太宰府天満宮 [福岡県]
2017/10/29
福岡県太宰府市にある太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)です。
学問の神として知られる菅原道真公を祀る天満宮の総本社であり、道真公の墓所に始まるとされます。
境内は非常に広くて見どころも多く、名物の梅ヶ枝餅が周辺の至るところで販売されています。
神社概要
由緒
由緒書などによれば、朝廷で右大臣として活躍していた菅原道真公が、昌泰4年(901年)に政敵であった左大臣・藤原時平の讒言によって謀反の罪を得て 大宰府に左遷されることになり、延喜3年(903年)2月25日に大宰府政庁の南館(現在の榎社)で薨去したとされます。
道真公の死後、門弟であった味酒安行(うまさけやすゆき)が遺体を牛車に乗せて進んでいたところ、牛が臥して動かなくなったことから、これを道真公の御心によるものであろうと捉えて この地に埋葬することになり、延喜5年(905年)に墓所の上に祀廟(しびょう)が創建され、延喜19年(919年)には勅命によって社殿も建立されたそうです。
その後、道真公の無実が証明されると「天満大自在天神(てんまだいじざいてんじん)」という神号を贈られ、以来「天神さま」と崇められるようになったとされています。
なお、由緒書による説明は以下の通りです。
【太宰府天満宮 由緒】
菅原道真公は承和12年6月25日 京都の菅原院にて御生誕、国家の隆盛と文化の発展に尽され、延喜3年2月25日 配所榎寺において清明の一生を終えられ、現在の御本殿の地に葬り、菅聖廟安楽寺天満宮と称えて奉仕す。誠道守護・学業成就・除災招福の信仰厚く、全国天満宮の総本社とも仰がれる御社であります。
菅原道真公は承和12年6月25日 京都の菅原院にて御生誕、国家の隆盛と文化の発展に尽され、延喜3年2月25日 配所榎寺において清明の一生を終えられ、現在の御本殿の地に葬り、菅聖廟安楽寺天満宮と称えて奉仕す。誠道守護・学業成就・除災招福の信仰厚く、全国天満宮の総本社とも仰がれる御社であります。
祭神
太宰府天満宮の祭神は以下の通りです。
境内社
摂社
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太宰府天満宮の摂社は以下の通りです。
・楓社:宣来子命(道真公の夫人)を祀る
・福部社:島田忠臣公(道真公の恩師)を祀る
・老松社:是善卿(道真公の父)・伴氏(道真公の母)を祀る
・御子社:高視命(道真公の長男)を祀る
・御子社:景行命(道真公の次男)を祀る
・御子社:兼茂命(道真公の三男)を祀る
・御子社:淳茂命(道真公の四男)を祀る
・野見宿禰社:野見宿禰(菅家祖神)を祀る
・靏寿尼社:靏寿尼(道真公の伯母)を祀る
・大夫社:度会春彦大夫(道真公の左遷の随従者)を祀る
・宰相和泉社:輔正命(道真公の四世孫)・定義命(道真公の六星孫)を祀る
・御霊社:菅家祖先の霊魂を祀る
・天穂日命社:天穂日命(菅家祖神)を祀る
・福部社:島田忠臣公(道真公の恩師)を祀る
・老松社:是善卿(道真公の父)・伴氏(道真公の母)を祀る
・御子社:高視命(道真公の長男)を祀る
・御子社:景行命(道真公の次男)を祀る
・御子社:兼茂命(道真公の三男)を祀る
・御子社:淳茂命(道真公の四男)を祀る
・野見宿禰社:野見宿禰(菅家祖神)を祀る
・靏寿尼社:靏寿尼(道真公の伯母)を祀る
・大夫社:度会春彦大夫(道真公の左遷の随従者)を祀る
・宰相和泉社:輔正命(道真公の四世孫)・定義命(道真公の六星孫)を祀る
・御霊社:菅家祖先の霊魂を祀る
・天穂日命社:天穂日命(菅家祖神)を祀る
末社
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太宰府天満宮の末社は以下の通りです。
・今王社:本殿を遥拝するための社
・志賀社:綿津見三柱神を祀る(国指定重要文化財)
・保食社:保食神を祀る
・人丸社:柿本人麻呂を祀る
・尊意社:法性坊尊意霊を祀る
・櫛田社:大若子神を祀る
・高良社:武内宿禰命を祀る
・竈門社:玉依姫命を祀る
・素佐雄社:素盞雄命を祀る
・金刀比羅社:大物主神を祀る
・皇大神宮:天照大神を祀る
・中島神社:田道間守命(菓子の祖)を祀る
・祖霊社
・志賀社:綿津見三柱神を祀る(国指定重要文化財)
・保食社:保食神を祀る
・人丸社:柿本人麻呂を祀る
・尊意社:法性坊尊意霊を祀る
・櫛田社:大若子神を祀る
・高良社:武内宿禰命を祀る
・竈門社:玉依姫命を祀る
・素佐雄社:素盞雄命を祀る
・金刀比羅社:大物主神を祀る
・皇大神宮:天照大神を祀る
・中島神社:田道間守命(菓子の祖)を祀る
・祖霊社
関連知識
天満宮と牛
太宰府天満宮の案内板によれば、道真公は遺言として「遺骸を牛舎に乗せて人に引かせず、牛の赴くところに留めよ」と言ったとされ、その通りに牛が止まった場所に葬られたとされています。この他にも道真公には牛にまつわる逸話が多数あり、具体的には以下の様なものがあります。
・承和12年(845年)乙牛6月25日(丑年)に道真公は生誕した
・貞観元年(859年)己卯月2月乙丑、元服の夜に白牛が角を挫いて死ぬ夢を見た道真公は牛を画き、酒を供えて尊拝した
・寛平5年(893年)癸丑9月、茸狩りの宴の際に道真公の前に敬う様子の小牛が現れたので、喜んで館に連れ帰った
・道真公が太宰府に向かう途中で時平の刺客に襲われた際、都で育てた牛が飛び出て刺客の腹を突き刺して助けたという
・道真公の神号「天満大自在天神」における「大自在天神」は、仏教において白牛に乗るとされている
・道真公の神号「日本太政威徳天」は密教の大威徳明王に由来し、牛に騎乗する姿で表現されている
・天満宮でおなじみの臥牛像に諸病平癒の力があると考えられたのは、道真公が牛車を引く牛を可愛がったことに由来する
・貞観元年(859年)己卯月2月乙丑、元服の夜に白牛が角を挫いて死ぬ夢を見た道真公は牛を画き、酒を供えて尊拝した
・寛平5年(893年)癸丑9月、茸狩りの宴の際に道真公の前に敬う様子の小牛が現れたので、喜んで館に連れ帰った
・道真公が太宰府に向かう途中で時平の刺客に襲われた際、都で育てた牛が飛び出て刺客の腹を突き刺して助けたという
・道真公の神号「天満大自在天神」における「大自在天神」は、仏教において白牛に乗るとされている
・道真公の神号「日本太政威徳天」は密教の大威徳明王に由来し、牛に騎乗する姿で表現されている
・天満宮でおなじみの臥牛像に諸病平癒の力があると考えられたのは、道真公が牛車を引く牛を可愛がったことに由来する
天満宮と鷽
大宰府天満宮を始めとする天満宮では毎年の正月頃に「鷽替え神事(うそかえしんじ)」という神事が行われます。この神事は「去年の悪しき(凶事)は嘘(鷽)となり、吉(よき)に取り(鳥)替えん」として、神社から授かった木彫りの鷽を参拝者同士で取替えて幸せを願うものとされ、天満宮において鷽は幸せを運ぶ鳥とされています。
また、鷽は天満宮の守り鳥とも言われており、その根拠として以下の様な逸話があるそうです。
・道真公が蜂の大群に襲われた時、鷽の群れが蜂を食べて救った
・天満宮建築のときに材木に虫食いが発生した際、鷽が虫を退治した
・漢字の「鷽」の字が「学(學)」の字に似ているため、学問の神とされる道真公に結び付けられた
・天満宮建築のときに材木に虫食いが発生した際、鷽が虫を退治した
・漢字の「鷽」の字が「学(學)」の字に似ているため、学問の神とされる道真公に結び付けられた
境内の見どころ
鳥居
太宰府天満宮の鳥居です。
太宰府駅から歩いてすぐのところにあります。
門前町
太宰府天満宮の門前町です。
名物の梅ヶ枝餅屋のほか、土産屋や飲食店などが立ち並んでいます。
境内の石鳥居
太宰府天満宮の石鳥居です。
鳥居の向こうには、御神橋・今王社・志賀社があります。
御神橋
太宰府天満宮の御神橋です。
この御神橋は太鼓橋・平橋・太鼓橋の三橋からなり、それぞれが過去・現在・未来を表しているとされます。
また、橋の下の池は「心」の字形になっていることから「心字池」と呼ばれているそうです。
絵馬殿
太宰府天満宮の絵馬殿です。
手水舎
太宰府天満宮の手水舎です。
麒麟像
太宰府天満宮の麒麟像(きりんぞう)です。
案内板によれば、麒麟は聖人が王道を行う際に現れるとされ、道真公の聖徳を讃えるものとされています。
鷽像
太宰府天満宮の鷽像(うそぞう)です。
鷽は毎年1月の鷽替え神事に因む鳥で、一年中の嘘を天神様の誠心と取り替えるといわれているそうです。
また、幸運を運ぶ天満宮の守り鳥とも言われています。
和魂漢才碑
太宰府天満宮の和魂漢才碑です。
和魂漢才(わこんかんさい)とは、日本固有の精神と中国伝来の学問、また両者が合すること意味しているとされます。
この言葉は道真公の学識と教学を言い表した言葉とされ、江戸時代に学者や志士らによって建てられたそうです。
御神牛
太宰府天満宮の御神牛です。
天満宮でおなじみの牛像であり、身体の患部と同じ場所を触って祈念すると病気が治ると病気が治ると言われています。
また、牛の頭を触って祈念すると知恵が付くとも言われているそうです。
なお、境内には全部で12頭の牛が居ると言われています。
鹿像
太宰府天満宮の鹿像です。
楼門
太宰府天満宮の楼門です。
大正3年(1914年)の再建であり、前後で形状の異なる珍しい形の楼門とされています。
飛梅
太宰府天満宮の飛梅です。
道真公を慕って都から一夜で飛んできたと伝えられている梅の木となっています。
本殿
太宰府天満宮の本殿です。
焼失などの変遷を経て天正19年(1591年)に竣工した建物であり、国の重要文化財に指定されています。
本殿の狛犬
太宰府天満宮の本殿の狛犬です。
身体は白色で、リアルな黒目が埋め込まれています。
おみくじ
太宰府天満宮のおみくじです。
絵馬
太宰府天満宮の絵馬です。
裏拝殿
太宰府天満宮の裏拝殿です。
天満宮では割りと多い形となっています。
厄晴れひょうたん
太宰府天満宮の厄晴れひょうたんです。
不思議な霊力の籠もるひょうたんに厄除や祈願を書いた紙を入れ、除災招福を祈念するものとされています。
崇敬者会観(菅公歴史館)
太宰府天満宮の崇敬者会観です。
全国の崇敬者を迎える施設であり、中には道真公の来歴を伝える菅公歴史館(有料)もあります。
梅の種 納め所
太宰府天満宮の梅の種 納め所です。
古来より天神様が宿ると伝えられており、梅の種を納める所とされています。
相輪塔
太宰府天満宮にある相輪塔(そうりんとう)です。
伝教大師(最澄)によって伝えられた仏塔であり、全国に8基ある内の1基であるとされています。
庖丁塚
太宰府天満宮の庖丁塚(ほうちょうづか)です。
使い古した包丁を納めて調理した動植物などの霊を慰める場所とされています。
野見宿禰碑
太宰府天満宮の野見宿禰碑(のみのすくねひ)です。
相撲の祖であり、道真公の祖先に当たる野見宿禰を讃える石碑であり、手前に力石が奉納されています。
筆塚
太宰府天満宮の筆塚です。
書道三聖と崇められた道真公にちなんで、使い古した筆を納める場所とされています。
宝物館
太宰府天満宮の宝物館(有料)です。
道真公にまつわる宝物など、約5万点の文化財が収蔵されています。
菖蒲池
太宰府天満宮の菖蒲池です。
曲水の庭
太宰府天満宮の曲水の庭です。
毎年3月の第1日曜日に、王朝文化の宴を再現した曲水の宴が催されるそうです。
境内の土産屋
太宰府天満宮の境内の土産屋です。
天界稲荷方面と九博方面にあり、名物の梅ヶ枝餅などが販売されています。
だざいふ遊園地
太宰府天満宮の境内付近にはだざいふ遊園地があります。
九州国立博物館
太宰府天満宮の境内付近には九州国立博物館があります。
なお、太宰府天満宮の境内から連絡通路を通じて入ることも出来ます。
料金: 無料(宝物館400円、歴史館200円)※詳細は公式で
住所: 福岡県太宰府市宰府4-7-1(マップ)
営業: 6:30~18:30(季節によって変わる)※詳細は公式で
交通: 太宰府駅(徒歩8分)
公式サイト: http://www.dazaifutenmangu.or.jp/
住所: 福岡県太宰府市宰府4-7-1(マップ)
営業: 6:30~18:30(季節によって変わる)※詳細は公式で
交通: 太宰府駅(徒歩8分)
公式サイト: http://www.dazaifutenmangu.or.jp/
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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