人文研究見聞録:清楽寺 [愛媛県]

愛媛県西条市にある清楽寺(せいらくじ)です。

奈良時代に聖武天皇の勅願によって建立された寺院であり、本尊に阿弥陀如来を祀っています。

また、空海ゆかりの寺院でもあり、かつては四国八十八箇所の60番札所とされていたそうです。

そのため、Googleマップなどでは「60番前札所」と表示されます。

なお、60番札所である横峰寺は、清楽寺より南方の石鎚山の上にあります。


寺院概要

縁起

人文研究見聞録:清楽寺 [愛媛県]

奈良時代の天平元年(729年)、聖武天皇の勅願により、行基(ぎょうき)を開基として越智玉澄に開創とされたと云われています。また、寺伝によれば、行基が当地を巡行した際、西方の光明から阿弥陀如来が表れて土中に入る姿を見たため、自ら阿弥陀如来の尊像を刻み、一宇を建立して開創したとされています。

平安時代には、法寂律師が住持の時に空海(弘法大師)が留錫し、真言の秘法を授けたと伝わっているそうです。

中世以降は度々兵火に遭っていたとされますが、その度に伊予の国主・河野氏の外護により再建され、元和元年(1620年)には快音上人が密厳寺・仏生寺を併せて現在地に再興し、清楽寺と号するようになったとされます。

明治時代には、神仏分離令により横峰寺が廃寺になった際、弘法大師ゆかりの寺であることから60番札所とされ、その後、明治12年(1879)に横峰寺が大峰寺として再興されたため、60番札所を大峰寺に戻し、清楽寺は前札所と定められたそうです(なお、現在は大峰寺は横峰寺の名に戻されている)。

本尊


・阿弥陀如来(あみだにょらい):西方の極楽浄土の教主で、生あるもの全てを救う仏とされる
 → 真言:オン アミリタ テイセイ カラ ウン

境内の見どころ

本堂

人文研究見聞録:清楽寺 [愛媛県]

清楽寺の本堂です。

大師堂

人文研究見聞録:清楽寺 [愛媛県]

清楽寺の大師堂です。

観音像

人文研究見聞録:清楽寺 [愛媛県]

清楽寺の観音像です。

ごりやく錫杖

人文研究見聞録:清楽寺 [愛媛県]

清楽寺のごりやく錫杖です。

まわすと御利益があるとされています。

料金: 無料
住所: 愛媛県西条市小松町新屋敷甲1876
営業: 7:00~17:00
交通: 伊予小松駅(徒歩12分)
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。