2018年1月18日木曜日

豊受大神宮(伊勢神宮 外宮) [三重県]

人文研究見聞録:豊受大神宮(伊勢神宮外宮) [三重県]

三重県伊勢市にある豊受大神宮(とようけだいじんぐう)です。

外宮(げくう)とも呼ばれる伊勢神宮の正宮の一つであり、主祭神に豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祀っています。

なお、豊受大御神は衣食住を司る御饌都神(みけつかみ)とされ、産業の神様として信仰を集めています。

また、伊勢神宮では内宮よりも外宮から先に参拝することが習わしとなっています。


神社概要

由緒

社伝によれば、皇大神宮(内宮)の創祀から約500年後の第21代雄略天皇の時代、天皇の夢に天照大御神(アマテラス)が現れて「自分一人では食事が安らかにできないので、丹波国の等由気大神(とようけのおおかみ)を近くに呼び寄せるように」という神託が下ったことから、豊受大神(とようけのおおかみ)が丹波国から内宮付近の山田の原に遷されたことに始まるとされています。

祭神

豊受大神宮の祭神は以下の通りです。

【主祭神】

・豊受大御神(とようけのおおみかみ):天照大御神の御饌都神(みけつかみ)であり、食物を司る神
 → 元々は丹後の元伊勢籠神社の奥宮・真名井神社に鎮まる神であったとされる
  ⇒ 社伝によれば、第21代雄略天皇にアマテラスから神託が下ったため、現在地に遷されたという
  ⇒ 籠神社のある京都府の丹後地方では、最高神であり総氏神とされる
 → 籠神社の伝承によれば、天火明命(彦火明命)の天孫降臨の際に共に天降ったとされる
  ⇒ 別名を天御中主神(アメノミナカヌシ)、国常立神(クニノトコタチ)と云うとも
  ⇒ 顕現の神を豊宇気毘売神(トヨウケビメ)と云うとも

【相殿神】

・御伴神(みとものかみ)三座
 → 詳しい祭神は不詳
  ⇒ 天津彦彦火瓊瓊杵尊(ニニギ)、天児屋根命(アメノコヤネ)、太玉命(フトダマ)の三座とする説がある

境内社

別宮

風宮
土宮
多賀宮

境内にある外宮別宮は以下の通りです。

・風宮:豊受大御神荒魂を祀る
・土宮:大土乃御祖神を祀る
・多賀宮:級長津彦命、級長戸辺命を祀る

摂末社

度会国御神社
大津神社

境内にある外宮摂末社は以下の通りです。

・度会国御神社(摂社):彦國見賀岐建與束命を祀る
・大津神社(末社):葦原神を祀る

所管社

四至神
下御井神社

境内にある外宮所管社は以下の通りです。

・御酒殿神:御酒殿神を祀る
・四至神:四至神を祀る
・上御井神社:上御井鎮守神を祀る(参拝不可)
・下御井神社:下御井鎮守神を祀る

その他の関連社はこちらを参照:【豊受大神宮(伊勢神宮 外宮)の関連社】

関連知識

外宮のルーツについて

人文研究見聞録:豊受大神宮(伊勢神宮外宮) [三重県]

豊受大神宮(外宮)の主祭神である豊受大神は創建の由緒にもある通り、元は丹波国に祀られていたとされます。

この歴史を遡ると、現在の元伊勢籠神社(京都府宮津市)の奥宮・真名井神社に祀られていたとされ、豊受大神は丹後の最高神であったともいわれています。

籠神社の伝承によれば、豊受大神(とようけのおおかみ)は天火明命(ホアカリ)の天孫降臨の際に神鏡に籠って丹後に天降り天照大神(あまてらすおおみかみ)は瓊瓊杵尊(ニニギ)の天孫降臨の際に神鏡に籠って高千穂に天降ったとされています。

また、豊受大神は別名を天御中主神(アメノミナカヌシ)国常立神(クニノトコタチ)と云うとも伝えられているそうです。この天御中主神と国常立神は、『記紀』において最初に現れた神であるため、天照大神よりも神格の高い神であるという見解もあります。

外宮先祭

人文研究見聞録:豊受大神宮(伊勢神宮外宮) [三重県]

伊勢神宮には外宮先祭(げくうせんさい)という、外宮から先に祭りを行うという習わしがあります。

公式サイトによれば、豊受大御神(外宮祭神)が天照大御神(内宮祭神)の食事を司る神であることから、内宮に先立って外宮に神饌を供えるとされ、この順序にならって外宮から先に参拝する習わしとなっているそうです。

また、『太神宮諸雑事記(伊勢神宮の古記録)』にある 天照大御神の「我が祭りに仕え奉る時は、先ず豊受の神の宮を祭り奉るべし、しかる後に我が宮の祭り事を勤仕べし」という命令に由来しているともいわれています。

関連記事:【皇大神宮(伊勢神宮 内宮)】【伊勢神宮の豆知識】

境内の見どころ

表参道火除橋

人文研究見聞録:豊受大神宮(伊勢神宮外宮) [三重県]

豊受大神宮の表参道火除橋(おもてさんどうひよけばし)です。

防火の為に造った堀川にかけられている橋であり、外宮の表玄関となっています。

清盛楠

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豊受大神宮の清盛楠(きよもりくす)です。

平清盛が勅使として参った際に冠に枝が触れたとされているため、この名で呼ばれているそうです。

せんぐう館

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豊受大神宮のせんぐう館です。

式年遷宮の資料館であり、外宮正殿の模型や遷宮祭の模様などが展示されています。

なお、建物の手前には奉納舞台があり、ここでは種々の奉納行事が行われる際に使用されるそうです。

勾玉池

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豊受大神宮の勾玉池(まがたまいけ)です。

勾玉の形をしているため、この名で呼ばれているそうです。

なお、初夏には三重県花の花菖蒲が咲き乱れることで知られています。

一の鳥居

人文研究見聞録:豊受大神宮(伊勢神宮外宮) [三重県]

豊受大神宮の一の鳥居です。

この先から空気が変わり、夏でも清涼で清々しい気分になれます。

神楽殿

人文研究見聞録:豊受大神宮(伊勢神宮外宮) [三重県]

豊受大神宮の神楽殿(かぐらでん)です。

祈祷の神楽や御饌(みけ)などが行われる施設とされています。

御札や御守もここで受けることができます。

九丈殿

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豊受大神宮の九丈殿(くじょうでん)です。

外宮の摂末社および所管社の遥祀が行われる場所とされています。

五丈殿

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豊受大神宮の五丈殿(ごじょうでん)です。

雨天の時の御祓や祭の響膳などが行われる場所とされています。

正宮

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豊受大神宮の正宮です。

主神である豊受大御神(とようけのおおみかみ)相殿神が祀られています。

神職が祭祀をする際には拍手は「八拍手」で行うとされていますが、一般的には「二礼二拍手一礼」で良いそうです。

四至神(三ツ石)

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豊受大神宮の四至神(みやのめぐりのかみ)です。三つ石が並んでいるため「三ツ石」とも呼ばれています。

祭神の四至神は、神域の四方の境界を守護する神域(宮域)の守護神であるとされています。

社殿を持たない磐座形式で祀られており、ここへも二礼二拍手一礼で参拝するのが正しいとされています。

しかし、手をかざすとパワーがもらえるという俗説が広まったために、手をかざしている参拝客が多くみられます。

別宮遥拝所

人文研究見聞録:豊受大神宮(伊勢神宮外宮) [三重県]

豊受大神宮の別宮遥拝所(べつぐうようはいじょ)です。

ここから外宮別宮を遥拝(遠くから参拝)することもできます。

亀石

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豊受大神宮の亀石(かめいし)です。

別宮に続く道への架け橋になっており、形が亀に似ているため この名で呼ばれています。

なお、この亀石は高倉山の天岩戸の入り口の岩を運んだものと伝えられているそうです。

風宮

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豊受大神宮の別宮・風宮(かぜのみや)です。

外宮の境内別宮であり、風神である級長津彦命(シナツヒコ)・級長戸辺命(シナツヒメ)を祀っています。

鎌倉時代の元寇(蒙古襲来)の際に朝廷がここで祈祷をしたところ、神風が吹いて元軍は退却したと云われています。

そのため、日本を守った風神を祀る社として尊崇されているそうです。

土宮

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豊受大神宮の別宮・土宮(つちのみや)です。

外宮の境内別宮であり、山田原の鎮守神である大土乃御祖神(おおつちのおみやのかみ)を祀っています。

外宮創建後には宮域の地主の神として祀られるようになったそうです。

なお、祭神は大歳神、宇迦魂神、土御祖神であり、神体は鏡、宝壺であったとする説もあるそうです。

多賀宮

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豊受大神宮の別宮・多賀宮(たかのみや)です。

外宮の境内別宮であり、豊受大御神荒魂(とようけのおおみかみのあらみたま)を祀っています。

外宮別宮の中で最も古く、主祭神の荒魂を祀っているため、別宮の中で最も格式が高いとされているそうです。

下御井神社

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豊受大神宮の所管社・下御井神社(しものみいのじんじゃ)です。

祭神に下御井鎮守神を祀り、神に供える水を汲み上げる井戸であるとされています。

なお、主な井戸は奥に祀られる上御井神社とされており、下御井神社はその予備とされているそうです。

忌火屋殿

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豊受大神宮の忌火屋殿(いみびやでん)です。

忌火(いみび)とは「清浄な火」の意であり、忌火屋殿は神饌(しんせん)を調理する場所とされています。

なお、忌火を焚くのに御火鑽具(みひきりぐ)という木を擦り合わせて発火させる古典的な器具を使っているそうです。

御厩

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豊受大神宮の御厩(みうまや)です。

皇族から奉納された神馬を飼育する施設となっています。

神馬

人文研究見聞録:豊受大神宮(伊勢神宮外宮) [三重県]

豊受大神宮の御廐にいた神馬(しんめ)です。

外宮で神馬が見られる時間帯は13:00~15:00頃とされ、運次第で見ることができます。

度会国御神社

人文研究見聞録:豊受大神宮(伊勢神宮外宮) [三重県]

豊受大神宮の摂社・度会国御神社(わたらいくにみじんじゃ)です。

御厩付近の小道沿いに鎮座する外宮の摂社であり、パンフレットにも載っていないので見落としがちな神社です。

祭神には、度会氏の始祖である彦國見賀岐建與束命(ひこくにみがきたけよつかのみこと)を祀っています。

創建年代は不詳ですが、豊受大御神の鎮座(外宮の創祀)以前より祀られていたと考えられているそうです。

大津神社

人文研究見聞録:豊受大神宮(伊勢神宮外宮) [三重県]

豊受大神宮の末社・大津神社(おおつじんじゃ)です。

御厩付近の小道沿いにある外宮の末社であり、度会国御神社の奥に鎮座しています。

祭神には、大湊の守護神である葦原神(あしはらのかみ)を祀っています。

創建年代は不詳ですが、少なくとも平安期には存在していたと考えられているそうです。

裏参道火除橋

人文研究見聞録:豊受大神宮(伊勢神宮外宮) [三重県]

豊受大神宮の裏参道火除橋(うらさんどうひよけばし)です。

表参道同様、防火の為に造った堀川にかけられている橋であり、ここから入って参拝することもできます。

上御井神社

人文研究見聞録:豊受大神宮(伊勢神宮外宮) [三重県]

豊受大神宮の所管社・上御井神社(かみのみいのじんじゃ)です。

外宮の御料水を司る井戸として祀られており、祭神に外宮の御料水の守護神である上御井鎮守神を祀っています。

なお、籠神社の伝承によれば、奥宮・真名井神社の磐座から湧き出る神水を遷したと伝えられています。

そのため、古くから「天の真名井の水」として神聖視されてきたそうです。

ちなみに、ここはGoogleマップなどの地図上には表示されますが、一般参拝者は侵入することができません

よって、参拝する場合は鉄柵の外から遥拝するようになっています。

なお、外宮鳥居より徒歩20分以上の場所にあるので、遥拝するためには結構苦労します。

野生のタヌキ

人文研究見聞録:豊受大神宮(伊勢神宮外宮) [三重県]

外宮付近には野生のタヌキがいるようです(本物のタヌキって結構細いんですね)。

料金: 参拝無料
住所: 三重県伊勢市豊川町279(マップ
営業: 5:00~18:00(夏期19:00、冬季17:00)
交通: 伊勢市駅(徒歩7分)、宇治山田駅(徒歩11分)

公式サイト: http://www.isejingu.or.jp/geku.html

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