人文研究見聞録:今宮戎神社 [大阪府]

大阪市浪速区にある今宮戎神社(いまみやえびすじんじゃ)です。

商売繁盛の神様「えべっさん」として知られており、毎年1月10日前後に十日戎が行われることで知られています。

また、商売繁盛の神社として「なにわ七幸めぐり」の1社にも数えられています。


神社概要

由緒

公式サイトによれば、推古天皇の御代(593年~)に聖徳太子が四天王寺を建立した際、同地の西方の鎮護として天照皇大神・事代主命・外三神が奉斎されたことに始まるとされています。

なお、当社はかつて海岸沿いにあったとされ、平安中期には朝役として宮中に鮮魚を進上していたとされます。また、物資の集まりやすい海辺では、海の幸や山の幸が物々交換される"市"が開かれることが多く、平安後期には当社でも四天王寺の西門に"浜の市"を開くようになり、その市の守り神として当社の戎神(えびす)が祀られるようになったそうです。

これ以後、当社の戎神(えびす)"福徳を授ける神・商業の繁栄を祈念する神"として信仰されるようになり、室町期以降は庶民の信仰がより篤くなり、江戸期に大阪が商業の町として繁栄を遂げると、当社は"大阪の商業の守り神"として篤く尊崇されるようになったとされています。

ちなみに、当社の北方にある廣田神社(祭神・撞賢木厳之御魂天疎向津媛命)との関係が深いとされ、当社と廣田神社(大阪府)は、兵庫県西宮市の廣田神社(兵庫県)西宮神社と同じような位置関係にあるそうです。

祭神

今宮戎神社の祭神は以下の通りです。

主祭神

・天照皇大神(アマテラス):三貴子の一柱で、太陽を神格化した神(伊勢内宮の主祭神)
 → 『竹内文書』では、天疎日向津姫尊(あまさかるひにむかつひめ)の別名とされる
  ⇒ 当社北方の廣田神社の祭神名と一致する
・事代主命(コトシロヌシ):大国主の御子神で、"えびす"としても知られている
 → 『ミカサフミ』では、ヱミス・ヱビス(笑姿・恵比寿)はクシヒコ(事代主命)の笑みす顔に由来するとされる
・素盞鳴命(スサノオ):三貴子の一柱で、出雲の祖神
・月読尊(ツクヨミ):三貴子の一柱で、月を神格化した神とされる
・稚日女尊(ワカヒルメ):『日本書紀』に登場する神で、アマテラスの妹神と考えられている
 → 『ホツマツタヱ』では、イサナギ(伊邪那岐)・イサナミ(伊邪那美)の子のヒルコ(蛭子命)とされる
  ⇒ ヒルコはアマテル(天照大御神)の姉に当たるが、後にワカヒルメ(稚日女尊)としてイロト(妹)になった

十日戎

人文研究見聞録:今宮戎神社 [大阪府]

十日戎(とおかえびす)とは、毎年1月10日前後に行われる今宮戎神社の例大祭であり、その年の商売繁盛を祈願する正月の祭として有名です。当日には境内では"福笹"の授与が行われ、周辺では商売繁盛の"福ざる""熊手"が販売されています。

なお、十日戎は江戸期に大阪が商業の町として繁栄を遂げた頃には既に始まっていたとされ、延宝三年(1675年)の大坂案内「葦分舟」にも当社の十日戎が描かれているそうです。

詳しくはこちらの記事を参照:【今宮戎神社の十日戎(宝恵駕籠行列)】

福娘

人文研究見聞録:今宮戎神社 [大阪府]

十日戎の際に奉仕する女性を"福むすめ"と呼び、毎年一般公募で募集されるそうです。この肩書は就職や見合いに有利となるため、応募者は毎年3,000人を超えるとされており、アナウンサーの輩出率が高いことでも知られています。

境内社

人文研究見聞録:今宮戎神社 [大阪府]
大国社
人文研究見聞録:今宮戎神社 [大阪府]
稲荷社

当社の境内社は以下の通りです。

・大国社:昭和41年(1966年)建立
 → 大国主命、五男三女八柱神(誓約で生まれた8柱神)を祀る
・稲荷社:昭和41年(1966年)建立
 → 宇賀御霊神(稲荷神)を祀る

境内の見どころ

鳥居

人文研究見聞録:今宮戎神社 [大阪府]

今宮戎神社の鳥居です。

注連石

人文研究見聞録:今宮戎神社 [大阪府]

今宮戎神社の注連石(しめいし)です。

拝殿

人文研究見聞録:今宮戎神社 [大阪府]

今宮戎神社の拝殿です。

本殿

人文研究見聞録:今宮戎神社 [大阪府]

今宮戎神社の本殿です。

料金: 無料
住所: 大阪府大阪市浪速区恵美須西1丁目6-10(マップ
営業: 9:00~17:00、無休
交通: 今宮戎駅(徒歩2分)、恵比寿町駅(徒歩5分)

公式サイト: http://www.imamiya-ebisu.jp/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。