御塩殿神社 [三重県]
2016/01/29
三重県伊勢市二見町にある御塩殿神社(みしおどのじんじゃ)です。
皇大神宮(内宮)の所管社であり、伊勢神宮の神饌である堅塩を作る施設を備えた神社となっています。
そのため、境内には社殿の他にも 堅塩作りに使用される珍しい施設が点在しています。
神社概要
概要
案内板によれば、創建は不詳ですが、伊勢神宮の神饌である「堅塩」を作る設備のある神社であり、祭神に塩筒翁神(シオヅツノオキナ)を祀っているとされます(祭神は御塩殿鎮守神とも呼ばれる)。
境内には皇大神宮(内宮)の御料の御塩を調整する御塩殿、御塩焼所、御塩汲入所があり、御料の御塩は、夏の土用に町内の西にある御塩浜(塩田)から運ばれた塩分の濃い海水を御塩汲入所に納め、これを御塩焼所で荒塩に焼き、さらに荒塩を毎年3~4回、御塩殿に置いて、三角形の土堝を以って堅塩に焼き固めて御料に供えているそうです。
なお、御塩の調進は昔から神領二見郷の住民が奉仕しているとされています。
祭神
御塩殿神社の祭神は以下の通りです。
・御塩殿鎮守神(みしおどののまもりがみ):御塩殿の守護神であり、塩筒翁神(シオヅツノオキナ)とも云われる
境内の見どころ
鳥居
御塩殿神社の鳥居です。
鴨長明の歌碑
御塩殿神社にある鴨長明歌碑です。
平安~鎌倉期の歌人・鴨長明(かものちょうめい)が、文治2年(1186年)頃に当社に訪れて歌を詠んだとされています。
そのため、社前には「二見潟 神さびたてる 御塩殿 幾千代みちぬ 松かげにして」の歌碑が安置してあります。
御塩殿
境内の御塩殿(みしおどの、みしおでん)です。
粗塩を焼き固め堅塩を作る施設であり、鳥居と板が設けられているものの、社殿ではないとされます。
また、堅塩は三角錐の土器の型に粗塩を入れ、忌火を使って御塩殿内で焼き固めるという工程で作られるそうです。
なお、この堅塩は御塩(みしお)と呼ばれ、年間約300~400個が焼き固められるとされています。
御塩御倉
境内の御塩御倉(みしおのみくら)です。
御塩殿の垣内にあり、荒塩を保管しておく施設とされています。
正殿
御塩殿神社の正殿です。
ここが御塩殿神社における社殿とされています。
御塩焼所
境内の御塩焼所(みしおやきしょ)です。
鹹水(かんすい)を鉄鍋で煮込み、粗塩を得る施設であるとされています。
御塩汲入所
境内の御塩汲入所(みしおくみいれしょ)です。
御塩浜から運ばれた鹹水を壷で保管する倉庫であり、建築様式は天地根元造(てんちこんげんづくり)と呼ばれるそうです。
なお、御塩浜は御塩殿神社より大分 西に行った二見町西の五十鈴川沿いにあります。
二見浦
御塩殿神社の境内からは、二見浦を望むことができます。
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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