人文研究見聞録:磐船神社の岩窟めぐり [大阪府]

磐船神社には多数の磐座で形成された岩窟が存在し、神社ではその岩窟を巡る「岩窟めぐり」が行えます。

有料ですが、絶妙なバランスで組まれた岩窟を見る機会は全国的にも珍しく、貴重な経験ができると思います。

なお、神社によれば、この岩窟を無事にくぐり抜けることで行を達成したことになるんだそうです。

以下、その「岩窟めぐり」について解説したいと思います。

磐船神社についてはこちらを参照:【磐船神社】


岩窟めぐりの概要

岩窟めぐりのあらまし


人文研究見聞録:磐船神社の岩窟めぐり [大阪府]

「岩窟めぐり」のあらましは以下の通りです。

岩窟めぐりの条件


・年齢制限あり (10歳以上75歳未満まで)
・晴れの日であること (足元が滑りやすいと危険とみなされる)
・2人以上のパーティであること (状況によって野良パーティ可)
・体格は小さい方が望ましい (巨体の場合、岩の隙間を通れない場合がある)
・岩窟めぐりに相応しい靴であること (そうで無い場合は草履に履き替える)
・飲酒後の入窟は不可 (事故防止のため)
・夜間の入窟は付加 (16:00まで)

天候は割と重要ですので、晴れの日が続くタイミングで訪れることをオススメします。

入窟~退窟まで


1.社務所で入窟要綱にサインをして、入窟料を払う (大人500円、子供300円)
2.入窟用の白襷(たすき)を掛けて岩窟に入窟する
3.岩窟内の指示に従ってコースを散策する (事細かく指示がある)
4.出口から退窟し、社務所に報告に行く (退窟後には「磐船神社の護符」が授与されます)

なお、入窟要綱には住所・氏名・連絡先や岩窟の滞在時間の目安などを記入する必要があります。

ちなみに、岩窟は入窟から淡々と進んでいくと10分も掛からずに出口に到着するほど短いです。

そのため、岩窟内ではじっくり時間をかけるスタンスで散策することをオススメします。

磐船神社岩窟について


人文研究見聞録:磐船神社の岩窟めぐり [大阪府]

磐船神社の岩窟は、古くは平安時代より修験道の霊場として知られており、古来より精神を鍛えるための行場として人々が修行を修めて来た場所とされています。

そのため、この岩窟は景観を楽しむという目的よりも、一種の修行場として入窟することが望ましいとされています。それに伴い、それなりの安全対策は為されているものの、事故の危険も孕んでいます。

しかし、それらの危険を潜り抜けて岩窟めぐりを成功させた暁には、素人でも行を達成したことになるという霊験あらたかな場所であるとされています。

岩窟めぐりのコース紹介

岩窟の内部は以下のようになっています(雰囲気だけ紹介します)。

1.岩窟の入口


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入口は岩の隙間にハシゴが掛けられており、そこを進むといよいよ入窟となります。

2.入口付近の祠


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入口付近には鳥居があり、その奥には「白熊大神」と「白永大神」を祀る祠が鎮座しています。

3.巨大な磐座群


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入口付近より数多くの巨石が点在しており、絶妙なバランスで組まれています。

4.細い橋


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指示通りルートを進むと細い橋が架けられています。

このほかにも細い丸太を並べただけの橋もあり、非常にスリルのある場所となっています。

5.押上岩


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橋を抜けた先の頭上には「押上岩」と呼ばれる岩があります。

この岩は周囲の巨石を押し上げているような形になっているため、この名で呼ばれているそうです。

絶妙なバランスで頑丈に組まれており、阪神大震災の時にもビクともしなかったそうです。

6.磐座の天井


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岩窟内部の磐座は押上岩に限らず絶妙なバランスで組まれています。

これは果たして自然に造られたものなのでしょうか?

7.岩窟内の滝


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岩窟内には滝が流れています。

これは天野川の流水が流れ込んだものとされ、触れてみると意外と温かったです(夏場)。

8.岩窟の方向指示


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岩窟内には小刻みに写真のような方向指示があります。

そのため、無理して進む必要はありません。指示されるルート従って安全に巡りましょう。

9.狭い穴(生まれ変わりの穴)


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岩窟内には一部、非常に狭い穴があります。

見た目では、人が一人通り抜けられるのか不安になるほど狭い穴ですが、意外とすんなり抜けることができます。

なお、この穴を体をよじりながら抜けることにより、生まれ変わることができると言われているそうです。

10.出口付近の祠


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岩窟の出口付近には「白龍大神」「黒龍大神」「金龍大神」などの龍神を祀る祠があります。

そのほか、休憩できるベンチなどもあり、岩窟内で休憩することもできます。

退窟後


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退窟後は社務所へ白襷(たすき)を返却すると、岩窟めぐり完了の証として「磐船神社の護符」が授与されます。

これは部屋の壁や柱に貼りつけたり、持ち歩くと御守になるそうです。

また、境内の磐座画像(岩窟内および御神体などのプリント)は、社務所で希望すれば無料で貰うことができます。

注意事項


人文研究見聞録:磐船神社の岩窟めぐり [大阪府]

岩窟内はほぼ自然のままなので、安全対策が為されていない部分も多々あります。

そのため、岩窟めぐりには危険な部分も多く、個々が安全に十分注意して臨む必要があります。

また、足元は岩の隙間だらけなので、スマホやカメラなどを落としてしまうと まず拾うことはできないでしょう。

そして、狭い岩の隙間や崖を上る必要もあるため、多少汚れる可能性もあります。

よって、貴重品などは予め社務所に預けて、汚れても良い恰好で入屈することが望ましいでしょう。

料金: 大人500円、子供300円
住所: 大阪府交野市私市9丁目19-1
営業: 岩窟めぐりは16:00まで
交通: 京阪電車私市駅(徒歩43分)、京阪バス「磐船神社前」下車、奈良交通バス「北田原」下車

公式サイト: http://www.osk.3web.ne.jp/~iw082125/index-j.html
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。