【当サイトについて】

・当ブログは「人文研究見聞録(じんぶんけんきゅうけんぶんろく)」と言います。
・このブログでは、著者が実際に見た・体験した「日本」についての記事を書いています。
・その他にも「日本神話」の独自研究についての記事なども書いています。
・サイト内のコンテンツについては、上部のメニューバーおよびサイト右側に配置したメニューを参照してください

2015年11月13日金曜日

お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

パワースポット巡りが流行する昨今、江戸時代より始まるとされる「お遍路(四国霊場巡礼)」を体験してきたので、自分の経験則からお遍路について簡単にまとめてみたいと思います。



お遍路の概要

お遍路とは?

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

お遍路とは、四国八十八箇所と呼ばれる空海(弘法大師)ゆかりの88ヶ所の寺院を巡礼することです。祈願を携えて全ての寺院を巡拝することで、祈願達成に近づく霊験を得られるとされています。

また、巡礼者は「お遍路さん」と呼ばれ、菅笠、白衣、金剛杖というスタイルで巡礼を行うことが一般的とされており、四国内ではこうした格好をしている人々を数多く見かけます。


お遍路の歴史

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

江戸時代頃から、庶民の間で西国三十三所観音霊場、熊野詣、善光寺参りなどの巡礼が流行するようになり、そのうちの一つとして四国八十八箇所霊場巡礼が行われるようになったとされています。

そして、17世紀に真念という僧によって『四国遍路道指南(しこくへんろみちしるべ)』というお遍路のガイドブックが書かれ、それに伴って霊場の順路を示した遍路道の「石造の道しるべ」も設置され始めたといわれています。


四国八十八箇所について

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

四国四県にはそれぞれ霊場が存在し、それらを併せた計88ヶ所の寺院四国八十八箇所と呼びます。

各県の霊場数は「徳島県(23寺)、高知県(16寺)、愛媛県(26寺)、香川県(23寺)」となっており、札所の順番は「徳島 → 高知 → 愛媛 → 香川」となっています。

また、88ヶ所の霊場寺院を結ぶ道を「遍路道(へんろみち)」といい、その距離は1100~1400km程度と言われています。

ちなみに、88ヶ所のいずれの寺院も空海(弘法大師)ゆかりの伝承が残されており、巡礼者が各地を巡っているときには常に空海(弘法大師)と共にあるという「同行二人(どうぎょうににん)」と呼ばれる思想が存在します。

※各地の寺院の情報は、記事末尾にまとめて記載します。


お遍路の方法

お遍路に必要なもの

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

お遍路に最低限必要とされるものをまとめておきます(ただし、個人的主観に基づく)。

・線香
・ロウソク
・ライター
・経本
・納経帳(朱印が必要な場合)
・納札(祈願がある場合)


お遍路の服装

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

お遍路に敬虔な人の場合は、以下のスタイルが相応しいと思われます。

・菅笠: 頭にかぶる笠であり、法具であるため寺院境内でも外す必要はないとされる
・白衣: お遍路中に行き倒れてもよいようにと、昔からある白装束の名残
・念珠: 納経中に必要とされる(ただし、有無は問われない)
・山谷袋: 線香、ロウソク、経本、納札などを入れておく小さなカバン(便利だと思うが、他で代用も可)
・金剛杖: 歩き遍路の必須アイテム(杖なしで歩き続けるとかなりキツイが、バス遍路などでは必要ないと思う)

ただし、お遍路の服装には規定はなく、いわゆる私服で巡拝している方も多く見られます。自分は半ば歩き遍路だったため、バックパッカー風のスタイルでの巡礼を行いました(そのため、形にこだわらない動きやすい服装です)。


参拝の手順

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

霊場寺院では、以下の順番で礼拝を行うことが作法とされています。

1.山門で合掌、一礼して入る
2.手水舎で手と口を清める(手水の作法と同様)
3.本堂に納札を納める(祈願がある人のみ)
4.本堂に参拝する(ロウソク1本、線香3本をあげて、賽銭をした後にお経をあげる)
5.大師堂に納札を納める(祈願がある人のみ)
6.大師堂に参拝する(ロウソク1本、線香3本をあげて、賽銭をした後にお経をあげる)
7.納経所にて朱印・御影を受ける(7:00~17:00まで、各寺300円)
8.山門で合掌、一礼して出る

なお、ロウソクには自分で火を付ける必要があるとされています(他のロウソクから点火すると、他人の業を貰うとため)。

また、経を納めることで巡拝に数えられるため、「水曜どうでしょう」のように写真だけ撮っても意味はないそうです。


読経の手順(四国遍路の小冊子による)

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

01.開経偈(かいきょうげ)
02.懺悔文(ざんげもん)
03.三帰(さんき)
04.三賁(さんきょう)
05.十善戒(じゅうぜんかい)
06.発菩提心真言(ほつぼだいしんごん)
07.三摩耶戒真言(さんまやかいしんごん)
08.般若心経(はんにゃしんぎょう)
09.十三仏真言(じゅうさんぶつしんごん)
10.光明真言(こうみょうしんごん)三遍
11.大師宝号(だいしごほうごう)三遍
12.廻向(えこう)

なお、読経の手順はガイドブックなどによって異なり、1度でも良いという説もあるようです(内容は経本などを参照)。


寺院の巡礼順について

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

寺院の巡礼順については特に決まりはなく、自分の都合に合わせて巡礼すればよいとされています。

ただし、一番札所である霊山寺(徳島県)では、遍路初心者用のガイドブックの配布や総合案内を行っているため、初心者は霊山寺をスタート地点にすることを強くオススメします。

ちなみに、寺院巡拝のこと「打つ」といい、それを以って「順打ち」や「逆打ち」などの巡礼順が確立しているとされています。そのため、それらの巡礼順を下記にまとめたいと思います。

・順打ち: 札所の順番どおりに霊場を廻ること
・逆打ち: 札所の順番の逆から霊場を廻ること(順打ち3回分の御利益があるといわれる)
・通し打ち: 1度の旅で八十八箇所霊場をすべて廻ること
・区切り打ち: 何回かに分けて霊場を廻ること
・乱れ打ち: 順序にこだわらずに霊場を廻ること
・一国参り: 1県ずつ分けて霊場を廻ること


お遍路の交通手段・日数・コスト

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

お遍路を為すには、四国四県の全てを廻る必要があるため、相当な日数とコストを要します。そのため、個人的な見解に基づいて、それらを下記の表にまとめてみました(参考程度に見てください)。

交通手段 日数 コスト(節約して計算) 備考
徒歩 40日 約25万円 交通事故のリスクあり(交通手段の変更可)
自動車・バイク 8~11日(最短5日) 約10万円(レンタカー代別) コスト・効率は良いが、味気ないとされる
バスツアー 8~14日 約20~30万円 団体参加で単価が安くなる
自転車 20日 約15万円 交通事故のリスクあり(交通手段の変更不可)
タクシー 12日 約30~50万円(一人の場合) 乗合だと単価が安くなる
朱印代(88ヶ所) 
300×88=26400円

なお、公共交通機関を使った歩き遍路を行う場合は、スマホを使った時刻表の見方とGPSを使った位置情報の把握をマスターしておくと、かなり効率よく霊場寺院を廻ることができます(個人的は「Yahoo!路線情報」と「Googleマップ」がオススメ)。


お遍路の感想

遍路人口について

連休時期に3泊4日程度で四国四県の霊場寺院を掻い摘んで廻ってみましたが、2015年現在の遍路人口はさほど多くはないようです。また、そのほとんどが地元(もしくは四国圏内の方)であり、県外からの訪問者は少なめであると思われます。

そのため、納経所で待ちが出ると思いきや、そうした事態には全く遭遇せず、割とスムーズに巡拝を進めることができました。ただ、バスツアーと遭遇すると朱印待ちが発生する可能性があるため、そうした場合には計画的に行動することをオススメします。


公共交通機関を使った歩き遍路について

今回は沿線上にある霊場寺院を中心に歩き遍路を行う「乱れ打ち」を敢行しました。

四国四県の県庁所在地の街並みはそれぞれ都会的であるものの、概ね車社会であるため、バスや鉄道といった公共交通機関がほとんど発達しておらず、一日に走る本数も限られています。

よって、公共交通機関を使った歩き遍路の場合、鉄道やバスの時間を厳守して寺院を廻ることが必要となり、前もってそれらを網羅した計画を立てておく必要があります。故にかなり非効率な方法だと感じました。

また、歩き遍路の場合、日々の疲労や怪我の痛みが蓄積されて足を痛めやすいので、体重の支点を分散するための杖(金剛杖など)は必須であると思われます(一旦、足を痛めてしまうと、睡眠だけではなかなか回復しないようです)。

なお、杖なしで歩いた場合は靴にも相当のダメージがあるようで、旅の最後には靴底が半分外れてしまいました…。


お遍路のコスパについて

あくまで個人的な見解ですが、自動車で霊場寺院を巡拝するのが一番無難で、かつ、効率的な方法だと思います。

というのも、遍路のコスパを考える上でネックになるのが宿泊費であり、歩き遍路の場合は日数が嵩む分、宿泊費が高く付きます。そのため、できるだけ日数を抑えるとなると、自動車移動が最も効率がよく、最悪車中泊を行うこともできます。

また、四国内のホテルは遍路客用に駐車場を設けている場合が多く、駐車場無料のところも数多くあります。

よって、総合的に考えても自動車移動が最適だと思われます。なお、自家用車を持ち合わせていない場合は、四国内の乗捨て無料プランのあるレンタカーを利用すると良いかもしれません(使ったことが無いので何とも言えませんが…)。


お遍路の効果について

まだ霊場寺院の2割も廻っていませんが、個人的にはそれなりに効果があったように思います。

というのも、霊場巡礼の間はどういうわけか寝覚めが非常によく、かつ、やる気が出て疲れにくくなったような気持ちになります。これらは、ただの錯覚かもしれませんが、身体的な実利がみられるため、やって損はないと思いました。

また、四国という土地を歩きながら散策することで、今まで知らなかった多くの事実に触れることができ、さらに歩いているうちの数多くのアイデアを閃くこともできたので、「お遍路」から得られる副産物も数多くあるように思えます。

そのため、何も目標が持てないなどの悩みがある時には、漠然と霊場巡礼を行ってみて、その旅の途中で目標を見出すという方法もあるものと考えられます。

なお、自分は今回の旅で何も祈願しませんでしたが、聞く話によれば、お遍路から祈願達成に至ったという事例は、数多く報告されているようです(下に個人的にお遍路の参考なったビデオを貼っておきます)。



四国八十八箇所霊場の一覧

阿波(発心の道場)

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

01.竺和山 霊山寺 徳島県鳴門市大麻町板東塚鼻126
02.日照山 極楽寺 徳島県鳴門市大麻町檜字段の上12
03.亀光山 金泉寺: 徳島県板野郡板野町大字亀山下66
04.黒巖山 大日寺: 徳島県板野郡板野町黒谷字居内5
05.無尽山 地蔵寺: 徳島県板野郡板野町羅漢字林東5
06.温泉山 安楽寺: 徳島県板野郡上板町引野8
07.光明山 十楽寺: 徳島県阿波市高尾字法教田58
08.普明山 熊谷寺: 徳島県阿波市土成町土成字前田185
09.正覚山 法輪寺: 徳島県阿波市土成町土成字田中198-2
10.得度山 切幡寺: 徳島県阿波市市場町切幡字観音129
11.金剛山 藤井寺: 徳島県吉野川市鴨島町飯尾1525
12.摩盧山 焼山寺: 徳島県名西郡神山町下分字中318
13.大栗山 大日寺: 徳島県徳島市一宮町西丁263
14.盛寿山 常楽寺: 徳島県徳島市国府町延命606
15.薬王山 国分寺 徳島県徳島市国府町矢野718-1
16.光耀山 観音寺 徳島県徳島市国府町観音寺49-2
17.瑠璃山 井戸寺 徳島県徳島市国府町井戸北屋敷80-1
18.母養山 恩山寺: 徳島県小松島市田野町字恩山寺谷40
19.橋池山 立江寺: 徳島県小松島市立江町若松13
20.霊鷲山 鶴林寺: 徳島県勝浦郡勝浦町生名鷲ヶ尾14
21.舎心山 太龍寺: 徳島県阿南市加茂町龍山2
22.白水山 平等寺: 徳島県阿南市新野町秋山177
23.医王山 薬王寺: 徳島県海部郡美波町奥河内寺前285-1


土佐(修行の道場)

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

24.室戸山 最御崎寺(東寺): 高知県室戸市室戸岬町4058-1
25.宝珠山 津照寺(津寺): 高知県室戸市室津2652-イ
26.龍頭山 金剛頂寺(西寺): 高知県室戸市室戸町元乙523
27.竹林山 神峯寺: 高知県安芸郡安田町唐浜2594
28.法界山 大日寺 高知県香南市野市町母代寺476-1
29.摩尼山 国分寺 高知県南国市国分546
30.百々山 善楽寺 高知県高知市一宮しなね2丁目23-11
31.五台山 竹林寺: 高知県高知市五台山3577
32.八葉山 禅師峰寺: 高知県南国市十市3084
33.高福山 雪蹊寺: 高知県高知市長浜857-3
34.本尾山 種間寺: 高知県高知市春野町秋山72
35.醫王山 清瀧寺: 高知県土佐市高岡町丁568-1
36.独鈷山 青龍寺: 高知県土佐市宇佐町竜163
37.藤井山 岩本寺: 高知県高岡郡四万十町茂串町3-13
38.蹉跎山 金剛福寺: 高知県土佐清水市足摺岬214-1
39.赤亀山 延光寺: 高知県宿毛市平田町中山390


伊予(菩提の道場)

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

40.平城山 観自在寺: 愛媛県宇和郡愛南町御荘平城2253-1
41.稲荷山 龍光寺: 愛媛県宇和島市三間町大字戸雁173
42.一カ山 佛木寺: 愛媛県宇和島市三間町字則1683
43.源光山 明石寺: 愛媛県西予市宇和町明石201
44.菅生山 大寶寺: 上浮穴郡久万高原町
45.海岸山 岩屋寺: 上浮穴郡久万高原町
46.医王山 浄瑠璃寺: 愛媛県松山市浄瑠璃町282
47.熊野山 八坂寺: 愛媛県松山市浄瑠璃町八坂773
48.清滝山 西林寺: 愛媛県松山市高井町1007
49.西林山 浄土寺: 愛媛県松山市鷹子町1198
50.東山 繁多寺: 愛媛県松山市畑寺町32
51.熊野山 石手寺 愛媛県松山市石手二丁目9番21号
52.瀧雲山 太山寺: 愛媛県松山市太山寺町1730
53.須賀山 圓明寺 愛媛県松山市太山寺町1730
54.近見山 延命寺: 愛媛県今治市阿方甲636
55.別宮山 南光坊 愛媛県今治市別宮町3丁目一番地
56.金輪山 泰山寺: 愛媛県今治市小泉1-9-18
57.府頭山 栄福寺: 愛媛県今治市玉川町八幡甲200
58.作礼山 仙遊寺: 愛媛県今治市玉川町別所甲483
59.金光山 国分寺: 愛媛県今治市国分4-1-33
60.石鈇山 横峰寺: 愛媛県西条市小松町石鎚甲2253
61.栴檀山 香園寺: 愛媛県西条市小松町南川甲19
62.天養山 宝寿寺 愛媛県西条市小松町新屋敷甲428
63.密教山 吉祥寺: 愛媛県西条市氷見乙1048
64.石鈇山 前神寺: 愛媛県西条市洲之内甲1426
65.由霊山 三角寺: 愛媛県四国中央市金田町三角寺甲75


讃岐(涅槃の道場)

人文研究見聞録:お遍路とは?(四国八十八箇所の基礎知識)

66.巨鼇山 雲辺寺: 徳島県三好市池田町白地ノロウチ763-2
67.小松尾山 大興寺(小松尾寺): 香川県三豊市山本町辻4209
68.琴弾山 神恵院(琴弾八幡): 香川県観音寺市八幡町1-2-7
69.七宝山 観音寺: 香川県観音寺市八幡町1-2-7
70.七宝山 本山寺: 香川県三豊市豊中町本山甲1445
71.剣五山 弥谷寺: 香川県三豊市三野町大字見乙70
72.我拝師山 曼荼羅寺: 香川県善通寺市吉原町1380-1
73.我拝師山 出釈迦寺: 香川県善通寺市吉原町1091
74.医王山 甲山寺 香川県善通寺市弘田町1765-1
75.五岳山 善通寺 香川県善通寺市善通寺町3-3-1
76.鶏足山 金倉寺 香川県善通寺市金蔵寺町1160
77.桑多山 道隆寺 香川県仲多度郡多度津町北鴨一丁目3番30号
78.仏光山 郷照寺: 香川県綾歌郡宇多津町1435
79.金華山 天皇寺(高照院): 香川県坂出市西庄町天皇1713-2
80.白牛山 國分寺 香川県高松市国分寺町国分2065
81.綾松山 白峯寺: 香川県坂出市青海町2635
82.青峰山 根香寺: 香川県高松市中山町1506
83.神毫山 一宮寺香川県高松市一宮町607
84.南面山 屋島寺: 香川県高松市屋島東町1808
85.五剣山 八栗寺: 香川県高松市牟礼町牟礼3416
86.補陀洛山 志度寺: 香川県さぬき市志度1102
87.補陀洛山 長尾寺: 香川県さぬき市長尾西653
88.医王山 大窪寺: 香川県さぬき市多和兼割96



スポンサーリンク


0 件のコメント :

コメントを投稿