人文研究見聞録:国立民族学博物館 [大阪府]

万博記念公園の敷地内にある国立民族学博物館(こくりつみんぞくがくはくぶつかん)です。通称 民博(みんぱく)と呼ばれています。

ここでは世界各国の民族に関する文化や風習、歴史などを学ぶことができます。また、日本全国の文化なども都道府県別に特集されているので、民族学に興味のある方にはオススメのスポットです。

ちなみに、日本全国の方言で再現された「桃太郎」の音声展示は一聴の価値があります(特に島根県)。


太陽の石(アスティック・カレンダー)

人文研究見聞録:国立民族学博物館 [大阪府]

国立民族学博物館では、「太陽の石(たいようのいし)」のレプリカを見ることができます。

太陽の石とは、古代アステカ王国の皇帝の命によって作られたとされる暦石であり、地球誕生から現在に至るまでの数々の時代と人類の歴史が刻まれていると言われています。また、「アステカの暦石」、「アスティック・カレンダー」とも呼ばれています。

太陽の石の説明によると、歴石の中央に描かれたアステカ神話の太陽神トナティウを中心に4つの太陽が描かれており、この5つの太陽が、これまでに滅んだ4つの時代と5番目の時代である現世の終末の日を描いているとされています。

また、これまでに滅んだ4つの時代とは、

  • 第一の太陽:ジャガーの時代(最初の時代はジャガーによって滅んだ)
  • 第二の太陽:風の時代(2番目の時代は風によって滅んだ)
  • 第三の太陽:火の時代(3番目の時代は火によって滅んだ)
  • 第四の太陽:水の時代(4番目の時代は水によって滅んだ)

と言われており、現在が第五の太陽である太陽の時代とされているそうです。※1


ナワル

人文研究見聞録:国立民族学博物館のナワル

国立民族学博物館に展示されているナワルのオブジェです。

ナワルとは、メソアメリカ地域に伝わる鳥獣に変身する能力を持つとされる人(または変身後の姿)のことで、同地域の先住民の信仰では、「人間は誰でも精霊を宿しており、精霊はその陰の存在である」と考えられているそうです。

そして、「もうひとりの自我」である精霊の力を使うことによって、鳥獣に変身できるとされています(デビルマンのようなニュアンスですかね?)。


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料金: 一般420円 小・中学生250円(万博記念公園の有料区域を迂回して入館できます)
住所: 大阪府吹田市千里万博公園10-1
営業: 10:00~17:00、毎週水曜、年末年始休業
交通: 公園東口駅(徒歩15分)

公式サイト:
http://www.minpaku.ac.jp/

※1 太陽の石に刻まれた未来:太陽の石には、「第五の時代は火山の大爆発と食糧危機と大地震によって終わる」ということが刻まれており、その日付は2011年12月24日とされている(日付を既に通過してしまっていることに伴い、計算違いであるという説もある)。しかし、太陽の石には第五に続き、第六、第七の時代についても刻まれているとされている。なお、第六の時代は月の時代だと言われている。
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。