人文研究見聞録:磐船神社の磐座群 [大阪府]

磐船神社周辺には数多くの磐座(巨石)が点在しています。

この記事では、それらについて紹介したいと思います。

磐船神社についてはこちらを参照:【磐船神社】


天の磐船


人文研究見聞録:磐船神社の磐座群 [大阪府]

磐船神社の天磐船(あめのいわふね)です。

饒速日尊(ニギハヤヒ)が生駒山に降臨する際に乗ってきたと言われ、神社の御神体として祀られています。

これは正史である『日本書紀』にも明記されており、『先代旧事本紀』では天孫降臨があったとしています。

なお、この巨大磐座は大坂城築城の際の石材として加藤清正が持ち帰ろうとしたと云われています。

しかし、ビクともしなかったため、持ち出しを諦めて「加藤肥後守清正」と銘を刻んだそうです。

不動明王


人文研究見聞録:磐船神社の磐座群 [大阪府]

磐船神社の不動明王(ふどうみょうおう)です。

「天文十四年十二月吉日観請開白大蔵坊法印清忍」と刻まれており、戦国時代に天下太平を祈願したものとされます。

四社明神


人文研究見聞録:磐船神社の磐座群 [大阪府]

磐船神社の四社明神(よんしゃみょうじん)です。

不動明王を奥に位置しており、巨石に大日如来・観音菩薩・勢至菩薩・地蔵菩薩の四体の石仏が彫られています。

この石仏は住吉四神の本地仏とされ、「きみおちよらい磐船の地蔵菩薩のはすの池、水はなくとも舟はしる。舟は白かね、魯はこがね、金銀帆柱おし立てて六字の妙を帆に上げて」という、弘法大師の作と伝えられる磐船和讃が伝承されているそうです。

天の岩戸


人文研究見聞録:磐船神社の磐座群 [大阪府]

磐船神社の天の岩戸(あまのいわと)です。

『日本神話』における「天岩戸神話」に登場する岩戸であるとされ、巨石が天井と柱のような形になっています。

なお、磐座の前には多数の石碑が安置されており、饒速日尊長髄彦(ナガスネヒコ)が祀られています。

また、岩戸の方角の先には伊勢神宮が位置しているとされています。

ちなみに、ここは天岩戸の舞台とされますが、全国には天岩戸と称する場所がいくつもあります。

大岩大神


人文研究見聞録:磐船神社の磐座群 [大阪府]

磐船神社の大岩大神です。

境内奥の丘の上に鎮座しており、男茎を象った道祖神であるとされています。

そのため、子宝や泌尿器系の病に霊験あらたかと云われているそうです。

白福大神


人文研究見聞録:磐船神社の磐座群 [大阪府]

磐船神社の白福大神です。

境内奥の丘の上に鎮座しており、女陰を象った道祖神であるとされています。

大岩大神と併せて、子宝や泌尿器系の病に霊験あらたかと云われているそうです。

破損した鳥居と磐座


人文研究見聞録:磐船神社の磐座群 [大阪府]

磐船神社の丘付近には破損した鳥居と磐座があります。

これについては詳細不明です。

押上岩


人文研究見聞録:磐船神社の磐座群 [大阪府]

磐船神社の押上岩です。

岩窟めぐりで見られる磐座であり、巨石を押し上げているような形になっているため、この名で呼ばれています。

絶妙なバランスで組まれており、阪神大震災の時にもビクともしなかったそうです。

天野川の磐座


人文研究見聞録:磐船神社の磐座群 [大阪府]

磐船神社周辺を流れる天野川にも磐座片と思われる巨石が点在しています。

大型のものが多く、天磐船が天から降ってきたことを裏付けるような様相を呈しているようにも見えます。

また、岩の表面には模様や穴、そのほか成形痕のような傷痕も見られる非常に不思議な磐座片となっています。

料金: 無料
住所: 大阪府交野市私市9丁目19-1
営業: 終日開放(岩窟は16:00まで)
交通: 京阪電車私市駅(徒歩43分)、京阪バス「磐船神社前」下車、奈良交通バス「北田原」下車

公式サイト: http://www.osk.3web.ne.jp/~iw082125/index-j.html
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。