人文研究見聞録:天橋立神社(天橋立大明神) [京都府]

京都府宮津市にある天橋立神社(あまのはしだてじんじゃ)です。天橋立の途中にあります。

別名「天橋立大明神」とも言い、手水舎の磯清水が有名なことから「磯清水神社」とも呼ばれています。

祭神は明治の前後で異なり、社殿が三社存在した明治以前は、中央に豊受大神、左に大川大明神、右に八大竜王(海神)を祀っていたとされ、明治以降(現在)は、伊弉諾册命(イザナギ)を祀っているとされています。

なお、前者は天橋立を北に抜けた先にある元伊勢・籠神社および奥宮・真名井神社の祭神と重なります。

また、この神社はもともとは智恩寺の境内に鎮守社として建てられていたとされ、中世に製作された図画「天橋立図」などに社名の記載があることから、中世には既に現在地に鎮座していたと考えられているようです。

ちなみに、鳥居に妙に石が乗せられていますが、これは「天橋立で恋愛が成就したカップルが、記念に石を乗せていく」という俗習に則ったものなんだそうです。


磯清水

人文研究見聞録:天橋立神社(天橋立大明神) [京都府]

天橋立神社の磯清水(いそしみず)です。

これは天橋立神社の手水用の水とされる井戸水であり、「両側を海に挟まれた天橋立にあって、全く塩味のしない」という不思議な水とされています。ちなみに実際に口に含んでみても、全く塩味はしませんでした。

人文研究見聞録:天橋立神社(天橋立大明神) [京都府]
磯清水の出口

なお、平安中期の歌人・和泉式部の歌にも「橋立の 松の下なる 磯清水 都なりせば 君も汲ままし」と詠まれており、他に俳句にも「一口は 下に千金の 磯清水」とあることから、古くから人々に親しまれてきた由緒ある井戸水であるとされています。

そのため、環境庁の「名水百選」の一つとして認定を受けているんだそうです。

なお、飲用として提供されているわけでは無いため、飲み込まない方が無難だと思われます。

料金: 無料
住所: 京都府宮津市文珠
営業: 終日開放
交通: 天橋立駅(徒歩13分)
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。