飛行神社 [京都府]
2016/08/29
京都府八幡市にある飛行神社(ひこうじんじゃ)です。
大正時代に創建された航空殉難者の霊を祀る招魂社の一種であり、主祭神に饒速日命(ニギハヤヒ)を祀っています。
飛行機開発に携わった二宮忠八によって創建されたことから、境内には飛行機関係のものが奉納されています。
また、併設される二宮忠八資料館では、航空機にまつわる資料や模型の展示も行われています。
神社概要
由緒
由緒書によれば、当社は明治24年(1891年)4月29日にゴム動力プロペラ式飛行機の飛行実験に成功した二宮忠八(にのみやちゅうはち)が、後進の航空殉難者の尊霊を慰めるべく、大正4年(1915年)に創建した神社であるとされています。
なお、忠八は晩年に自ら神職に就き、昭和2年(1927年)に改修して朝夕に航空安全祈願の奉仕をし、昭和11年(1936年)に没したそうです。
その後は一時的に廃絶したとされますが、昭和30年(1955年)に忠八の次男・顕次郎が再興し、「空は一つなり」の信条のもとに世界の航空先覚者および遭難者の霊をあまねく迎え祀って現在に至るとされます。
ちなみに平成元年(1989年)に忠八の飛行原理発見百周年を記念して境内の拡張・改装が行われ、拝殿を古代ギリシャの神殿風にし、鳥居を航空機の素材に使われることの多いジュラルミンで作り、忠八や航空機に関する資料を展示する二宮忠八資料館も新設したとされています。
祭神
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飛行神社の祭神は以下の通りです。
第一殿(中央社殿)
・饒速日命(ニギハヤヒ):天磐船に乗って地上に降臨したという神話があることから、古代の空の神として祀られる
→ 神話の伝承地として大阪府交野市に饒速日命を祀る磐船神社があり、ここから分霊を勧請したとされる
第二殿・祖霊社(右側社殿)
・航空殉難者諸神:航空事故で亡くなった人や、航空業界に多大な影響を与えた人の霊とされる
第三殿・薬光神社(左側社殿)
・薬祖神:薬学会の偉人および、忠八が共に働いた薬学会の仲間の霊とされる
→ 長井博士、武田長兵衛、田辺五郎、塩野義三郎ほか
・金毘羅神(こんぴら):讃岐の金刀比羅宮の神であり、忠八が信仰していたことにより祀られる
・白龍神(はくりゅう):当地に棲んでいたとされる白蛇で、社殿創建と同時に消えたことから神社に籠ったとされる
→ 余談だが、一説に饒速日命・金毘羅神(大物主神)は龍蛇神であるとする説がある
・饒速日命(ニギハヤヒ):天磐船に乗って地上に降臨したという神話があることから、古代の空の神として祀られる
→ 神話の伝承地として大阪府交野市に饒速日命を祀る磐船神社があり、ここから分霊を勧請したとされる
第二殿・祖霊社(右側社殿)
・航空殉難者諸神:航空事故で亡くなった人や、航空業界に多大な影響を与えた人の霊とされる
第三殿・薬光神社(左側社殿)
・薬祖神:薬学会の偉人および、忠八が共に働いた薬学会の仲間の霊とされる
→ 長井博士、武田長兵衛、田辺五郎、塩野義三郎ほか
・金毘羅神(こんぴら):讃岐の金刀比羅宮の神であり、忠八が信仰していたことにより祀られる
・白龍神(はくりゅう):当地に棲んでいたとされる白蛇で、社殿創建と同時に消えたことから神社に籠ったとされる
→ 余談だが、一説に饒速日命・金毘羅神(大物主神)は龍蛇神であるとする説がある
饒速日命について
饒速日命 |
饒速日命(にぎはやひのみこと)とは、『記紀』において大和地方を支配していた天津神とされ、天津神の序列に従って九州から東征して来た神武天皇に大和の支配権を譲ったとされています。
なお、『先代旧事本紀(旧事紀)』という文献には瓊々杵尊(ににぎのみこと)の兄神であり、瓊々杵尊の天孫降臨以前に天磐船(あまのいわふね)という乗り物で河内国の哮峯(いかるがのみね)に降臨したという神話が載せられています。
このことから、飛行神社では天磐船を飛行機と解釈し、『旧事紀』の神話に登場する天磐船を祀る大阪府交野市の磐船神社から饒速日命の分霊を勧請し、古代の空の神・飛行機の神として祀っているそうです。
饒速日命について詳しくはこちらの記事を参照:【饒速日(ニギハヤヒ)とは?】
境内社・常盤稲荷社
飛行神社の境内社である常盤稲荷社(ときわいなりしゃ)です。
祭神などは不明ですが、おそらく稲荷伸(宇迦之御魂神)を祀っているものと思われます。
境内の見どころ
建物
遠方から見た飛行神社です。
鳥居
飛行神社の鳥居です。
飛行機の素材に使われるジュラルミン製となっています。
ジェットエンジン
飛行神社に奉納されたジェットエンジン(ゼネラル・エレクトリックJ79)です。
零戦の機首部
飛行神社に奉納された零戦の機首部です。
拝殿
飛行神社の拝殿です。
古代ギリシャの神殿風のデザインであり、窓はステンドグラス風になっています。
本殿
飛行神社の本殿です。
神飛行機おみくじ
飛行神社の神飛行機おみくじです。
中身を読んだら紙飛行機形に折って奉納鳥居の輪に投げ入れて奉納するようになっています。
飛行機の絵馬
飛行神社の絵馬には飛行機の絵が描かれています。
料金: 無料(資料館:一般300円、中高生200円)
住所: 京都府八幡市八幡土井44(マップ)
営業: 終日開放(資料館:9:00~16:00)
交通: 八幡市駅(徒歩4分)
公式サイト: http://www.enrichen.co.jp/hiko/
住所: 京都府八幡市八幡土井44(マップ)
営業: 終日開放(資料館:9:00~16:00)
交通: 八幡市駅(徒歩4分)
公式サイト: http://www.enrichen.co.jp/hiko/
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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