人文研究見聞録:宇治公園(橘島・塔の島) [京都府]

京都府宇治市にある宇治公園(うじこうえん)です。

宇治川の中州に造られた公園であり、桜や紅葉などの名所として知られています。

また、毎年の夏季には 宇治川の鵜飼 を見ることができます。


概要

宇治公園


人文研究見聞録:宇治公園(橘島・塔の島) [京都府]

宇治公園は、宇治川の中州である「橘島」と「塔の島」に造られた公園で、各橋から渡れるようになっています。この二つの島は「中の島」と総称されており、塔の島は洪水が起きても沈まなかったことから「浮島」とも呼ばれています。

園内については、橘島では 鵜飼で鵜(ウミウ)が飼育されている小屋が見られ、有料で鵜飼の乗合船に乗ることもできます。また、塔の島には 国内最大の石塔といわれる浮島十三重塔(国の重要文化財)が建てられています。

なお、宇治川の堤防沿いは桜の名所として有名であり、毎年4月上旬には「宇治川さくらまつり」が行われるそうです。

塔の島(浮島)と十三重塔


人文研究見聞録:宇治公園(橘島・塔の島) [京都府]

十三重塔の碑文によれば、塔の島は十三重塔を建立した僧・叡尊が宇治橋を建造するに当たり、放生会(仏教の戒律に基づいて殺生を戒める宗教儀式)の祈祷を行うための道場として築いたとされます。

十三重塔は、宇治橋がたびたび流出していた原因が魚霊の祟りと考えた叡尊が、弘安7年(1284年)の宇治橋の架替えの際に魚霊を供養するために建てた石塔であり、塔の下には漁具などが埋められているそうです。

つまり、塔の島と十三重塔は 宇治橋流出の原因である魚霊の祟りを鎮めるために造られたもの ということになります。

しかし、十三重塔は洪水によって倒壊と修復・再興を繰り返しており、宝暦6年(1756年)に起こった大洪水による流失以降は川中に埋没していたとされます。その後、明治40年(1907年)の工事によって現在の姿に再現されたそうです。

園内の見どころ

朝霧橋


人文研究見聞録:宇治公園(橘島・塔の島) [京都府]

朝霧橋(あさぎりばし)は、宇治神社方面から橘島に架かっている橋です。

橋の上からは宇治川の眺望を楽しむことができ、陸地側には宇治神社宇治上神社(世界遺産)などが鎮座しています。

源氏物語のオブジェ


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朝霧橋の陸地側沿いには、源氏物語のオブジェがあります。

このオブジェは『源氏物語』の「浮舟」の一場面がモデルになっているそうです。

橘橋


人文研究見聞録:宇治公園(橘島・塔の島) [京都府]

橘橋(たちばなばし)は、平等院方面から橘島に架かっている橋です。

宇治川の眺望


人文研究見聞録:宇治公園(橘島・塔の島) [京都府]

中の島に架かる橋の上からは、宇治川の美しい風景を望むことができます。

宇治川の野鳥


人文研究見聞録:宇治公園(橘島・塔の島) [京都府]

宇治川には、サギやウミウなどの野鳥が生息しています。

鵜飼小屋


人文研究見聞録:宇治公園(橘島・塔の島) [京都府]

橘島には鵜飼小屋があり、ウミウを間近で見ることができます。

浮島十三重塔


人文研究見聞録:宇治公園(橘島・塔の島) [京都府]

塔の島には、浮島十三重塔(うきしまじゅうさんせきとう)が建てられています。

現存する国内最大の石塔といわれており、国の重要文化財にも指定されています。

喜撰橋


人文研究見聞録:宇治公園(橘島・塔の島) [京都府]

喜撰橋(きせんばし)は、平等院方面から塔の島に架かっている橋です。

この橋の付近には、鵜飼の乗合船 乗り場があります。

宇治橋


人文研究見聞録:宇治公園(橘島・塔の島) [京都府]

宇治橋(うじばし)は、宇治駅前から宇治川に架かっている橋です。

大化2年(646年)に初めて架けられたと伝えられており、日本三古橋の一つに数えられています。

中の島からは遠いですが、橋の全景を望むことができます。

紫式部像


人文研究見聞録:宇治公園(橘島・塔の島) [京都府]

宇治橋のたもとには、紫式部(むらさきしきぶ)の像があります。

『源氏物語』の作者として有名であり、二千円札にも描かれている人物です。

料金: 無料
住所: 京都府宇治市宇治塔川(マップ
営業: 終日開放
交通: 京阪宇治駅(徒歩9分)

公式サイト: http://www.pref.kyoto.jp/koen-annai/uji.html
matapon
著者: matapon Twitter
「日本神話」を研究しながら日本全国を旅しています。旅先で発見した文化や歴史にまつわる情報をブログ記事まとめて紹介していきたいと思っています。少しでも読者の方々の参考になれば幸いです。