染羽天石勝神社 [島根県]
2015/10/25
島根県益田市にある染羽天石勝神社(そめばあめのいわかつじんじゃ)です。
地元の高校の付近に鎮座しており、祭神に天石勝命(アメノイワカツ)と多数の天津神を祀っています。
神社概要
歴史
染羽天石勝神社は、古来より境内の弁天池の背後にある注連岩(しめいわ)を石神とした磐座信仰の形式で祀られており、奈良前期(725年)に天石勝命を祭神として創建されたと云われています。
なお、上古に大和より当地に移住してきた春日族がその祖神を祀ったものであるという伝承もあるようです。
平安期には『延喜式』の美濃郡五座に記される式内社となり、後に滝蔵権現と称して別当寺の勝達寺(しょうたつじ)を建立し、中世には益田氏の庇護を受けて発展したとされています。
その後、明治期の廃仏毀釈の影響で勝達寺は廃寺となり、瀧蔵権現は社名を染羽天石勝神社と改め、現在に至るとされています。
祭神
染羽天石勝神社の祭神は以下の通りです。
主祭神
・天石勝命(アメノイワカツ):『記紀』には登場しない神(磐座に宿る石神の名と思われる)
配祀神
・伊弉諾神(イザナギ):国産み・神産みの男神
・伊弉册神(イザナミ):国産み・神産みの女神
・天照大神(アマテラス):三貴子の一柱であり、皇室の祖神とされる
・國常立神(クニノトコタチ):『日本書紀』では初めて登場する神
・事解男神(コトサカノヲ):『日本書紀』の「イザナギの黄泉国訪問」に登場する神(熊野系の神社に多い)
・速玉男神(ハヤタマノヲ):『日本書紀』の「イザナギの黄泉国訪問」に登場する神(熊野系の神社に多い)
・忍穗耳神(オシホミミ):天照大神の子であり、瓊瓊杵神の父に当たる
・瓊瓊杵神(ニニギ):忍穗耳神の子であり、「天孫降臨」の際に日向の高千穂に天降った(皇室の氏神)
・彦火火出耳神(ヒコホホデミ):瓊瓊杵神の子であり、葺不合神の父に当たる(海幸山幸の山幸彦)
・葺不合神(ウガヤフキアエズ):彦火火出耳神の子であり、神武天皇の父に当たる
・軻遇突智神(カグツチ):火の神(誕生の際にイザナミが火傷して亡くなった)
・埴安姫神(ハニヤスヒメ):イザナミがカグツチを産み際の苦しみにより漏らした尿から誕生した
・天石勝命(アメノイワカツ):『記紀』には登場しない神(磐座に宿る石神の名と思われる)
配祀神
・伊弉諾神(イザナギ):国産み・神産みの男神
・伊弉册神(イザナミ):国産み・神産みの女神
・天照大神(アマテラス):三貴子の一柱であり、皇室の祖神とされる
・國常立神(クニノトコタチ):『日本書紀』では初めて登場する神
・事解男神(コトサカノヲ):『日本書紀』の「イザナギの黄泉国訪問」に登場する神(熊野系の神社に多い)
・速玉男神(ハヤタマノヲ):『日本書紀』の「イザナギの黄泉国訪問」に登場する神(熊野系の神社に多い)
・忍穗耳神(オシホミミ):天照大神の子であり、瓊瓊杵神の父に当たる
・瓊瓊杵神(ニニギ):忍穗耳神の子であり、「天孫降臨」の際に日向の高千穂に天降った(皇室の氏神)
・彦火火出耳神(ヒコホホデミ):瓊瓊杵神の子であり、葺不合神の父に当たる(海幸山幸の山幸彦)
・葺不合神(ウガヤフキアエズ):彦火火出耳神の子であり、神武天皇の父に当たる
・軻遇突智神(カグツチ):火の神(誕生の際にイザナミが火傷して亡くなった)
・埴安姫神(ハニヤスヒメ):イザナミがカグツチを産み際の苦しみにより漏らした尿から誕生した
染羽天石勝神社の伝説
染羽天石勝神社の創祀の由来として、下記の様な伝説が残されています。
手力男命(タヂカラオ)
昔、この土地には岩石がそびえており、住もうと思っても住めないので人々は困っていた。そこで、村人たちは集まって相談した結果、手力男命(タヂカラオ)の助けに預かろうということになった。
村人たちは一ヶ所に集って、一心に手力男命を祈念して開削に取り掛かった。すると、その固い岩が易々と穿たれて、いつの間にか一帯の地ができ、村人は大喜びしてそこに住むことにした。
そして手力男命の御恩を忘れないために村の名を「尊場(そめば)」とし、そこに手力男命を祀って岩勝神社を建立した。だが、尊場はいつの間にか染羽となったという。
昔、この土地には岩石がそびえており、住もうと思っても住めないので人々は困っていた。そこで、村人たちは集まって相談した結果、手力男命(タヂカラオ)の助けに預かろうということになった。
村人たちは一ヶ所に集って、一心に手力男命を祈念して開削に取り掛かった。すると、その固い岩が易々と穿たれて、いつの間にか一帯の地ができ、村人は大喜びしてそこに住むことにした。
そして手力男命の御恩を忘れないために村の名を「尊場(そめば)」とし、そこに手力男命を祀って岩勝神社を建立した。だが、尊場はいつの間にか染羽となったという。
なお、手力男命は「日本神話」の「天岩戸」に登場する神であり、天照大神(アマテラス)が岩戸に隠れた際に、その手を引いて岩戸から引っ張り出したという神です。
この伝説によれば神社の祭神とされたのは手力男命と思われますが、主祭神の天石勝命(アメノイワカツ)は、天手力男神(アメノタヂカラオ)なのでしょうか?
境内の見どころ
拝殿
染羽天石勝神社の拝殿です。
本殿は奥の階段の上にありますが、参拝は此処で行います。
本殿
染羽天石勝神社の本殿です。
三間社流造(さんげんしゃながれづくり)の特殊様式で建立され、重文指定の建立物の中で唯一とされています。
神楽殿
染羽天石勝神社の神楽殿です。
神楽などの奉納行事の際に使用されるものと思われます。
厳島社
染羽天石勝神社の境内社・厳島社(いつくしましゃ)です。
弁天池の傍に鎮座しており、背後の磐座が神社の御神体とされているようです。
なお、祭神は弁財天(市杵嶋姫命)であると思われます。
磐座
染羽天石勝神社の磐座(いわくら)です。
巨大な岩山になっており、厳島社から離れた場所には不動明王と思われる石仏を祀る祠があります。
石仏を祀る祠 |
奇石
染羽天石勝神社にある奇石です。
磐座の付近に祀られており、その形から陰陽石であると思われます(説明は無い)。
大元神社
染羽天石勝神社の境内社・大元神社(おおもとじんじゃ)です。
土着の農耕神とされる「大元神」を祀っていると思われます(付近に数多くある神社)。
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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