人文研究見聞録:岡山神社 [岡山県]

岡山県岡山市にある岡山神社(おかやまじんじゃ)です。

平安時代に創建された古社で、主祭神に倭迹迹日百襲姫命を祀っています。

備前岡山の総鎮守であり、延命長寿・商売繁盛・交通安全・縁結びなどの神として知られているそうです。


神社概要

由緒


公式サイト等によれば、当社は清和天皇貞観年中(860年)に創建された神社で、当初は岡山という今の岡山城本丸の地に鎮座していて「坂下の社(さかおりのやしろ)」もしくは「酒折宮(さかおりのみや)」と呼ばれていたそうです。

その後、永禄年中(1558~1570年)に「岡山大明神」と社名を改め、天正元年(1573年)に岡山に入城した宇喜多直家が岡山城を築くにあたって現在地に社領を寄附し、そこに遷して岡山城の守護神としたとされ、本殿は宇喜多秀家が造り、拝殿以下は小早川秀秋が造営したとされます。また、池田家が城主の時には城内鎮守として特別に崇敬され、社領として三百余石の寄附を受けたそうです。

なお、当社は万治年中(1658~1661年)以後は「酒折宮(さかおりぐう)」と号していましたが、明治15年(1882年)より社号を「岡山神社」と改めて現在に至るとされます。また、建物については昭和20年(1945年)の岡山大空襲によって被災し、随神門と末社数社以外を焼失してしまったため、昭和33年(1958年)に本殿を造営し、昭和50年(1975年)に拝殿、幣殿を造営したとされています。

祭神


岡山神社の祭神は以下の通りです。

【主祭神】

・倭迹迹日百襲姫命(ヤマトトトビモモソヒメ):第7代孝霊天皇の皇子であり、吉備津彦命の姉に当たる
 → 霊能力に長けた巫女的な女性であり、神懸って神託を告げたり、謀反の予言を行ったりしたとされる
 → 陵墓は奈良県桜井市にある大市墓(箸墓古墳)に治定されている

【相殿神】

・日本武尊(ヤマトタケル):第12代景行天皇の皇子であり、九州の熊襲と東北の蝦夷を征伐したとされる
・吉備津彦命(キビツヒコ):第7代孝霊天皇の皇子であり、四道将軍の1人で岡山には温羅という鬼を討ったという伝承がある
・大山昨命(オオヤマクイ):山背国を開拓したとされる比叡山の神(山王神)
・倉稻魂命(ウカノミタマ):稲荷神であり、スサノオの御子神とされる(稲荷大神)
・武安霊命(タケヤスビ):江戸前期の大名である池田光政(いけだみつまさ)のこと(備前岡山藩初代藩主)
・妹姫命(イモヒメ)

境内社


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天満宮
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清光稲荷・日吉神社
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稲荷神社
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荒神社
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十七末社
人文研究見聞録:岡山神社 [岡山県]
天照大神

岡山神社の境内社は以下の通りです。

・天満宮:菅原道真を祀る
・清光稲荷 日吉神社:大山祇命・倉稲魂命を祀る
・稲荷神社:倉稲魂命・猿田彦命・大宮売命を祀る
・荒神社:奥津彦命・奥津姫命・火産霊命を祀る
・十七末社:内宮・外宮・八剣社・西六社・東六社・大国神社・住吉神社・宇賀神社・道祖神社・愛宕神社・七社・疫神社・八幡宮・金光社・双祖霊社・会魂社・鎮心霊社
・天照大神(社日)

境内の見どころ

鳥居


人文研究見聞録:岡山神社 [岡山県]

岡山神社の鳥居です。

随神門


人文研究見聞録:岡山神社 [岡山県]

岡山神社の随神門です。

延亭2年(1745年)に池田継政によって造立された建物で、切妻造・本瓦葺となっています。

岡山大空襲で焼け残った数少ない近世建造物で、岡山市の重要文化財に指定されています。

狛犬


人文研究見聞録:岡山神社 [岡山県]
人文研究見聞録:岡山神社 [岡山県]

岡山神社の狛犬です。

拝殿


人文研究見聞録:岡山神社 [岡山県]

岡山神社の拝殿です。

本殿


人文研究見聞録:岡山神社 [岡山県]

岡山神社の本殿です。

料金: 無料
住所: 岡山県岡山市北区石関町2-33(マップ
営業: 9:00~16:30
交通: 岡山駅(徒歩18分)

公式サイト: https://www.okayama-jinjya.or.jp/
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。