人文研究見聞録:堅田神社 [三重県]

三重県伊勢市二見町にある堅田神社(かただじんじゃ)です。

皇大神宮(内宮)の摂社であり、二見を訪れた倭姫命に定められた古社であるとされています。


由緒

伝承によれば、垂仁天皇25年、倭姫命が諸国を巡幸して二見の地を訪れた際、土着の国津神である佐見都日女命(さみつひめのみこと)が黙って倭姫命に堅塩を奉ったとされ、それに喜んだ倭姫命が当地に堅田神社を定めたとされています。

なお、佐見都日女命は倭姫命に進んで堅塩を奉じたわけではなく、倭姫命の質問に一切答えず 黙って堅塩を奉じることで、自らの開拓した土地を差し出すことにせめてもの抵抗を示したとも云われています。

また、この故事が伊勢の内宮・外宮に納める御塩を二見浦で生産する起源となったとも云われているようです。

後世には一時的に祭祀が中断したものの、永享6年(1434年)に伊勢神宮の神官・荒木田氏経(あらきだうじつね)が再興し、寛文10年(1670年)に二見が神領に復すると江戸幕府は領民に祭礼と遷宮を命じ、挙って奉仕したとされています。

また、現在では皇大神宮(内宮)の摂社であり、『延喜式神名帳』の「榎村神社」「大国玉比売神社(ほかに宇治山田神社)」双方の論社ともなっているなっているそうです(内宮の摂社27社のうち第15位とも)。

祭神

堅田神社の祭神は以下の通りです。

・佐見都日女命(さみつひめのみこと):土着の国津神で、倭姫に堅塩を奉じた(伊勢津彦の娘とも)

料金: 無料
住所: 三重県伊勢市二見町茶屋字堅田442-2(マップ
営業: 終日開放
交通: 二見浦駅(徒歩12分)
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。