水稲荷神社 [東京都]
2015/12/15
東京都新宿区西早稲田にある水稲荷神社(みずいなりじんじゃ)です。
平安時代に藤原秀郷によって勧請された稲荷神社であり、かつては眼病治癒に霊験のある霊水が湧いていたとされます。
そのため、現在でも消防や水商売など「水」に関わる仕事の関係者から篤い崇敬を集めているそうです。
また、境内社の高木神社と北野神社は学業に御利益があるとされるため、現在は受験生の人気が高いとされています。
神社概要
由緒
藤原秀郷 |
社伝によれば、平安中期の天慶4年(941年)に鎮守府将軍・藤原秀郷(俵藤太)※によって現社地の南方300mの冨塚の地に稲荷大神を勧請したことに始まり、当初は「冨塚稲荷」または「将軍稲荷」と呼ばれていたとされます。
その後、文亀元年(1501年)に川越管領・上杉朝良(うえすぎともよし)の夢の中に老翁が現れて「我、此処を守護し、民をして太平の化を蒙らしめ、所を繁栄ならしめんとす、汝必ず民を虐ぐる事勿れ」と告げたので、朝良が老翁の名を尋ねると「天の戸を開きて江戸に稲荷なる富塚の里にいくよにけり」と答えたとされます。朝良が目覚めて庭を見ると、一匹の老狐が居て江戸の方に飛び去ったので、ただちに家臣を江戸に遣わして戸塚の辺りを探させたところ、戸塚音信山に稲荷の古社があったことから、この稲荷社を再興し、戸塚一円を社領にしたとされています。
また、天文19年(1550年)には牛込時国に、天和2年(1682年)には佐藤信次によって社頭が造営されたそうです。
そして、江戸中期の元禄15年(1702年)4月、神主に下った神託によって御神木である大椋の下から霊水が湧き出し、その水で眼を洗ったところ、眼病がたちまち治ったとされることから、眼病治癒に霊験あらたかとして江戸中の評判を集めたとされます。なお、その時の神託には「我を信仰する者には火難を免れしむべし」とあったことから、「水稲荷」と称するようになったそうです。
また、天明8年(1788年)の京都の大火で皇居が炎上した際、しきりに防火に務める老翁が居り、その名を問うと「江戸の水稲荷」と答えて姿を消したとされ、この時の恩賞によって「関東稲荷惣領職」を賜わったとされます。
その後、第二次世界大戦の戦災によって社殿が焼失し、御神木の大椋も焼け、水稲荷の由来となった霊水も止まってしまったとされますが、昭和38年(1963年)、早稲田大学から甘泉園に社地が提供され、さらに社殿の奉納を条件に旧社地を譲り受けたいとの申し出があったため、徳川家御三卿の一つである清水徳川家の旧跡に遷座して、現在に至るとされます。
※藤原秀郷:平安中期の関東最強の武士とされ、「平将門の乱」では将門を討ち取ったとされる。
祭神
水稲荷神社の祭神は以下の通りです。
主祭神
・倉稲魂大神(ウカノミタマ):衣食を司る稲荷神(水稲荷神社では豊受大神と同神と説明される)
・佐田彦大神(サタヒコ):道の守護神で、旅行・交通安全・開運に御神徳がある(サルタヒコと同神と説明される)
・大宮姫大神(オオミヤヒメ):家の守護神で、夫婦和合に御神徳がある
・倉稲魂大神(ウカノミタマ):衣食を司る稲荷神(水稲荷神社では豊受大神と同神と説明される)
・佐田彦大神(サタヒコ):道の守護神で、旅行・交通安全・開運に御神徳がある(サルタヒコと同神と説明される)
・大宮姫大神(オオミヤヒメ):家の守護神で、夫婦和合に御神徳がある
境内社
大国社
水稲荷神社の境内社・大国社です。
社殿に大黒天像を配し、祭神に大国主命(オオクニヌシ)を祀っています。
水神社・高木神社・事比羅神社
水稲荷神社の境内社である水神社・高木神社・事比羅神社です。
元は早稲田大学構内にあったものを遷座したとされ、早稲田大学入学祈願の霊験があらたかとされているそうです。
しかし、詳しい祭神は不明です(ミヅハノメ・タカミムスビ・オオモノヌシか?)。
三島神社
水稲荷神社の境内社・三島神社です。
甘泉園の旧所有者、清水家の守護神を祀っているとされています(オオヤマツミか?)。
北野神社
水稲荷神社の境内社・北野神社です。
牛込天神町から遷座した社であり、祭神に菅原道真公を祀っています。
学問上達・受験合格などに御利益があるとされています。
浅間神社
水稲荷神社の境内社・浅間神社(せんげんじんじゃ)です。
高田富士の麓に鎮座しており、祭神に木花咲耶姫尊(コノハナサクヤヒメ)、石長姫尊(イワナガヒメ)を祀っています。
しかし、普段は登拝できないため、7月3週目の週末2日間に開催される「高田富士まつり」の時のみの参拝となっています。
※写真はウィキメディア・コモンズよりパブリックドメインの画像を拝借しています。
境内の見どころ
鳥居
水稲荷神社の鳥居です。
境内には石造や木造のものが多数設置されています。
拝殿
水稲荷神社の拝殿です。
社殿の前には狐像を配し、軒下には鈴が5つ横並びに設置されています。
また、参拝時に神拝詞(祓え給え、清め給え、神ながら、奇しみたま、幸え給え)を3唱する事とされています。
本殿
水稲荷神社の本殿です。
全体的に朱塗りであり、カラフルな模様があしらわれています。
耳欠け神狐
水稲荷神社の耳欠け神狐です。
身体の悪い所を神狐と交互に撫でると、痛みが和らぐとされています。
冨塚古墳
水稲荷神社の境内にある冨塚古墳です。
戸塚の町名の由来となった古墳とされ、丘陵周辺には多数の鳥居と祠が配されています。
料金: 無料
住所: 東京都新宿区西早稲田3丁目5-43
営業: 終日開放
交通: 面影橋駅(徒歩2分)、都電早稲田駅(徒歩7分)、西早稲田駅(徒歩12分)
公式サイト: http://mizuinari.net/index.html
住所: 東京都新宿区西早稲田3丁目5-43
営業: 終日開放
交通: 面影橋駅(徒歩2分)、都電早稲田駅(徒歩7分)、西早稲田駅(徒歩12分)
公式サイト: http://mizuinari.net/index.html
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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