人文研究見聞録:豊国神社(千畳閣) [広島県]

広島県廿日市市の厳島(宮島)にある豊国神社(とよくにじんじゃ)です。

豊臣秀吉が建てた大経堂が神社となったもので、建物の広さから千畳閣(せんじょうかく)と通称されています。

なお、現在は厳島神社の境外末社になっており、祭神に豊臣秀吉・加藤清正の霊を祀っています。


神社概要

由緒


公式サイトによれば、天正15年(1587年)に豊臣秀吉が千部経を読誦するために安国寺恵瓊に建立を命じた大経堂に始まり、明治5年(1872年)に秀吉霊神を祭神とし、豊国神社と改称して現在に至るとされています。

なお、当社は宮島で最も大きな建物で畳857枚分の広さがあることから千畳閣と呼ばれており、秀吉の没後に工事が中止されたことから、今も板壁や天井がない未完成のままになっています。

祭神


豊国神社の祭神は以下の通りです。

・豊臣秀吉霊神
・加藤清正霊神

境内の見どころ

本殿


人文研究見聞録:豊国神社(千畳閣) [広島県]

豊国神社の本殿です。

本殿内部


人文研究見聞録:豊国神社(千畳閣) [広島県]

豊国神社の本殿内部です。

吹き抜けになっているので、風通しがよく、とても涼しくなっています。


人文研究見聞録:豊国神社(千畳閣) [広島県]

豊国神社の本殿内部の祠です。

ここに祭神が祀られており、周辺にはしゃもじが奉納されています。

しゃもじ


人文研究見聞録:豊国神社(千畳閣) [広島県]

豊国神社には巨大なしゃもじが多数奉納されています。

また、かつては千畳閣の柱にしゃもじを打ち付ける風習もあったそうです。

しゃもじは宮島土産としても有名ですが、千畳閣に奉納する理由は別にあります。

それは「飯取る」と「召し捕る」との語呂合せから、戦勝祈願の縁起物と考えられたからだそうです。

そのため、戦争の多かった明治頃にしゃもじを奉納することが流行ったといわれています。

なお、その痕跡は柱の傷として今でも見ることができます。

本殿から見える厳島神社


人文研究見聞録:豊国神社(千畳閣) [広島県]

豊国神社の本殿から見た厳島神社の風景です。

五重塔


人文研究見聞録:豊国神社(千畳閣) [広島県]

豊国神社の五重塔です。

応永14年に建造された高さ29.3mの塔で、国の重要文化財に指定されています。

料金: 一般100円、小中学生50円
住所: 広島県廿日市市宮島町1-1(マップ
営業: 8:30~16:30
交通: フェリー乗り場(徒歩10分)

公式サイト: http://www.itsukushimajinja.jp/setumatusya.html
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。