天下茶屋駅(徒歩3分)、昭和町駅(徒歩13分)

公式サイト: http://abeouji.tonosama.jp/

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