明日香村の猿石 [奈良県]
2015/03/22
奈良県の明日香村の謎の石像である猿石(さるいし)です。
このページでは明日香村に存在する5種類の猿石について解説しています。
猿石について
概要
5種の猿石 |
猿石(さるいし)とは、明日香村に5種類存在する奇妙な人型の石造物のことを指します。
なぜ「猿石」と呼ばれるようになったのかは不明ですが、朝鮮半島にも類似する石像が発見されていることから、通説では渡来人を模った石像であるとされており、吉備姫王墓内には「女」「山王権現」「僧(法師)」「男」の4種類が、高取城跡への登山道に1種類が安置されています。
歴史については、江戸時代の元禄15年(1702年)に梅山古墳(欽明天皇陵)付近にあった平田村池田(小字池田)という田んぼの中から発掘され、しばらく古墳の南側に安置されており、明治初期に現在の場所に移されたそうです。また、『今昔物語集』には「欽明天皇陵の堀の岸に石の鬼形を立てた」との記載があるとされています。
なお、これらの像の材質は花崗岩で飛鳥の石造物と共通しています。
猿石が見られる場所
吉備姫王墓 |
上記の猿石は、レプリカを含めて以下の場所で見ることができます。
・吉備姫王墓(女・山王権現・僧・男)
→ 奈良県明日香村平田(マップ)
・高取城跡(高取の猿石)
→ 奈良県高市郡高取町大字高取(マップ)
・飛鳥資料館(全種のレプリカ)
→ 奈良県高市郡明日香村奥山601(マップ)
・明日香村埋蔵文化財展示室(全種のレプリカ)
→ 奈良県明日香村大字飛鳥225−2(マップ)
→ 奈良県明日香村平田(マップ)
・高取城跡(高取の猿石)
→ 奈良県高市郡高取町大字高取(マップ)
・飛鳥資料館(全種のレプリカ)
→ 奈良県高市郡明日香村奥山601(マップ)
・明日香村埋蔵文化財展示室(全種のレプリカ)
→ 奈良県明日香村大字飛鳥225−2(マップ)
吉備姫王墓内の猿石
女
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吉備姫王墓内にある「女」と名付けられている猿石です。
この像には以下のような特徴があります。
・全体的に細長い形状である(人間には見えない)
・頭髪らしき彫刻は見当たらない
・大きな目と大きな口を持っている
・頸椎が異様に太い
・鼻が見当たらず、爬虫類の様な頭の形をしている
・二面石の要素を持ち、背部には鳥の顔のような彫刻がなされている
・よくみると乳房がある(レプリカで見ると分かりやすい)
・性器を露出しているような形であり、表面は平坦である
・頭髪らしき彫刻は見当たらない
・大きな目と大きな口を持っている
・頸椎が異様に太い
・鼻が見当たらず、爬虫類の様な頭の形をしている
・二面石の要素を持ち、背部には鳥の顔のような彫刻がなされている
・よくみると乳房がある(レプリカで見ると分かりやすい)
・性器を露出しているような形であり、表面は平坦である
以上のことから、性別が判別できる点で「女」と名付けられたものと思われます。
また、飛鳥坐神社にも同様の特徴を持つ石像(塞の神)が見られます。
山王権現
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吉備姫王墓内にある「山王権現」と名付けられている猿石です。
この像には以下のような特徴があります。
・目・鼻・口が以上に大きい(いわゆる日本人っぽくは無く、アメリカインディアンっぽい)
・逆立った頭髪のような彫刻が為され、リング状のものを頭に付けているように見える
・二面石の要素を持ち、背部には化物(鬼)のような顔がハッキリと刻まれている
・頭部から背部にかけて、ハッキリと色が違う(素材も違うのか?)
・性器を露出しているような形であり、明確に男性器が刻まれている
・逆立った頭髪のような彫刻が為され、リング状のものを頭に付けているように見える
・二面石の要素を持ち、背部には化物(鬼)のような顔がハッキリと刻まれている
・頭部から背部にかけて、ハッキリと色が違う(素材も違うのか?)
・性器を露出しているような形であり、明確に男性器が刻まれている
なお、「山王権現」とは比叡山の神であり、日吉大社の祭神・大山咋神と同一視されています。
しかし、なぜ このような名前が付けられたのかは不明です。
僧(法師)
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吉備姫王墓内にある「僧(法師)」と名付けられている猿石です。
この像には以下のような特徴があります。
・頭が丸い
・目・鼻が大きい(いわゆる日本人っぽくは無く、黒人っぽい)
・がたいの良い体つきをしている
・全体的に筋が多く彫られている
・背部には肋骨の様な筋が刻まれ、よく見ると手が回されているようにも見える
・性器は彫られていない
・尻が割れている
・目・鼻が大きい(いわゆる日本人っぽくは無く、黒人っぽい)
・がたいの良い体つきをしている
・全体的に筋が多く彫られている
・背部には肋骨の様な筋が刻まれ、よく見ると手が回されているようにも見える
・性器は彫られていない
・尻が割れている
以上のことから、見た目で「僧(法師)」と名付けられたものと思われます。
男
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吉備姫王墓内にある「男」と名付けられている猿石です。
この像には以下のような特徴があります。
・頭が細長い(烏帽子を被っているようにも見える)
・のっぺりとした顔立ちであり、目が小さく鼻と口が大きい(いわゆる日本人に近い)
・横から見ると頭部は薄っぺらい形である
・寸胴な体格をしている
・笑顔に見える
・背面には土下座している男のような彫刻が見られる(顔は似ている)
・性器を露出しているような形であり、うっすらと男性器が彫られている
・のっぺりとした顔立ちであり、目が小さく鼻と口が大きい(いわゆる日本人に近い)
・横から見ると頭部は薄っぺらい形である
・寸胴な体格をしている
・笑顔に見える
・背面には土下座している男のような彫刻が見られる(顔は似ている)
・性器を露出しているような形であり、うっすらと男性器が彫られている
以上のことから、性別が判別できる点で「男」と名付けられたものと思われます。
高取城付近の猿石
高取の猿石
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高取城の登山道の途中にある「高取の猿石」です。
この像には以下のような特徴があります。
・頭部が異常に大きい
・目・鼻・耳が大きく、一番 猿っぽい
・背部には何かしらの彫刻があるが破損している
・目・鼻・耳が大きく、一番 猿っぽい
・背部には何かしらの彫刻があるが破損している
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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