餅飯殿弁財天社・聖宝理源大師堂 [奈良県]
2017/06/18
奈良県奈良市にある餅飯殿弁財天社(もちいどのべんざいてんしゃ)です。
平安時代に弘法大師によって創建された古社であり、祭神に七辨財天大神を祀っています。
また、同じ場所に聖宝理源大師堂(しょうぼうりげんだいしどう)という仏堂があります。
この仏堂は、平安時代に大峰山に棲み着いた大蛇を退治した僧・聖宝の尊像などを祀っています。
餅飯殿弁財天社
餅飯殿弁財天社 由緒
由緒書によれば、弘仁4年(814年)に弘法大師(空海)が皇居の守護神として、興福寺南円堂に吉野の天河大辨財天社から分神を勧請し、窪之辨財天社を創建したことに始まるとされます。
同年、当郷に吉野の天河大辨財天社から七辨財天大神(弁財天)を勧請して蕗之畠郷七辨財天(ふきのはたごうななべんざいてん)と号したとされ、以後 当町に天災悪疫は無く、現在では家運家業繁盛・勉学・芸能・音楽上達の神として信仰を集めているそうです。
なお、由緒書による解説は以下の通りです。
【餅飯殿弁財天社 宗像神社】
弘仁4年(814年)、弘法大師は南郡皇城の守護神として興福寺南円堂の南岸に吉野 天河大辨財天社より御分神を勧請、窪之辨財天社を建立・鎮座を賜りました。
当郷(当時は富貴之畠郷と呼び現在の餅飯殿町)は餅飯の お供えを調え、17ヵ日の法要の お供えを差し上げました。このことが、後の「餅飯殿」の町名の由来になったと言われております。
同年、当郷へ吉野 天河大辨財天社より七辨財天大神を勧請・鎮座を給わり、「蕗之畠郷七辨財天(ふきのはたごうななべんざいてん)」と申します。神殿には、当町の町家に現在も奉祀 申し上げております。
すでに2000余年、当町に天災悪疫の災いなく、家運家業栄え、勉学、芸能、音楽上達の神様として御加護いただいております。
弘仁4年(814年)、弘法大師は南郡皇城の守護神として興福寺南円堂の南岸に吉野 天河大辨財天社より御分神を勧請、窪之辨財天社を建立・鎮座を賜りました。
当郷(当時は富貴之畠郷と呼び現在の餅飯殿町)は餅飯の お供えを調え、17ヵ日の法要の お供えを差し上げました。このことが、後の「餅飯殿」の町名の由来になったと言われております。
同年、当郷へ吉野 天河大辨財天社より七辨財天大神を勧請・鎮座を給わり、「蕗之畠郷七辨財天(ふきのはたごうななべんざいてん)」と申します。神殿には、当町の町家に現在も奉祀 申し上げております。
すでに2000余年、当町に天災悪疫の災いなく、家運家業栄え、勉学、芸能、音楽上達の神様として御加護いただいております。
祭神
餅飯殿弁財天社の祭神は以下の通りです。
・七辨財天大神:天河大辨財天社の主祭神とされる(天河大辨財天社の主祭神は市杵嶋姫命)
聖宝理源大師堂
聖宝理源大師堂 縁起
由緒書によれば、平安前期に大峰山に大蛇が棲み着いて人に危害を与えていたため、寛平7年(895年)に宇多天皇の勅命によって真言宗の僧・聖宝(しょうぼう)が大蛇退治を命じられ、当地の勇敢な若者である箱屋勘兵衛と共に大蛇を退治して大峰山の安全を確保したとされます。
この功績を讃えた当郷の町民は、聖宝と箱屋勘兵衛に餅と飯を差し出して労をねぎらうと、後に聖宝から「餅飯殿へ」と書かれた礼状が届いたことから、当郷は餅飯殿郷と称されるようになり、現在の餅飯殿町の名前の由来になったそうです。
また、箱屋勘兵衛が大峰山の蔵王権現に参詣する餅飯殿講を組織すると、聖宝より神符が授けられ、この神符を携えて金峯山寺に参拝登山するようになったとされています。
理源大師堂は、この逸話にまつわる 聖宝理源大師像・神変大菩薩役小角尊像・山上講御守・箱屋勘兵衛の霊位 を祀る仏堂として当地に建立されているようです(創建年代などは不明)。
なお、由緒書による解説は以下の通りです。
【聖宝理源大師堂 由緒略記】
理源大師聖宝(りげんだいし しょうぼう、832~909)は、役小角が白鳳時代に開いたと伝える吉野・金峯山寺やその奥院に当る大峯山を踏破して、いわゆる修験の道を再興され、江戸時代には天台宗修験の本山派に対して、当山派(醍醐・三宝院流)の祖と仰がれ、修験道では特に有名な方です。
仏教学についても造詣の深い学僧であったかたわら、練行の面でも、後年修験道の中興の祖といわれたように霊山名寺を跋渉したことで有名です。先にあげた大峯山や金峯山寺を再興したというのも、東大寺に留住中のことで、金峯山寺に蔵王権現像を造立安置したり、「六田渡し(柳の渡し)」を設けたのもこの理源大師でした。
白鳳時代、役行者により大峯山修験道の山路は開かれましたが、大蛇が棲み着き、人に危害を加えたため、200余年の間 入峯が途絶えてしまいました。理源大師は これを大変悲しみ、寛平7年(895年)第59代宇多天皇の勅語で、大蛇退治へと向かいました。その際、共に峯入りした勇敢な若者衆の一人が当郷に住む箱屋勘兵衛でした。二人はホラ貝を吹き鳴らし、響きに誘われてきた七曲りもある極めて大きい蛇を仏具の独銛で打ち付け退治しました。それ以後、再び大峯山修験道は開かれ、無事安心して入峯できるようになったと『大峯山土講縁起』に記載されております。
当郷の町民は、大蛇を退治して お帰りになった理源大師と勘兵衛達に餅と飯で お祝い差し上げました。その後、理源大師から郷へ お礼状が届き、そこには「餅飯殿へ」と書かれており、これより「蕗之畠郷」から「餅飯殿郷」に変わり、現在の「餅飯殿町」になったと言われております。
後に勘兵衛により餅飯殿にも蔵王権現に参詣する山上講「餅飯殿講」が組織され、理源大師より当講に授けられた御神符の山上講御守りを携え、大峯山・金峯山寺に参拝登山をするようになりました。
勘兵衛は理源大師と民間人(僧侶など以外で)として最初に峯入りしたことから、我が国 最初の大峯山上講先達として、当山派の中にあっても、特別な地位を占めております。今もなお、若者成人修行の一つとして、理源大師より授けられた御守りを携え、連綿絶えることなく山上参りは続いております。
理源大師堂は、「聖宝理源大師像」、「神変大菩薩役小角の尊像」、聖宝僧正より授けられた御神符の「山上講御守り」、餅飯殿大峯山上講の大先達「箱屋勘兵衛の霊位」をお祀り申し上げています。
吉野郷黒滝村百貝岳の中腹に建つ鳳閣寺の境内には、理源大師廟塔と箱屋勘兵衛の墓碑があります。
理源大師聖宝(りげんだいし しょうぼう、832~909)は、役小角が白鳳時代に開いたと伝える吉野・金峯山寺やその奥院に当る大峯山を踏破して、いわゆる修験の道を再興され、江戸時代には天台宗修験の本山派に対して、当山派(醍醐・三宝院流)の祖と仰がれ、修験道では特に有名な方です。
仏教学についても造詣の深い学僧であったかたわら、練行の面でも、後年修験道の中興の祖といわれたように霊山名寺を跋渉したことで有名です。先にあげた大峯山や金峯山寺を再興したというのも、東大寺に留住中のことで、金峯山寺に蔵王権現像を造立安置したり、「六田渡し(柳の渡し)」を設けたのもこの理源大師でした。
白鳳時代、役行者により大峯山修験道の山路は開かれましたが、大蛇が棲み着き、人に危害を加えたため、200余年の間 入峯が途絶えてしまいました。理源大師は これを大変悲しみ、寛平7年(895年)第59代宇多天皇の勅語で、大蛇退治へと向かいました。その際、共に峯入りした勇敢な若者衆の一人が当郷に住む箱屋勘兵衛でした。二人はホラ貝を吹き鳴らし、響きに誘われてきた七曲りもある極めて大きい蛇を仏具の独銛で打ち付け退治しました。それ以後、再び大峯山修験道は開かれ、無事安心して入峯できるようになったと『大峯山土講縁起』に記載されております。
当郷の町民は、大蛇を退治して お帰りになった理源大師と勘兵衛達に餅と飯で お祝い差し上げました。その後、理源大師から郷へ お礼状が届き、そこには「餅飯殿へ」と書かれており、これより「蕗之畠郷」から「餅飯殿郷」に変わり、現在の「餅飯殿町」になったと言われております。
後に勘兵衛により餅飯殿にも蔵王権現に参詣する山上講「餅飯殿講」が組織され、理源大師より当講に授けられた御神符の山上講御守りを携え、大峯山・金峯山寺に参拝登山をするようになりました。
勘兵衛は理源大師と民間人(僧侶など以外で)として最初に峯入りしたことから、我が国 最初の大峯山上講先達として、当山派の中にあっても、特別な地位を占めております。今もなお、若者成人修行の一つとして、理源大師より授けられた御守りを携え、連綿絶えることなく山上参りは続いております。
理源大師堂は、「聖宝理源大師像」、「神変大菩薩役小角の尊像」、聖宝僧正より授けられた御神符の「山上講御守り」、餅飯殿大峯山上講の大先達「箱屋勘兵衛の霊位」をお祀り申し上げています。
吉野郷黒滝村百貝岳の中腹に建つ鳳閣寺の境内には、理源大師廟塔と箱屋勘兵衛の墓碑があります。
本尊
・聖宝理源大師像:真言宗の僧・聖宝の尊像(当仏堂の創建に関わる)
・神変大菩薩役小角尊像:修験道の祖・役小角の尊像(大峰山を開山したとされる)
・山上講御守:聖宝が餅飯殿講に授けた神符で、大峰山登山の御守とされる
・箱屋勘兵衛の霊位:箱屋勘兵衛の位牌(当仏堂の創建に関わる)
・神変大菩薩役小角尊像:修験道の祖・役小角の尊像(大峰山を開山したとされる)
・山上講御守:聖宝が餅飯殿講に授けた神符で、大峰山登山の御守とされる
・箱屋勘兵衛の霊位:箱屋勘兵衛の位牌(当仏堂の創建に関わる)
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「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。
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