【当サイトについて】

・当ブログは「人文研究見聞録(じんぶんけんきゅうけんぶんろく)」と言います。
・このブログでは、著者が実際に見た・体験した「日本」についての記事を書いています。
・その他にも「日本神話」の独自研究についての記事なども書いています。
・サイト内のコンテンツについては、上部のメニューバーおよびサイト右側に配置したメニューを参照してください

2016年6月7日火曜日

貴船神社・本宮 [京都府]

人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]

京都市左京区にある貴船神社(きふねじんじゃ)です。

古くから貴船山に鎮座している古社であり、現在では全国に約450社ある貴船神社の総本社となっています。

縁結びに神徳があることから女性やカップルに人気が高いとされ、絵馬発祥の神社としても有名であるとされています。

なお、主祭神として祀られる水神に因んで、貴船は濁らずに「きふね」と読むそうです。

※当ページでは「貴船神社・本宮」について紹介しています。


神社概要

由緒

人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]

公式サイトによれば、創建については明記するものが無いために不詳とされています。

なお、社伝として2つの創建伝承があり、それは以下のようになっているとされます。

社伝に「国家安穏・万民守護のために太古の"丑の年の丑の月の丑の日の丑の刻"に、天上より貴船山中腹の鏡岩に天降った」という貴船大神の鎮座伝承がある。これが貴船神社にて"丑の日"が縁日とされる由縁となっている。

社伝に、第18代反正天皇の御代(5世紀初頭と推定)に初代神武天皇の母である玉依姫命(タマヨリヒメ)が現われたとある。

玉依姫命は「吾は皇母・玉依姫なり。恒に雨風を司り、以って國を潤し、土を養う。また黎民の諸願には福運を蒙らしむ。よって吾が船の止まる処に祠を造るべし」と宣給うと、雨風の国潤養土の徳の源を求めて黄船に乗り、浪花の津(大阪湾)から淀川、鴨川を遡って、その源流である貴船川の上流の此地(現・奥宮)に到ったという。

そして、清水の湧き出づる霊境吹井を認めたことから、其処に一宇の祠を建てて水神を奉斎した。これによって、当宮を"黄船の宮"として崇めるようになったとされている。

なお、貴船神社の創建における伝承は主に後者が採用され、反正朝の創建として紹介されていることが多いようです。また、社伝に第38代天智天皇の御代である白鳳6年(666年)に社殿の造替が行われたという記録があることから、創建年代は極めて古いと云われています。

余談ですが、『ホツマツタヱ』という文献には、ニニキネ(ニニギ)の御代には現在の貴船神社に当たる地域に「ミヅハメノヤシロ」と呼ばれる水神を祀る社があったとされ、ヒコホオテミ(ヒコホホデミ)に出産を覗かれた妻のトヨタマヒメが、恥じてこの社の中に籠ってしまったとされます。また、後にトヨタマヒメは この社に葬られ、フナタマ(船霊)を併せ祀ったとされています。

『ホツマツタヱ』における貴船神社についてはこちら

本宮の祭神

本宮の祭神は以下の通りです。

主祭神

・高龗神(タカオカミ):雨を司る龍神とされる
 → 社記では奥宮で祀られる「闇龗神」と呼び名は違えど、同じ神であるとされるという
 → 『釈日本紀』には「龗」という漢字は「龍蛇の類をいう」と記されるという
 → 『ホツマツタヱ』ではミヅハメ(ミヅハノメ)、トヨタマヒメ、フナタマ(船霊)を祀ると記されている

本宮の境内社

人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]
白鬚社
人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]
牛一社
人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]
川尾社
人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]
鈴鹿社
人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]
祖霊社

本宮の境内社は以下の通りです。

・白髭社(しらひげしゃ):猿田彦命(サルタヒコ)を祀る
 → 当社では延命長寿の神として祀られる
・牛一社(ぎゅういちしゃ):木花開耶姫命(コノハナサクヤヒメ)を祀る
 → 古伝では牛鬼とされる
 → 丑の年の丑の月の丑の日の丑の刻に降臨した貴船大神の伴神とされる
・川尾社(かわおしゃ):罔象女命(ミヅハノメ)を祀る
 → 往古は思い川にあって、河水を主宰する神であったとされる
・鈴鹿社(すずかしゃ):大比古命(オオヒコ)を祀る
 → 古伝では皇大神宮(アマテラスを祀る社)であったとされる
 → 元は本社裏手の鈴鹿谷の上にあり、往古より伊勢の大神を祀っていたと云われる
・祖霊社(それいしゃ):社人・氏子・崇敬者の御霊を祀る

神紋

人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]
左頭三つ巴
人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]
二葉葵

貴船神社には「左頭三つ巴」と「二葉葵」という二つの神紋が用いられています。

一説に、「左頭三つ巴」は水を司る神を祀っていることから"水の紋"として用いられているとされ、「二葉葵」は平安時代から明治4年まで上賀茂神社の第二摂社とされていたために用いられているとされているそうです。

なお、『ホツマツタヱ』という文献によれば、「葵」と「桂」は天孫のニニキネ(ニニギ)および、御子のヒコホオテミ(ヒコホホデミ)と妻のトヨタマヒメに所縁の深いシンボルとされ、ヒコホオテミとトヨタマヒメが仲違いした際にミヅハメノヤシロ(貴船神社に比定)にてニニキネが間を取り持ったという逸話が記されています。

その際、ニニキネがトヨタマヒメを説得した説明の中に「ミソロノタツ(海・山・里の三生きを悟って満ち至った竜の極み)」と「アオイ・カツラ(夫婦の象徴)」という要素が出てくることから、何処となく 神紋の由縁となっているを示しているように思われます。

参考:ホツマツタヱ26文 産が屋 葵桂の文

境内の見どころ

本宮参道

人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]

本宮の参道です。

石段の両側に赤く塗られた灯篭が配されており、優美な雰囲気を醸し出しています。

なお、11月の一定期間中は、日没から21時頃までライトアップされるそうです。

石庭(天津磐境)

人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]

本宮にある石庭です。

昭和期に造成された石庭で、古代人が神を祀った天津磐境(あまついわさか)をイメージしているとされています。

御神木

人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]

本宮の御神木です。

樹高30メートル、樹齢400年の桂の木であり、根元から幾つもの枝が天に向かって聳え立っています。

これは、大地から龍の如く神気が立ち昇っていることを現しているとされています。

なお、貴船は古くは「気生嶺」「気生根」とも表記され、大地の気が生じる嶺・根源を意味しているそうです。

絵馬発祥の社

人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]

本宮にある絵馬発祥の社です。

案内板によれば、かつて貴船神社は 歴代天皇より神馬が奉納されることが慣習となっていたとされます。

しかし、時には生馬の換わりに「板立馬」を賜ったとされ、それが絵馬の原形になったと云われているそうです。

なお、晴れを願う時には白馬が、雨を願う時には黒馬が奉納されたと云われています。

絵馬殿

人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]

本宮の絵馬殿です。

参詣者の休憩所になっています。

えんむすび絵馬

人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]

本宮の縁結び絵馬です。

当社には"縁結びの神"としての信仰があり、また絵馬発祥の地を謳っていることから絵馬奉納の人気が高いようです。

なお、絵馬のデザインには"神馬""龍神""和泉式部"の3種があるとされています。

本殿

人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]

本宮の本殿です。

現在の社殿は2007年に改築されたものとされています。

神水(水占齋庭)

人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]

本宮にある神水です。

水を司る神を祭神とする貴船神社ですが、この神水について案内板では以下のように説明されています。

1.自ら活動して他を働からしむるは水なり
2.常に自ら進路を求めて止まざるは水なり
3.自ら清くして、他の汚水を洗い、清濁併せ容るる量あるは水なり
4.障害に逢い、激しく その勢力を百倍するは水なり
5.洋々として大洋を充たし、発して蒸気となり、雲となり、雪と変じて霰と化し、凝っては玲ろうたる鏡となる。而もその性を失わざるは水なり

このように水を讃える説明が為されていますが、この水は"日本のルルドの泉※"とも云われており、癒しの効果が期待できると云われているそうです。そのため、この水を汲みに来る人も多いとされています。なお、実際に飲んでみると、やや苦みがあるように感じました(あくまで個人的な感想です)。

また、水占おみくじを行う場所にもなっているため、"水占齋庭(みずうらゆにわ)"とも呼ばれています。

※ルルドの泉:フランス南部にある聖泉で、聖母マリアが現われて泥水を清水に変えたと云われる。この水は飲めば万病平癒に効果があるとされる。

水占おみくじ

人文研究見聞録:貴船神社・本宮 [京都府]

貴船神社の水占おみくじです。

水に浸すことで結果が出る水みくじの一種であり、参拝客の人気を集めているそうです。

なお、貴船神社のおみくじには「大凶」が存在するとされています。

関連項目

貴船神社・参道
貴船神社・結社
貴船神社・奥宮
貴船神社にまつわる伝説

料金: 無料
住所: 京都府京都市左京区鞍馬貴船町180(マップ
営業: 6:00~18:00(夏季は20:00)
交通: 貴船口駅(徒歩26分)

公式サイト:http://kifunejinja.jp/index.html

スポンサーリンク


0 件のコメント :

コメントを投稿